京賀塾道場日記(京都市山科区のキックボクシングジム)

日々の練習や試合での出来事等について普段は熱く、時にはまたーり語ります。“時々ぼやきも入りますよー”

2008.1.23 今日の練習

2008-01-23 23:56:58 | 一般部
今日は、ミュージシャン刑部君と新人石田君の二人だけでした。
シャドー、ミットで体で温め、
パンチのカウンター、蹴りの防御、
マススパーリングという内容でした。


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第2章 MAIL

2008-01-23 19:07:45 | 一般部
私は、初めて心理戦で勝利したのだと少し浮かれ気分になりかけていたのが、
実は完璧な負け勝負だったと言うのに気付くまで、
そう長い時間はかかりませんでした。
“敗北”
それを実感してしまうと急に頭の中では
‘恐怖’
‘後悔’
‘悔しさ’
等様々な思いが交差しだし、
今どこに立っているのかさえわからなくなってしまいました。
いや、実際はそうではなく、今の現実を直視する事が出来ず、
ただ逃げたいと言う思いが先行し、
意識だけをこの空間から
‘逃避行’
させていたにすぎないのですが・・・。
しかし、そんな一時の現実からの逃避行も不意に私の手元で鳴る携帯電話の音で、
嫌が負うでも敗北と言うこの現実世界に引き戻されることになるのでした。
“ボ~ン”
Eメールとは違う、
Cメール独特のこの音。
私は何となくこの陰気臭い響きが好きになれません。
設定を変えれば良いのでしょうが、
携帯オンチな上、元来面倒くさがり屋の私は初期設定のままにしています。
この何とも言えない今の私の心を映し出したようなよどんだ音を発する携帯電話をゆっくりと開き、
私は恐る恐るCメールの受信ボックスの画面を開けてみました。
受信ボックスには先ほどの電話と同じ番号が記されています。
私はこのまま削除しようかと迷いながら、
もしかして犯人を知る手がかりが記されているのではという思いから、
意を決してメールを開いてみました。
「さっき電話した由美といいます。×××××@ezweb.ne.jpまでメール下さい」
と書かれていました。
この携帯電話という‘怪物’そう、今の私にはまさしく携帯電話は‘怪物’と呼べるものなのです。
若い道場生など頻繁にアドレスを変えては私のところに
「アドレスの変更をお願いします」
とメールしてきます。
友人の中には電話番号も2、3ヶ月毎に変え、
その都度電話番号とアドレスの変更をメールで知らせてくると言う強者がいるのですが、
その友人は携帯電話そのものを3台持っていますので、
どの携帯の番号が変更になったのか、さっぱりわからなくなってしまい、
今、3台登録されているのですが、いつもどの番号やアドレスに連絡すればいいのか悩んでしまいます。
要するに固定電話とは違いこの携帯電話という‘怪物’は、
簡単に番号もアドレスも変える事が出きるという、
私のような古い人間など一撃で仕留めてしまう爆弾を持っているのです。
“このアドレスは多分本物だろう”
私を弄ぶだけ弄んで、
もし私が危険な人物とわかれば、すぐにアドレスなど変えてしまえば良い、
そんな安易な気持ちからこんなにも簡単にアドレスを教えてきたのでしょう。
“お前の思うようにはさせない”
そうは思いましたが、
普段携帯電話の事など全く興味がない私には、
この‘怪物’から何か情報を引き出せるような知識も経験もありません。
固定電話なら番号から地域を特定する事も可能ですが、
携帯電話ではそれも出来ません。
“何か良い方法があるはず”
この現代の‘怪物’には、
以前息子が携帯電話にヘッドホンを繋ぎ音楽を聞いている姿を見て、
“気でも狂ったか?”
と、それまで携帯電話には通話とメールしか機能がないと思いこみ、
これまで私の教えた事しか出来ない、
いつまでたっても私には子供のままであり小さい時と同じように接してきた息子を
急に私の手の届かない遠い存在に感じさせられたという苦い経験があるのです。
まだまだ私はこの‘怪物’の事をほとんど知りません。
こんなにも毎日一つ屋根の下で一緒に暮らしているにもかかわらず。
“聞くは一時の恥じ、知らぬは一生の恥じ”
以前勤めていた会社の上司が良く使っていた言葉です。
“何を言うてるんじゃい、何でも聞きやがって、
2ちゃんねるなら皆から「ググレ」と祭り上げられるぞ、
チョットは自分で調べんかい”
と当時はこの言葉を良く使う上司をバカにしていたのですが、
何故か急にこの言葉を思いだし、
“誰かに聞かねばならない”
という衝動が湧き上がって来るのでした。
しかし、時計を見ると夜中の11時を過ぎています。
10分近く戦っていたようです。
私は少し後悔しました。
もう少し早くに勝負を切り上げていれば、この事を誰かに相談する事が出来たのに、と。
今の若者など夜中の11時など、まだまだこれからという感覚なのでしょうが、
いかんせん古い考えの持ち主です。
私より年配の方々から見れば40代など
‘何を若造が’
と言われるかも知れませんが、
昔‘新人類’と呼ばれた年代は私より少し下の年代です。
