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(転載)【広めてください!】Q&A 何が問題? 原発事故子ども・被災者支援法 復興庁の基本方針案

2013-09-09 | 原発

【広めてください!】Q&A 何が問題? 原発事故子ども・被災者支援法 復興庁の基本方針案 

「避難の権利」ブログより転載です。
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/post-ae5a.html
 

Semasugi Q&A紙版(PDF)はこちら(パブリック・コメントの書式付)

8月30日、復興庁は、「原発事故子ども・被災者生活支援法」実施のための基本方針について、福島県内の33市町村を「支援対象地域」に指定し、個々の施策ごとに「準支援地域」とするという案を発表し、9月13日までパブリック・コメント(一般からの意見聴取)にかけています。

⇒パブコメ情報はこちら ⇒「私たちには何ができるの?」と思ったらこちら

Q:「子ども・被災者支援法」とは何ですか?

A. 被災者の置かれた深刻な問題に対して、原発事故子ども・被災者支援法は2012年6月21日、全会派・全国会議員の賛成のもと、国会で成立しました。「放射性物質による放射線が人の健康に及ぼす危険について科学的に十分解明されていない」ことに鑑みて、「居住」「避難」「帰還」の選択を被災者が自らの意思で行うことができるよう、国が支援を行うことになっています。具体的には、医療の支援、移動の支援、移動先における住宅の確保、学習等の支援、就業の支援、保養などです。

また、特に子ども(胎児含む)の健康影響の未然防止、健康診断および医療費減免などが盛り込まれています。

>法律の条文はこちら。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H24/H24HO048.html


Q:「基本方針」とは何ですか?

「子ども・被災者支援法」は、いわゆる「プログラム法」であり、理念や枠組みのみを規定したものです。政府は、支援対象地域の範囲や被災者生活支援計画などを含む「基本方針」を定め、その過程で、被災者の声を反映していくことになっています(第五条)。


Q:「支援対象地域」とは何ですか?

いままでの政府指示の避難区域よりも広い地域を「支援対象地域」として指定し(第八条第一項参照)、そこで生活する被災者、そこから避難した被災者の双方に対する支援を規定しています。

いままで、市民団体や弁護士グループ、心ある専門家は、少なくとも追加線量年1mSv以上の場所を支援対象地域に含めるべきだと要請してきました。

Q.なぜ、「少なくとも1mSv」なのですか?

国際的な勧告では、一般の人の被ばく限度は年間1mSvとされています。日本国内で、原子炉設置運転規則に基づく告示等、この国際的な勧告を踏まえて1mSv基準が採用されています。

低線量被ばくの健康影響に関しては、閾値なしの線形モデルが国際的に最も広く採用されています。これは、放射線被ばくと、その健康リスクは正の比例関係にあり、ある一定値を下回れば影響はないという閾値は存在しないというモデルであり、たとえ、低線量被ばくの影響が不明であっても、この仮定に基づいた政策とすべきというものです。年1mSvは、原子力利用者・原子力を推進してきた政府と社会との約束事とみなすことができるのです。
福島第一原発事故により、福島県をはじめ、多くの地域が追加被ばく線量1mSvを上回っている状況にありますが、この社会的な約束が反故にされている状況です。この地域に居住せざるをえない住民、同地域から避難せざるをえなかった住民、双方に対して国が支援を行っていくべきでしょう。

Q:復興庁の「基本方針案」の何が問題なんですか?

基本方針案は下記からダウンロードできます。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000103569

発表された基本方針案には多くの問題があります。被災者の直面している深刻な状況や、切実なニーズを反映していません。以下は内容面での主要な問題です。

「支援対象地域」は狭すぎる上、これに対応した具体的施策はほとんどなく(※1)、意味がありません。「準支援対象地域」は既存の政策の適用地域を呼び換えただけです。

※1 支援対象地域向けの施策は、①子ども元気復活交付金(原発事故の影響により人口が流出している地域において、全天候型運動施設等の整備や、プレイリーダーの養成などのソフト事業の実施を支援)、②公営住宅の入居の円滑化、③高速道路の無料化(本年3月に国土交通省発表の施策と同じ)。しかし②に関しては、数に限りがあるわけ、家賃補助や優先入居といった支援でははない。③については既存施策。

もり込まれている施策のほとんどが、今年3月に復興庁が公表した被災者支援パッケージと同様、既存の施策の寄せ集めになっています(※2)。「帰還」を促すような施策が目につく一方、避難者向けの具体的な施策が欠落しています。さらに、健康分野では、放射線に関する「安心キャンペーン」ともとれる施策が並び、市民が切実に求めていた、幅広い疾病の可能性に対応した健診の拡充は含まれていません。

※2 基本方針に関する施策の中身を見ると、全施策120のうち87の施策が、今年3月15日に公表した被災者支援パッケージと全く同じで、既存の施策の寄せ集めになっている。また、支援パッケージには入っていなかった施策でも、少なくとも7施策が以前からある施策。残りの26施策も、大半は除染と健康不安の解消に関わるもので、同法で最も重要な「避難の権利」を保障する避難者支援策は全くない。
OurPlanetTV「支援法の基本方針?線量基準なく既存政策寄せ集め」参照

③「放射性物質が広く拡散していること、当該放射性物質による放射線が人の健康に及ぼす危険について科学的に十分に解明されていないこと」を踏まえ、被災者一人ひとりが、居住・避難・帰還のいずれを選択した場合においても、選択を自らの意思によって行うことができるよう保障するという原発事故子ども・被災者支援法の目的や理念は無視されています。

そのほか、以下のQ&Aで説明するような問題があります。

Q:復興庁は、被災者の声をきいたのでしょうか?

