踊るお花劇場公演~第10回発表会~ プログラムご紹介
2-2:初めてのバタ・デ・コーラクラス「グァヒーラ」
※全プログラムを、少しずつプログラム順にご紹介していきます。
出演者一同、本番に向けて頑張っていますので、一緒に楽しみにしていただけたら幸いです。
こちらは、日曜15:15に開講中(月3回)の【バタ・デ・コーラ】受講者を対象とした演目です。
【バタ・デ・コーラ】とは、ファルダ(スカート)の裾が長い衣装のことを言います。
スペイン土産のお人形や絵葉書でご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか?
あの「憧れのバタ・デ・コーラ」です。
スペイン語で「バタ」とは「ガウン」。「コーラ」とは「尻尾」のことを言いますので、直訳すると「尻尾がついているガウン」みたいになります。
「バタ」「バタ」って普段は言いますが、「コーラ」って言った方が衣装の特性を言えているかもしれません。
自分に尻尾が生えたと思って踊れるようになると、コーラを自由自在にコントロールでき、美しく舞うことができます。
そしてこちらは、なんと全員が「自分が着用したい色とデザイン」をデザインしまして
スペインはセビージャの「ピラール・コルデロ」さんへフルオーダーしました
スペイン国立バレエ団も注文する超有名な方へのダイレクトアタックです
出来上がるまでスペインとの時差と闘いながら、色の確認やデザインのアレンジ、多額の海外送金、戦争が始まってなかなか届かない問題等。
ちょうど夜クラスが終わるころにスーパーで買い物していたら電話が掛かってきたりして(時差が8時間。日本が先)
YUMIKOちゃんというセビージャのお友達にも大変お世話になりました。
長い道のりでしたが、今となっては欠かせないやりとりで、今、みんなが綺麗に踊る姿を見て「よかった」と思っています
私の最近の衣裳はほとんどピリ(ピラールの愛称)にオーダーしていて、バタ・デ・コーラ以外のお気に入りも増えていますが、
もう、バタは絶対ピリって思うくらい とにかく踊りやすいです
・・・とそんな彼女へ、バタ・デ・コーラ初めてのみんなの注文(8着)の紹介を引き受けたのでした。
昨年の5月にデザインを書いて→8月には届くはずが・・・・
ピリ「スペイン国立の衣裳の注文が入ったので、HIROMIは少し待ってもらえるかしら」
ひい「もちろんです。スペインのフラメンコも動き出してよかった~」
と、余裕な気持ちでいたら、悲しいことに戦争が始まってしまい
ピリ「先週他の国に送った衣装が行方不明になってるらしいから、ちょっと様子を見ないと怖い・・・」
ひぃ「それは確かに。ちょっと様子みましょう」
・・・となり、9月からだったか、まずはバタ・デ・コーラがないまま、足の軌道や体幹を意識するお稽古でクラスが始まりました。
みんなで首をながー-くして待って やっと11月末に到着
なので、ちゃんとバタ・デ・コーラを履いてお稽古が始まったのは12月です
でも、バタ・デ・コーラを履かずに繰り返したお稽古がすごく身になっていて(スペインではそういうお稽古もあります)
全く初めてのわりには最初から綺麗にコントロールしていたと思います。
まさかこんなに来ないとは思っていなかったため、シニアクラスのチャリティー出演とのコラボ出演が決まっていたので、
チャリティーは基礎のお稽古を振付にはめ込んで出演しました
4か月もたたないままの本番だったので振付はとってもシンプルでしたが、いきなり大技に挑戦しつつ、桂子さんのセビジャーナス4番がピッタリはまって、とっても綺麗にバタ・デ・コーラ初舞台を踊ったのでした。
その時の映像は こちら(川島桂子さんの「アンダルシア憧憬」で踊らせて頂きました)
https://youtu.be/_t1SUh5DGfU
そして、今回の発表会で踊る【グァヒーラ】は、このチャリティーが終わってからなので、今年の4月からなのかな
これまた基礎をはめ込みながら、時にはすごく進み・・・時には全く進まない・・・を繰り返し、現在に至ります。
安心してください。完成してますよ
先日、全体リハーサルでみんなが綺麗に踊る姿を見たら、泣けてきまして
「いや~ 本当に教えるのって大変だから、みんなが綺麗に踊っていてよかった」と言ったら、音楽隊に「自分のことで泣いてんのか」と突っ込まれましたが、後半の振付がなかなかまとまらず(人数も多いのでね)みんな用に5パターンくらい考えたので、その時のことを思い出したら泣けました。
振付って本当に大事ですから妥協しないで頑張る気持ちにさせてくれたみんなに感謝です。
