自宅で撮影テストをした。最初は南天の比較的仰角の低いM104を
撮影したが、どうにも空の透明度が低いのに加え、まだ時間が早い為
光害の影響も強く、写りは今ひとつだった。1枚目の撮影枚数は少なか
ったが、追尾エラーによる撮影写真の使えた率は、69%程だった。
やっぱり、こんな条件では低空は厳しいかと、少し高度が有って、
前回の撮影で割とまともに写ったM51を撮影してみた。
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【↑M51 子持ち銀河】
SM-R125S/D:130 f:720 Canon IXY 30S F:2.0 f=4.9mm コリメート法
UW6mm 120倍 LPS-P2使用 ISO3200 S:64秒x16コマ
撮影場所:東京都三鷹市(自宅) 撮影日:2012/5/10 21:53~22:32
jpegからRegistacsでコンポジット→YIMGで回転、トリミング
→FlatAideでかぶり補正、GIMP2でトーンカーブ調整、リサイズ
30枚撮影し最終的に使えたのは16枚なので、使えた率53%と成るのだが
私が撮影した画像から選んだ追尾の乱れの少ないコマは21枚だった。
撮影の途中で細い電線が横切ったのか、多少明るさの変化したカットが
混ざっていて、Registaxではねられてしまった結果であるので、追尾の
乱れたエラーとしては、使えた率70%といった感じだろうか。
ちなみに、前回の2月の寒い日に撮ったM51と比べると、かなり写りは
良くない。前回は、‐7℃と三鷹とは思えない寒さだった事もあり、
空の透明度が高く、撮影時間も薄明前の4時過ぎで、高度も北中と
期せずしてBESTに近い条件だった事を考えると、5月の透明度の
下がった空と、まだ22時台の街の明かりの影響を考えると、
しかたの無い所かもしれない。
スタックとリサイズのみの元画像とそれぞれのRGBのヒストグラムを
見てみると以下の通りだ。
2/3撮影の元画像とRGBヒストグラム↓
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今回の元画像とRGBヒストグラム↑
元画像を見比べるとどちらも写りが薄いので多少の差しか無い様に
見えるが、RGBのヒストグラムで見るとかなり違うのがわかる。
Bのレベルはどちらも2/3位まで行ってるので、たぶんこのレベルで
ほぼ飽和と感じて、露出時間を決めてる感じだろうか。大きく違う
のはBやGに対して、Rがあまりレベルが高くない事。これって
光害はB、G成分が多くて光害で飽和に近づいた時に、Rが十分に
露光されていないって感じだろうか?かぶりを減算処理しているので
一番少ない赤があまり引かれず、残った画像が赤くなるイメージ
だろうか?
実際の所、前回はF3.7で64秒露出出来たのに、今回はF4.5で64秒が
やっとなので、前回の2/3しか露光出来ていない事になるし、、、
結果として、かぶり補正後の色味も赤くなってしまい、カラーバラ
ンスを調整しても、前回のような白色には成らなかったと言う事か。
やはり、光害地での銀河撮影は、条件を揃えて出来るだけ良い時に
撮らないと難しい事を再認識した。
2012.5.10(6/13)