余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

戦争は女の顔をしていない

2025-01-15 00:08:31 | マイブック(さ)
「戦争は女の顔をしていない」
      スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ 著
              三浦みどり 訳

第二次世界大戦のソ連では百万人を超える女性が従軍し、
戦争に参加していた。
男の戦争ではなく、女から見た戦争。それも中から見た戦争。
そこは血があり、死があり、偏見があり、国があり、人がある。
著者はその女性たちの声を聴いていく。いくつもいくつも。
限りない声を、重層されていく声を、名のある声を。
今、現在戦争はおこなわれている。そして女性もそこにはいる。
戦争はおこなわれるべきものなのだろうか。
そこでの死はあるべきなのだろうか。終結はどこにあるのだろうか。
人々が望むのだろうか。国がそうさせるのだろうか。
ノーベル文学賞作家の一冊。
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ひとりでも生きられる

2025-01-07 00:10:03 | マイブック(さ)
「ひとりでも生きられる」
      瀬戸内寂聴 著

人柄に惹きつけられる。
自由奔放、天真爛漫。
そんな言葉が浮かんでは消える。
そして愛とは。
好きとは、恋とは、性とは、時とは、業とは、人間とは、言葉とは。
興味は尽きない。
それを教えてくれる。
愛すべき世界として。

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星のように離れて雨のように散った

2024-11-20 22:51:26 | マイブック(さ)
「星のように離れて雨のように散った」
      島本理生 著

宮沢賢治の銀河鉄道の夜を修士論文に選んだ原春。
過去の出来事に捕われながら、私というものを自問する。
そして恋人との関係にもなぜだかは分からないもやが存在する。
私とはいったいなんだろうか。私は何をすればいいのだろうか。
何をしたいのだろうか。
異性の友人、同性の友人、バイトとして作家に触れる機会を得て、
葛藤の渦のなか、私としての物語を模索していく。
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寂聴仏教塾

2024-07-06 00:38:55 | マイブック(さ)
「寂聴仏教塾」
      瀬戸内寂聴 著

とても分かりやすく仏教というものを語ってくれる。
無神論者であるが、自身はなんとなく神をおもう。
祈りもするし、願いもする。
宗教とはなんであろうか。
人の拠り所とするもの、すがるもの、また遠く近くにあるもの。
読み進めるうち心身になんと纏っていたこと。
ブッタという存在もまた人として近くにある。
こんな言葉があることを記しておく。
生老病死、愛別離苦、怨憎会苦、求不得苦、五蘊盛苦。
色(しき)。
眼、耳、鼻、舌、身、意の六根。
色、声、香、味、触、法の六境。
見、聞、嗅、味、触、知の六識。

生きていくこと、そのただ只中で。
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逃げていく愛

2024-01-21 22:57:54 | マイブック(さ)
「逃げていく愛」
      ベルンハルト・シュリンク 著
      松永美穂 訳

愛とはなんだろうか。
ドイツという国。
男と女の様々な愛のもようを男の視点から見詰める。
人が生きてきた背景を抱えながら、人生の迷いの7つの短篇。
答えのない迷路のような問いを物語が終わったあとの、
それからが始まっていく。
生きる意味を請い求める。
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