安倍政権は、3月20日の自公共同文書「安全保障法整備の具体的な方向性について」に基づき集団的自衛権行使のために安保法を全面改定し、5月半ばをメドに安保法制=戦争法を閣議決定して今国会で成立させようとしています。
「恒久法」新設と周辺事態法改定、武力攻撃事態法改定、PKO協力法改定、臨検法改定等々の法体系を全面的に改悪し、全地球的規模で、米が行うあらゆる形態の侵略戦争に、いつでもどこでも自衛隊を海外派兵し、参戦することを可能にしようとしているのです。
一連の法改定で、自衛隊海外派兵について厳しく規制されていた従来の制約が廃止されます。①地理的制約の撤廃、全世界に派兵し戦争協力することが可能。②米軍以外、オーストラリア軍やNATO軍とも共同作戦が可能。③国連の武力行使決議不要、関連決議で可能。④国会事前承認不要、事後承認で可能。NSCで勝手に派遣が決定される危険がある。⑤「非戦闘地域」の制約を撤廃。現に戦闘が行われていなければ可能。⑤「武力行使との一体化しない」を削除。武器・弾薬の供給が可能で戦闘部隊と一体化。⑥武器使用基準=「自己防衛のための武器使用」の原則を撤廃。攻撃されていなくても任務遂行、治安維持のための使用が可能。
これがどんなに危険なのか。ダイヤモンド・オンラインに、とてもリアルな危険性が書かれています。
※自衛隊海外派遣で想定される死傷者に我々は耐えられるか?(ダイヤモンド・オンライン)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150402-00069453-diamond-soci
そこからわかるいくつかの事例を挙げます。
・「治安維持活動」というのは現実には「平定作戦」「ゲリラ討伐」。
・「治安維持活動」では、「ゲリラ」や「テロリスト」の移動や武器、爆発物の持ち込みを防ぐため、道路上に多数の検問所を設け、車を停止させて運転手や乗客を尋問し、車内を捜索する必要がある。
だが個々の検問所の兵員は概して少ないから、ゲリラ攻撃の標的になりやすいし、身体検査中に身に付けた爆弾で自爆テロをする例も少なくない。
この検問所の兵員の代わりをするのが自衛隊員の「治安維持活動」
・家宅捜索を強行して反撃を受けることもある。装甲車輛による街路などのパトロールは道路脇の爆弾や対戦車ロケットによる被害に遭いやすいし、重要施設の警備兵が狙撃や自動車爆弾の犠牲になった例も多い。
パトロール自体がきわめて危険。家宅捜索どころか家庭訪問でさえ危険任務。
・「駆けつけ警護」を行えるようにすることも想定されているが、襲われた他国の部隊を助けるために「駆けつける」のだから、当然自衛隊は銃撃戦が行われているまっただ中に飛び込む形となり、死傷者が出ることはまず不可避。
「駆けつけ警護」は、「できる」のではなく、「やらなければならない」ことになる。
・ゲリラが他国軍の宿営地や車列などを攻撃する際には、救援部隊が駆けつけて来ることを計算に入れ、後方などに警戒部隊を配置したり地雷を入れることもあるから、救援部隊が待ち伏せ攻撃を受ける危険もある。
自衛隊は後方支援に限るというが、後方支援こそがもっとも危ない。
・敵にとっては前線も後方も関係ない。
「ゲリラ」や「テロリスト」は前線の外国戦闘部隊と正面から戦っては不利だから、後方へ潜入し食糧や水、弾薬、燃料などを運ぶ輸送車列を待ち伏せて攻撃したり、物資の集積所に迫撃砲弾を撃ち込むなど、補給を妨害しようとするのが「定石」だ。
・輸送というのは、輸送トラックだけではなく、大型輸送機も含まれる。迫撃砲で撃ち落とされる。
(ハンマー)