韓国の「共に民主党」は、金大中(KIM DEJUNG)元大統領が結成した民主党を源流として、盧武鉉(NO MUHYON)元大統領時代の「ヨルリン ウリ(開かれた我らが)党」を経て、さらには一部の保守系グループを吸収して「新政治民主連合」を名乗り、今年1月には、安哲秀(AN CHOLSU)議員らが離党して「国民の党」を結成したのを契機に、現在の名称に変更して今日に至っています。同党は、時代が下るにつれて右傾化し、反独裁的で民主的な性格を徐々に喪失し、日本の「民進党」に近い政治的性格を持つようなりました。
日本の「民主党(現民進党)」も、働く人々(勤労人民)の期待を背負って政権に就きながら、真の権力者である巨大独占体とアメリカ政府、そしてその意を体した高級官僚たちに屈服し、選挙公約を次々と放棄して働く人々(勤労人民)を失望させ、短命政権に終りました。
「セヌリ党」や「自民党」の政治を止めることはとても大事なことですが、「共に民主党」や「民進党」に幻想を持つことはできません。「共に民主党」党首の今回の背信発言は、運動を背景にして強力な圧力を掛け続けない限り、「共に民主党」や「民進党」は背信行為を繰り返すということを、改めて強く感じさせる出来事でした。
私たちは、日本軍「慰安婦」被害者ハルモニたちの、名誉と尊厳が回復されるその日まで、闘い続けたいと思います。厳しい環境の中で闘い続けている挺対協に、改めて激励と連帯の挨拶を送ります。
以下、金鐘仁(KIM JONGIN)発言に対する挺対協の糾弾声明を翻訳して紹介させて頂きます。翻訳上の誤りの責任は、すべて訳者老居子にあります。
12・28拙速合意を迅速に履行すべきだと言う金鍾仁(KIM JONGIN)代表、
彼の野党代表資格喪失がまず履行されるべきだ
金鐘仁「共に民主党」の緊急対策委代表が、26日の今日、別所浩郎在日本大使と面談した席で、「慰安婦」問題を合意したが、履行がきちんと成されていないので、移行速度を速めるべきだという発言をした。 このような金代表の発言は、12・28「慰安婦」合意を受け入れることができないと強く訴えてきた被害者と市民社会に、大統領府の合意押し付けよりもさらに大きな衝撃を与える。
わずか2週間前に行われた第20期国会議員選挙が、野党の勝利で終わっていくらも経たずに突如出てきた発言だから、なおさら失望であり絶望だ。これまで「共に民主党」は、12・28合意は拙速に妥結したとして、再交渉を声高に要求してきた。今回の選挙で、民主党をはじめとして野党が受け取った票には、拙速合意を無効にせよという国民的熱望が込められていたのは自明である。このような中で、合意を擁護し、それでも足りずに、早く履行せよという野党第1党代表の発言は、国民の期待に背く背信的言辞そのものだ。
振り返って見れば、金代表は去る3月にも、「ひとまず国家間の協定をしたのだから、その結果を今となっては変更できる与件にならないと思う」と言い、「韓日関係が緊密に成り得るように、お互いに協力すべきだ」という趣旨の発言をしたのだ。政府の誤った政策と外交的失策を批判し、弱者と民衆の気持ちで、役割を果たして行くべき野党の指導者というよりも、政府の立場を代弁するかの如きこの発言に続いて今日出てきた発言は、彼の危険な歴史認識を確認させくれ、無責任で無能な野党を見せてくれるだけのものみたいだ。
被害者が排除された合意、被害者の意に逆らって押し付ける合意が、国家間の協定だから覆すことができないので、すべての歴史の不正義をどうしようも無くて受け入れるという、その寛大さに失笑を禁じ得ない。日本軍「慰安婦」被害者たちは、12・28拙速合意がなされた後も、街頭での闘争を続けており、国際社会に向けて、この合意を受け入れることができないと訴えている。その叫びを無視したまま、韓日政府と一緒に並んで、歩調を合わせて被害者の後頭部を打つ無責任な野党を、今、国民は、両眼を見開いて見守っている。
12・28合意は、被害者をさらに苦痛へと追い込んでおり、むしろより大きな障壁となって正義の実現を妨げている。この厳しい状況で、野党第1党である「共に民主党」の党首が、拙速合意を庇い、その履行を加速化させるという意志を表現したのは、どう見ても理屈に合わない。野党の資格喪失である。
金鐘仁代表は、今日行った発言について直ちに釈明し、被害者と国民の前に謝罪しなければならない。野党第1党の代表職も、彼には相応しくない、間違って授けられた役職であることが今日明白となったのだから、辞めて当然である。
2016年4月26日
韓国挺身隊問題対策協議会
共同代表 尹美香(YUN MIHYANG) 韓國琰(HAN GUGYOM) 金善實(KIM SONSHIL)