今の振付、とっても気に入っています
【グァヒーラ】という曲は、
スペイン移住民がキューバでつけられたグァヒーロ(白人の農民者)からきている曲名で、IDA y VUELTA(イダ イ ブエルタ)(スペインからキューバへ行って帰ってきた曲)とも言われ、愛やハバナの美しさ、魅惑が歌われている曲です。
ゆったりとした美しいメロディーと甘くて優しい歌が、グァヒーラならではの魅力です
リズムの基本は、1-1 ブレリア と同じような12拍で
⑫12 ③45 ⑥7 ⑧9 ⑩ 11・・・となり、⑩で止まります。
そして今回、後半は【コロンビアーナ】という4拍子の明るい曲をつけました
12拍子と4拍子では、バタ・デ・コーラの扱いもちょっと違っていて、4拍子の方が規則的に体重移動できるのでコントロールしやすいみたいです。
どちらもの曲も、暖かくのんびりしながら、優しい気持ち、楽しい気持ちになれる曲なので、曲に合わせてバタ・デ・コーラが美しく舞ったら、お客様にもうっとりとしていただけると思います
うちでも初めての演目ですから。お客様にも楽しみにしていただきたいです。
この曲の【見どころ】
1人1人が「世界に一つ」な自分のデザインしたバタ・デ・コーラ(ピラール コルデロ Sevilla)
立っているだけ、歩いているだけで美しいバタ・デ・コーラのシルエット
バタ・デ・コーラが空に舞う耐空時間と、その軌道
内側(「カンカン」といいます)が見える時の、バタ・デ・コーラの色々な表情
バタ・デ・コーラがあるからこその上体の引き上げと、コーラの様子を見届けながら踊る顎のラインと視線
コーラを持ち上げて踊る時の、床にある状態とは全く異なる可愛らしさと力強さ
バタ・デ・コーラが衣装ではなく、本当に自分に尻尾が生えたみたいに踊る、お稽古と努力を重ねて命を吹き込んだ踊り手の心意気
小物も使いますので、その小物とのコラボ表現
「初めての」とわざわざ言いたいほどの、頑張り(まだ10か月経っていません)
バタ・デ・コーラをお稽古したことで、自分の後ろになにかがあるイメージもでき、このクラスのみんなは普通の衣裳でも背中をより感じて踊ることが出来るようになると思っています
「バタ:ガウン」って思わないで「コーラ:尻尾」って思いながら踊るだけで、もっと優しく踊れるようになるかな。
「尻尾」だから、引きずっている状態も大事な時間です。我儘で暴力的な尻尾にならないように・・・・・
そしてコーラを扱う時は「蹴り上げる」ということだけでなく「予定したところに運ぶ」ことが大事で、いつもそれを意識してお稽古しているとどんな床でも同じようにコーラが舞えるんじゃないかな。
私たちは新宿村さんでリノリウムでお稽古していますから、本番のコンパネ(木)でも同じように踊れるように、とにかく「身体をねじって足が入れられるスペースを意識して運びたいところに置きに行く」ということが、どれだけイメージ通りできるか
舞台スタッフさんに協力してもらいながら、本番当日は少しでもコンパネの上で基礎練習が出来たらと思っています
初めてのバタ・デ・コーラ グァヒーラ 出演者
久美子ちゃん KUMIKO TANAKA
美穂ちゃん MIHO NIHONGI
なぐえりちゃん ERIKO NAGUMO
有希ちゃん YUKI SHIBUYA
良子ちゃん YOSHIKO SINBORI
真奈美さん MANAMI YAMADA
そしてクラスには1-4でソロを踊るYUMIKOちゃんもいます。今回はソロとガロティンに集中です
とにかく、10か月も経っていない&クラスは月3回な中、みんなよく頑張ってきました
「初めて」ってわざわざ書いてますが、本当にそこのところもお客様には忘れずに楽しみにしていただき、始まったらそのことを忘れていただけるようにみんなに楽しんで踊って欲しい
このクラスは、発表会後も基本的にはレギュラーが毎月3回(1回 60分)。オープンテクニカが月に1回(75分 どなたでも)。で継続していきます。
10月はお休み。11月から新曲のカーニャ(ほぼ決定)になるかと思います。
クラス時間は、12:15-13:15に変更を検討しています。そろそろ決定してご案内します。
オープンクラスはバタ・デ・コーラをお持ちなら、どなたでも1回から受講できます
お問い合わせ | 東京都フラメンコ教室(新宿)新宿村スタジオで行う二村広美のフラメンコレッスン (lfm.jp)
今回は、本当に長いご紹介となりました。
最後まで読んでいただだき、ありがとうございました
みんなの曲は、あと4曲あります。頑張って最後の曲まで書きたいと思っています
読んでくれる皆さんも、大変でしょう。。。。。