基本方針案には、切実な状況に置かれている被災者の声や、被災者支援を継続している民間団体や市民の声が一切反映されていません。また、たった2週間のパブリック・コメント期間はあまりに短すぎ、形式的です。

復興庁は、「市民団体主催の集会に出席。また各団体からの要請書を受け取った。それを反映させたのがこの基本方針案。特にニーズが高かった避難者への住宅支援、県外での健康管理支援を反映させた」と言っています。しかしこれは形だけです。次以降の項目をご覧ください。

Q:基本方針に盛り込まれている「住宅支援」とはどういうものですか?

基本方針には、避難者への「住宅支援」として、①災害救助法に基づく住宅支援の延長(2015年3月まで)、②「公営住宅」への入居の円滑化――が盛り込まれています。

①については、すでに決まっていた話しである上、細切れの延長では、避難者が将来設計を行うことができないため、長期の延長が必要であるという要請は反映されていません。

さらに多くの市民が打ち切らないでと声を上げたのにもかかわらず、昨年の12月、新規受付が打ち切られてしまいました。長引く汚染や健康不安から、これからも避難したい人はまだいます。新規受付の再開が必要です。

②については、公営住宅の数に限りがあるうえ、入居の円滑化といっても、既存の公営住宅法の二つの要件のうち、「住宅確保が困難な人」を避難者向けに緩めるというもの。家賃補助や優先的入居ができるようになるわけではありません。

Q:「県外での健康支援」とはどういうものですか?

県外における個人線量計を用いた被ばく量をもとに、どの範囲で健康支援を行うか、「有識者会議」を開催する、としています。しかし、「福島県外でも健診を支援してほしい」というお母さん方のの切実なニーズには答えていません。

Q:私たちにできることは?

このままでは、「子ども・被災者支援法」は骨抜きになってしまいます。これはおかしい!こんな基本方針ではダメ!の声を、市民の側から上げていきましょう。

パブコメを出しましょう! 【9月13日まで】

オンラインでの提出⇒ http://goo.gl/EOw1MF
ファックスでの提出⇒書式指定です。下記から書式をダウンロードできます。http://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000103568
FAX番号:03-5545-0525 (電話:03-5545-7230)
復興庁 法制班 宛

復興庁のパブリック・コメントのページ
http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat8/sub-cat8-1/20130830193010.html


<例文>
・ パブコメ期間が短すぎます。
・ 各地で公聴会を開いたのちに、基本方針を抜本的に見直してください。
・ 支援対象地域が狭すぎます。少なくとも追加線量1mSv以上を支援対象地域としてください。
・ 実質的で具体的な避難者への支援を盛り込んで下さい
・ 借上げ住宅の新規の受付および財政支援を行ってください。
・ 区域外避難者への就労支援や移動費用の補助を行ってください。公営住宅への入居「円滑化」だけでは不足です。
・ 「有識者会議」だけではなく、県外でも被ばくに対応した健診を行ってください。
・ 被災者・支援者の意見を吸い上げるための、常設の協議機関を設置してください。

○復興庁の「説明会」に参加して、意見を言いましょう!

<福島説明会>9/11 15時~
9月11日(水)15:00~17:00
福島県文化センター 大ホール 
要申込/詳しくはこちら
http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat8/sub-cat8-1/20130904152914.html

<東京説明会>
9月13日(金)10:30~12:30
TOC有明コンベンションホール EASTホール (東京都江東区有明3丁目5)
要申込/詳しくはこちら
http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat8/sub-cat8-1/20130906094452.html

○復興庁に対して、公聴会の開催を要請しましょう。または地元の自治体に要請してもらいましょう!

今、一番重要なアクションです。復興庁に直接要望するのもよし、地元選出の国会議員に仲介してもらってもいいかもしれません。

○緊急集会/学習会に参加しましょう!
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【福島】 子ども・被災者支援法 学習会~ここが問題--復興庁の「基本方針案」 
            http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/in-dcee.html
◆日時:9月10日(火)【昼の部】14時~【夜の部】18時半~
◆場所:A・O・Z アオウゼ(福島駅東口徒歩5分)
※子ども・被災者支援法 基本方針案の概要と問題点に関する解説に加え、出席
者の間で意見交換を行います。
◆問合せ:FoE Japan  tel: 03-6907-7217 携帯:090-6142-1807
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