「教育基本条例案」の狙いの1つに、教員の評価を厳しくすることがある。
そこでは、教員を相対評価して5%の教員に最低の「D評価」をつけることになっている。
そして、「D評価」を2年連続してつけられた教員は、分限処分の対象とされている。
橋下知事は、これについて、「成果を出さなければクビになるのは、民間では当たり前」などと言っている。こんなのは真っ赤なウソだ。
確かに一時、民間で「成果主義」がもてはやされた時期があったが、それに大きな弊害があることが既に常識となっている。
10/12の日経産業新聞に、日経BP社による国内の製造業大手などの技術者を対象としたアンケートの結果が載っていた。
ここでも、「5年前に比べて成果に対する要求が厳しくなった」、「短期的な成果を求めるため、将来の事業のタネが育たない」、などと「成果主義の弊害」を指摘する声が半数以上に上ったと書かれていた。
短期的成果を追いすぎることは、製造業というモノを相手にする仕事でも弊害が多いのだから、人間、まして子どもたちを相手にする教育ではなおさらだ。
教員を成果主義で競わせることなどあってはならない。
by ウナイ
私は、民間企業に勤めていた経験から、医療や教育などは市場主義や営利活動になじまないという言い方にとても違和感を感じます。
たしかに医療や教育は特別な側面はありますが、食べ物や衣服、家電製品、家、交通、電気、ガス、水道などすべてのものが人間の命と健康に必要なわけで、それらが資本主義的に生産・流通・販売されることが様々な矛盾を引き起こします。
同様に、競争や成果主義は民間企業ではいいが、学校ではなじまないという言い方もいい気がしません。
民間企業に勤めていて思うことは、個々の社員についていえば、自分の会社の営利追求のために働いているわけではなく、製品を作ることに熱心で、誇りを持っていたりするし、「お客様の笑顔が励みになる、売り上げは後からついてくる」というのもあながちウソでもないのです。
もちろん企業の経営がしんどくなっていったら、そんな余裕もなくなります。
ですから、今回の教育基本条例について、「民間の常識を学校に入れる」という言い方は許せません。そんな立場から異議をとなえていきたいと思います。