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目の前にいて抱きしめる事が出来るのなら

2019-07-03 17:33:55 | 日記


駐車場に車を止め店内へ歩いて行く途中
知らない車の中で何かが動く気配と
視線を感じた。

車の中を見ると暗い群青色の服を着た者が居る。
私をじっと見ている。

その彼の瞳は服と一緒の哀しい色をしていて

孤独。
寂しい。
悲しい。

そんな事を訴えているように見えた。

視線を逸らせない。
ここを離れたくない。
ずっと彼の側に居たい。

初めて会うのに彼が愛おしく
今すぐ抱きしめたいと思った。


気が付いたら声をかけていた私。


ねぇ、ひとりなの?
そっか、寂しいね、、、
可哀想に、、
よしよし

尻尾をふって喜ぶ彼
嗚呼、愛おしい。
もう抱きしめたい!

そういえば、
あの時の私もあのワンコと一緒で
ウルウルした目だった気がする。

車の後部座席から
その姿が見えなくなるまで見てた。

タクシーのドアが開き乗りこむ姿。
その横顔。
遠ざかって行く風景。
知らない街に消えていったあの日。

今もその時の風景だったり
その姿だったり
自分の感情を鮮明に覚えてる。