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水俣病の互助会棄却処分取り消し、認定義務づけ訴訟 判決3月30日

2022-02-13 | 公害・環境
第二世代訴訟と呼ばれる国家賠償(国賠)を求める裁判から続けて提訴したこの裁判が、熊本地裁で昨年11月26日に結審を迎えました。国賠提訴から14年、この裁判を提訴して6年です。これは水俣病被害者互助会の7人が熊本県と鹿児島県に対し、水俣病認定の棄却の取り消しを求めて、そして司法が認定したら行政認定の義務づけを求める裁判です。闘ってきた親世代の次の世代という意味で第二世代訴訟とも呼ばれています。認定審査が争点です。認定審査以上に年月を費やしているので、原告が水俣病と裁判所が判断したら行政認定することになります。

結審するかどうかにハラハラ

結審したと言いましたが、ちゃんと結審させたのもスリリングでした。手に汗握る、ハラハラの連続、おっ、そうきたかみたいな感じで結審しました。
というのは、被告側が期限を守らず、新たな証拠を提出してきたからです。しかも結審直前です。内容も意見書なので、検証もされてない個人の作文にすぎないものです。本当に、主観バリバリの、本人を証人として呼んで尋問しないと分からないものでした。ある原告の生まれた時の臍帯の水銀値を測ったという人が自分の記憶で書いてるものです。90歳を超えた人の記憶です。そんなものを出してくるなんて酷い話ですが、被告の主張としては原告側が出した意見書の反論のためという言い分でしてきてるので、原告側が意見書を撤回するので、被告もその反論のためというなら取り下げろと言いました。でも被告は撤回しないと言うんです。裁判所は反論のための意見書なので採用しないだろうということで、そのやり取りも裁判所に記録させて、やっと本人陳述してから結審と決まりました。

原告さんたちの訴えに胸がきゅっとしめつけられました

原告さんらは最後の陳述と言って、口頭弁論にのぞんでいました。
その陳述はすごいものでした。と同時に国、県から今までどんなに酷いことを言われ続けてたかも分かるような話でした。
原告団長である佐藤英樹さんは県に対して「どこの家も魚を食べて生活をしてきた。何も知らないくせに食べていないなどと、想像でものを言わないでいただきたい」「『船の免許も取り、船にも乗れる、釣り道具も作れる、船も持っいる』と言って、そういう人間は水俣病患者じゃないような言い方をした。現に認定されている患者達も船の免許も持っているし、船にも乗れる、釣り道具も自分で作る認定患者はたくさんいる。この人たちにニセ患者と言えるのか」「裁判をしている私たちだけに言うのは、水俣病の被害者に対しての侮辱であり、差別だ」「私たちの水俣病の症状は、現在に始まったことではない。幼い時から水俣病の症状に苦しめられてきた。頭痛、カラス曲がり、手足のしびれ、めまい、立ちくらみ、身体のあちこちでピクピクするけいれんも。県は、今、私たちが持っている病気を理由にして、幼いころからあるこれらの症状を現在の病気のせいにしようとしている」「私たち被害者は、どうして何も悪いことをしていないのに、国・県からは白い目で見られ、真実を伝えても、もみ消そうとするのか、被害者を潰そうとするのか?あまりにも卑劣な考えは絶対間違っている。国・県は人間の命より、チッソ工場を助け、工場排水から出た毒を止めさせなかった。この重大な罪を認め、心から被害者に詫びるべき。その責任をぜひ果たしていただきたい」、「最後に私たちは本当の被害者であり、水俣病患者だ。ニセ患者ではない。本当の水俣病患者だ」と訴えました。
ある原告さんは自分の父の思いを凝縮した本を示しながら「被告の主張は、親たちが守ってきた漁業を汚すもの、親たちが嘘つきと言っているように思う。被告も裁判所も想像できていないのではないか?自分達の足で調べてほしい」「被告は『当時、魚を危険だと知っていましたよね』と言うが、漁獲禁止とかしていなかった。今のように情報は流れてこなかった。国や県がどうして一回でも危険だと教えてくれなかったのか」との訴えに傍聴者たちの胸に彼らの思いが流れてきて、私は胸がきゅっとなりました。
このような原告さんたちの、生活や思いが浮き彫りになり、裁判所は真摯に受け止めて、公正な判決が下ることを期待しています。判決は3月30日14時です。注目してください。
(さ)

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