私は紛れもなく‘旧人類’なのです。
夜中の11時などに電話やメールをする事など私にとっては非常識極まりない‘愚行’なのです。
“どうしたものか”
と悩んでいる私の頭の中にふと一人の男の名前が浮かび上がりました。
“そうや、Y岡や”
あいつなら非常識と思われようが、迷惑と思われようが知ったことではありません。
しかし、ここで一つ大きな問題が・・・。
それは、私がY岡に直接この件に関して教えを請うなどと言う事を、
どうしても私のプライドが許してくれないのです。
多分、彼以外の人間であればたとえ年下であっても素直に聞くことができたでしょう。
しかし、彼だけにはどうしてもどうしてもそれが出来ない、いや、したくないのです。
私は暫く考えたあげく、大きな賭けに出たのです。
それは“今、こんな変な電話があったんや~、どうしよっかな?”
と軽い気持ちで、決して今の私の心境を悟られることがないようにメールを送ろうと。
そうすれば、おせっかいなY岡の事、
きっとY岡の方から勝手に色々アドバイスを送ってくれる事だろう。
そうしたら私は“そんなん相手にするわけないやろ~、”とおどけながら、
情報を引き出す手段をさりげなく手に入れることができるはずだと・・・。
“よし実行だ”
私は、決して今の弱気になった心を見透かされる事がないよう慎重に一言一言選びながら、
決して堅苦しくならない様に文章を作成し、
出来あがってからも文章がさりげない文章に仕上がっているか何度も何度も読み返し
“よし”
とつぶやきながら送信ボタンを押すのでした。
Y岡からの返信メールはいつもすぐ返ってきます。
しかもこちらから送るのを止めるまでメールのやり取りが永遠に続きます。
そんな彼の事、今回もすぐに返信されてくるだろうと待っていましたが、
風呂にでも入っているのか一向に返って来ません。
こんな時に限って本当に役に立たん男だ…、
こうなったら私一人の力で何とか打開していくしかありません。
“正々堂々と真正面から戦いを挑んでやる”
そう決意した私は
“さっき連絡もらった者です。本当に私の知らない人?”
と女にメールを送りつけてやりました。
するとすぐに
「メールありがとうございます。知らない人ですよ」
と返って来ました。
“ん?以外と普通だぞ”
私は、電話の様子からきっとメールも卑猥な言葉が並んでいるのかと想像していたのですが、
以外と常識のある文面に少々気が抜けたのと同時に
“よし、これならいける”
と思い、先ほどから考えていたある大胆な行動に移る事にしました。
“何してる人?写真は送れる?でも知らない人にいきなり写真は無理やろね?”
と少し挑発的な文章を送ってみたのでした。
いたずらならこれで終わるはずです。
そんな見ず知らずな人に顔写真と自分の事が特定される情報を簡単には送れるわけなどないはずです。
きっと女は、チョットした悪戯心でからかってやったら、
とんでもない変態男に当ってしまったと後悔しているに違いありません。
危険だと感じた女の方からこの勝負は降りるはずです。
そうすれば労せずして勝利が私の方に転がってくることになります。
5分も待って返信されて来なかったら私の勝ちだなと、
半ば勝利を確信していると、
“リリリリリン”
メール受信音が鳴り響きました。
“まさか”
私は心臓の高鳴りを抑えながら恐る恐る携帯電話を手に持ちました。
私の機種はメールが送られてくると一瞬相手の名前が表面の小さな画面に浮かび上がるというやつです。
そこに浮かび上がった文字は
【Y岡】
紛らわしい・・・。
本当にタイミングが悪い男です。
沸き起こる怒りを何とか押さえる事が出来たのは、もうそこまで来ている
“勝利”
のお陰です。
しかしその時又“リリリリリン”と携帯が鳴り響きました。
またY岡か、いい加減にしてくれと思いながら画面を確認した私は一瞬にして全身の血が引いていくのを感じました。
“あの女からだ”
震える手で、内容を確認してみると
「ピアノ教室のお手伝いしてます。あたしあんまり可愛くないけど写メ送るね。お兄さんの写メも見せてもらえますか?」
と言う文章と共に顔写真が送られて来ました。
その写真に写っている、可愛くもない、だからと言って全く見れないでもない、
本当に平凡な女の顔を見て、
私は、ますますこれからの戦い方がわからなくなってしまいました。
せめて、可愛いかそうでないかどちらかだったら、
どれだけこれからの戦いがやりやすかった事でしょうか。
左手に携帯を持ちながらまたもやその場を動けなくなった私は、
ふと右手にも何か持っている事に気付きました。
チラシです。
凍てつく寒さにほとんど感覚がなくなっていた私の手は、
右手にチラシを持っている事も今の今まで感じる事が出来ませんでした。
時計を見ると夜中の11時30分を過ぎています。
私はポスティングの途中だという事を思いだし、
まだ3分の1も配れていないチラシを先ず配り終える事が先決で女との勝負はその後だと、
下唇をぐっとかみ締め、マイチャリンコにまたがるのでした。

つづく


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