くっしーの徒然日記

不遇の王様(M13)

さて、9月の新月期の16日の夜。新潟の妙高高原、笹ヶ峰の駐車場に7時半ごろ到着した時にはすっかり辺りは暗くなっていて、心配した空は多少の雲は有る物の、かなり良く晴れていた。

前回の遠征でGPEの赤緯軸の調整がずれた事も有り、GPEはもう一度OHしようと思い、それまではSP赤道儀で撮影をしようと、日曜日の午前中にモータを載せ替えてきたので、今回はSP赤道儀での撮影である。一応GPEの赤緯軸も軽く調整してきたので、こちらは眼視用での使用予定だ。


【↑今回はSP赤道儀にスカイセンサーのモータを取付け撮影に使用】
さて、機材を設置し2台の赤道儀の極軸を合わせて準備が出来た頃には9時近くに成っていたが、空はこの時点では良く晴れており、先日千葉で光害に埋もれたM13を再撮影する事にした。ここは西方向は、特に暗いので好都合である。

しかし、いざ撮影を始めると、すぐに雲が出てきて、M13が見えたり隠れたりしている。その内、完全に隠れてしまい、暫く晴れるのを待って又再開。それもつかの間でまた隠れてしまう。その内にM13はどんどん高度を下げて、林の影に見えない位置まで来てしまった。と言うわけで、何とか写ったのは8枚しかなく、またしても十分な撮影ができなかった。


【↑M13 ヘラクレス座の球状星団】

SM-R125S/D:130 f:720 UW9mm+LPS-P2 80倍 SP赤道儀+AL90+SkySenser2
コリメート法 PowerShotS90 ISO:3200 F:2.0 f=6mm S:40秒 8コマ
Noise減算:ON 35mm版換算で2240mm相当 
撮影場所:新潟県妙高高原市 撮影日:2012/9/16 21:48-22:33
Registaxでコンポジット→YIMGで回転、3830mm相当にトリミング(58%)
→FlatAideでかぶり補正→GIMP2でトーンカーブ・サイズ調整

なんだかんだでM13が木に隠れる位までの2時間ほど粘ったが、結局、クリアなカットは3コマしかなく、仕方なく多少雲の有るカットを加えても8コマしかない。後のコマは、雲でまるっきり写ってないか、雲越しにほんの少し写っているかで使えないコマばかり。

薄雲カットが半数以上有るせいもあり、前回の光害を受けた千葉での撮影よりも、多少周辺の暗い星が写っていないような感じである。今回露出を少し延ばして、40秒露出したのだが、それも残念ながら結果につながらなかった。

ただ今回は、前回よりも少しピントが良くて、ほんの少しだけシャープなのに加えて、この日は極軸が非常に良く合っていて、追尾エラーが少ない。かなり長い時間雲に隠れたり出たりしながら撮影していても、M13がバックモニターの中心から殆どずれなかったので、撮影中に、今日は極軸良く有ってる!と思いながら撮ったのだが、それもこの空では結果につなげることが出来なかったのが残念である。

毎回、毎回うまく行かないM13である。球状星団の王様といわれているが、私の撮影においては不遇の王様と呼ばざるを得ない。次回はちゃんと撮れるだろうか、、、、

2012.9.16(9/20)

参考

【微妙に大きさのちがうGPEとSP赤道儀】

コメント一覧

くっしー
なかしゃさん、おはようございます。

ほうほう、なかなか興味深いデータですね。個体差もあるかも知れませんが、それでもSPの方がエラーが少ないとは!私も久しぶりに使って、意外にSPの調子が良かった様な気がします。少なくとも現在の、調整不充分のGPEよりは、遙かに良さそうです(汗)
なかしゃ
http://astec.typepad.jp/blog/2008/05/sp-dx-6f9a.html
こんにちは、くっしさん。

写真を観てみると、SP赤道儀のほうが大きいのですね。小さいものとばかり思っていました。ありがとうございます。

ご存知かもしれませんが、下記のサイトでGPとSPの丈夫さではないのですが精度のことが書いてありました。しかもデラックス版ことで違うかもしれませんが...
結果はSPのほうが安定しているようです。 ちょと不思議な感じがして面白かったです。
くっしー
Nikon 8cmさん

なぜか、M13上手く行きませんね~。
確かに、沈み行く天体って、なかなか押さえるのが厳しいことが良くあるような気がします。昇ってくる方が、やはり時間的にもそれ以降の期間的にも余裕があるから、上手く行きやすいんでしょうね。M13は、今年うまく取れるかどうか微妙になってきましたね。
NIkon 8cm
http://nikon8cm.exblog.jp/
くっしーさん

M13はなかなか巡り合わせが哀しいですね。

天頂に昇る対象って、結構こうなりやすくないですか?最良の条件の天高い時には、望遠鏡が三脚につかえたり、途中で方向転換するのがメンドウで後回しになったり。

私の場合は、北アメリカ星雲なんかはまさに不遇の王様で、望遠鏡が屈折でしかもやたらと長いので、いまだにまともに撮影できていません。

印象としては、沈みゆく天体を狙うよりも、昇ってくる天体を狙う方が結果がいいように思いますが、いかがでしょうか。でも、そうなるとくっしーさんのM13は、また来年の春か初夏ってことになっちゃいますね。

くっしー
今まで全く気にしてませんでしたが、並べてみると、結構SPの方が大きいですね。良く一番上の遠近法になってる写真で、その違いが判りましたね。
頑丈さは余り気にしたことがありませんと言うか、SPの積載量を調べていません。GPと同じくらいと勝手に思いこんでいました(汗)
Bin-Star
写真でみるかぎりSP赤道儀の方が大きい様に見えますが、どちらが頑丈なのかな?
最近赤道儀を鍛えているので気になります。
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