Revive

 

届かなかった言葉は言っていないのと同じ

2020-03-05 21:55:00 | 日記
暦の上では啓蟄と言うのに
朝から変なお天気
雨が降ったりやんだり
曇ったり晴れたり
これじゃ春を待ち焦がれている虫たちも
出たくないだろうな。

そう言えば先日、道を歩いていると
脇道の物陰から視線を感じた。

歩調を緩めその方向を見ると
白い猫が私をじっと見ている。

その場にしゃがみこみ
手を差し出してみたが
野良猫なのか警戒した様子だった。
そんな猫を見ながら思い出したのは

遠い昔、
一度だけ猫を飼っていたこと。

綺麗な青い眼をした白い雄猫で
甘えん坊さんで頭のいい子。

家に帰ればいつも足元から離れず
じゃれついてくる。
抱っこしてとせがんでくる。
撫でてあげると気持ちよさそうに
喉を鳴らす。
立ったまま胸を叩きながら
「ここにおいでー」と声をかけると
床からジャンプして
私の胸に飛び込んでくる可愛い子だった。

いつの日か、
私の母が小さな子犬を連れて帰り
その日から犬と猫の共存生活となった。

家族みんなが、まだ手のかかる子犬に
かまってばかりいると
「そうか、僕への愛情は消えちゃったんだね」
と思ったのか、ある日突然姿を消した。


事故にあってはいないだろうか?
お腹がすいていないだろうか?と、
来る日も来る日も近所を探したが
どこにも彼の姿はなかった。


しかし、数か月後
ゴミをあさるボロ雑巾のようになった彼を
見つけ、抱き上げて家に連れて帰った。
暖かいお風呂に入れてあげた。
大好きなキャット缶をあげた。
もう何処にも行かないでと、
彼を抱きしめてあげた。

それでも
「僕のいる場所はここには無い」と
思ったのか、家を去って行きました。



あの時、届かなかった私の思いを
伝えることができるのならば
あなたへの愛は今も消えてないよ
と彼に伝えたい。


人は心にある、この思いを
言葉にして、文字にして
伝達することが出来る。

なのに言葉にしないのは、
声にしないのは、
その余計なひとことで
相手に嫌われるのではないかと思い
呑みこむのです。


と、言いながら
いつも余計な一言で
後悔をする私。

ばかだね



巡り会えたのは本当に良かった景色は踊りだす

2020-03-03 14:06:00 | 日記

空にはたくさんの雲が浮かんでいる。
そのせいか太陽の姿はどこにも見えない。

風が少し強いせいか肌寒い休日の朝。

隣町の複合施設に買い物に行きたい。
たいした買い物でもないので
バイクで行ってみようか。


駐車場にバイクを停め
ジャケットを片手に少しだけショッピング

上から下まで黒のバイクウェア
黒いキャップにマスク姿の私。


コソ泥に見えるのだろうか?
店員さんやお客さんの視線が
刺すように感じる(ただの自意識過剰)


施設を後にしたのがお昼頃


このまま帰るのも何だか勿体ない。


海が見たい。
GoogleMAPを開き
行ったことのない海を探した。

地図を頭の中に入れて、
エンジンをかけ目的地へバイクを走らせる。

走る車も人もあまり居ない
長閑な田舎道をゆっくりと走った。

しばらく走ると海水浴場の看板を見つける。
その先を見れば柵がある。

目を凝らせば【立ち入り禁止】の看板。



せっかくここまで来たのに?
海が見れない?

Uターンして、別の道へ
(ナビありません。マップも見ません)

道幅が少しづつ狭くなり
舗装されてない道が所々に
(写真なんて撮る余裕なんてありません)

この先に海があるのだろうか?
(それでもマップは見ません)

しばらく走ると海が見えました。



曇り空と同じ曇った海色でした。



潮風に吹かれ、
波のせせらぎを聞きながら
空には海鳥が気持ちよさそうに飛ぶ姿
誰も居ない貸切の穏やかな海を見ながら

一人、贅沢なランチ







レーズンパン丸かじり!ふふん♪





さて、寒くなる前に帰ろう。

帰りは、来た道ではなく別の道へ
(何度もしつこいようですがマップなんて見ません)







案の定、道に迷った。

車一台ギリギリ走れるような田舎の道

両サイドには民家がぽつりぽつりと立ち並び
海の側だからなのか
軒先には魚が干してある家
外で立ち話をしているお婆ちゃん
昭和時代の看板が貼ってある小さな商店

なんだか
のどかでいいなぁ
ここだけ時間がゆっくり流れているよう

そのうち海岸線が見え川沿いを走り
気がつけばメイン道路に出て
家まで、少しだけスピードをあげて帰った



結局2時間ちょっとで行って帰れるところを
4時間ほど走っていた。

道に迷い
進む道が見えなくなって
この道はどこに辿り着くのだろうと
不安と少しの高揚感
徒力に終わる事になっても
その出会いに
心が躍ることもある。