余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

我思い

2022-02-28 22:19:59 | 綾取りの塔(短歌)
我思い
心を打ちて
鐘が鳴る
裏表すら
花に抱かれて
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丁寧に

2022-02-28 22:19:00 | レターの膜(短歌)
丁寧に
言葉を拾い
透き通って
きた君を
色で抱きとめる
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心の迷路

2022-02-28 00:30:14 | 十五の詩
あなたは心の迷路に佇んでいる
僕は心の迷路を潜りぬけ
辿り着いたのは不穏の気配のけもの道
どうやら間違った出口をぬけたらしい

あなたは心の迷路を手探る
僕は奥深くまで入っていく
ロウソクで浮かび上がる妖しさは
暗の部位を模様とする
出口を探している

あなたは心の迷路に一筋の光をみる
僕はさらに奥深くへいく
後戻りはできない
悔恨のために
出口はどこだ

あなたは心の迷路の覚めるのを感じる
僕はたたずんでいる
背中をおぶさる重みは救いを求める
さらに奥から不気味な音がきこえる
顔は緑色になっている

あなたは心の迷路から起き上がる
僕はいまだ動けない
迷路はまだ続いている
はしる
光の届かない暗闇を
さらに奥深くに

あなたは心の迷路をぬけ日常を散歩する
僕はまっくらやみを歩いている
衣服はとけて裸で
寒さは身体を痺れさせる
おふろに入りたいなあ

あなたは笑う光の中で
あなたは眠る安らかに
僕はさ迷う闇の中で
童謡を歌いながら眠らず歩く
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おぼえたもの

2022-02-28 00:23:50 | 花弁の詩
これで憎悪もおぼえた
これで絶望もおぼえた
これで空虚もおぼえた
これで無力もおぼえた

そして嗚咽をおぼえた
そして恐怖をおぼえた
そして脱力をおぼえた
そして放浪を切ってみた

また始まる日常に
またそして泪をこぼしてみた
またそして笑ってみた
またそして大声で笑ってみた
またそして走ってみた

するとあらたな自分を知った
するとあらたに得て
するとあらたに失くして
おぼえたものを包装紙で包んでみる
たまによくわからなくなるために
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閉塞

2022-02-28 00:22:30 | 十五の詩
閉塞された空間が
がまんできなくなってくる
扉を開け放っておいてくれ
まるで逃げ場がないような
逃げる必要などないのだが
そこにじゅうまんされている
圧力されたどくとくの重み
だれかどこかにいるような気配
正体などしらない
いないのかもしれない
いるのかもしれない
どこか自身に似ているような
黒目が閉塞されていく
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