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若狭の原発の下は活断層だらけ  「かんさい熱視線 シリーズ関西と原発2」

2011-06-17 | 原発

 「かんさい熱視線 シリーズ関西と原発 地震への備えは」(NHK 6/3放送)は、活断層だらけの土地の真上に建つ若狭の原発の危険を伝えています。原発敷地内にさえ活断層が走っています。
 関西電力は原発の下にある活断層の影響を小さく見せよう小さく見せようとして、連続した活断層を切り離して評価してきましたが(和布・干飯崎沖断層-甲楽城断層、柳ケ瀬断層の連続100キロメートルを認めないなど)、まさにそのような作為が誤りであることがわかります。

 

 東日本大地震では、南北400キロメートル、東西200キロメートルの活断層が連動して動いたのです。もし若狭周辺の活断層が連動して動けば、14基の原発などひとたまりもありません。それが明日でないとは誰も言えません。
※破壊断層、南北400キロ(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/v2?id=20110311earthquake_89
※東北地方太平洋沖地震の概要(産業技術総合研究所 活断層・地震研究センター) 
http://unit.aist.go.jp/actfault-eq/Tohoku/gaiyo.html

 活断層だけでなく破砕帯も動くことが指摘されていました。また2007年中越沖地震で柏崎刈羽原発事故を引き起こした活断層は見落とされていた活断層でした。地震がおこって初めてその存在がわかる活断層もあります。若狭では10の活断層が見つかっていますが、まだほかにも確認されていない活断層がどれだけあるのかはわかりません。
 番組は、若狭の原発に焦点を当てながら関西電力の原発ではなく日本原電の敦賀原発を取り上げているのは、関西の巨大電力独占企業である関電に配慮したものかもしれません。敦賀原発同様2008年には美浜原発ともんじゅの直下に活断層が見つかっています。しかしながら、番組全体からは、若狭の原発全体の危険性が浮き彫りになってきます。
※以下は関西電力が出している活断層評価です。個々の活断層を切り離し、いかに小さくみせようとしているかがわかります。
新耐震指針に照らした耐震安全性評価のうち活断層評価について(関西電力)
http://www.atom.pref.fukui.jp/senmon/dai51kai/no1-2.pdf
※美浜原発直下に活断層(朝日新聞)http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/18/4b853d884619f261280686f22bb76257.jpg

 活断層だらけでいつ巨大地震が起こるかもしれない日本列島で原発を動かすべきではありません。特に活断層の上に14基もの原発が林立する若狭のすべての原発を今すぐに止めなければなりません。止めるだけではなく、廃炉にして二度と活動しないよう核燃料を封じ込めなければなりません。そのためには気の遠くなるような時間が必要です。しかし、今すぐすれば遅いということはありません。

[以下、番組紹介です]

敦賀原発での浦底断層の発見と、断層の連動によるエネルギーの増大

 番組は京都府舞鶴市の小学校での防災訓練の様子から始まります。高浜原発で原発事故。これまでは原発事故の防災訓練など行っていませんでしたが、福島事故を受けて始まりました。放射能に汚染された紅白帽をビニール袋に入れて校庭から体育館に避難するなど極めてリアルな訓練が行われています。

 若狭の原発は、活断層だらけの上に建っているといえます。特に敦賀原発の敷地内で直下の活断層が見つかったのは2008年のことです。若狭には14基の原発があり、その下には10以上の活断層が走っているといいます。
 ところが、地震によってどんな影響があるのか完全には分かっていません。そんな中で原発が次々と建てられ、運転されてきました。
 浦底断層は敦賀原発の原子炉の敷地を縦断しています。原子炉建屋から250メートルしか離れていません。この浦底断層の発見で新しく指針を見直し地震の想定は532ガルから650ガルに変更されました。しかし原子力安全保安院はさらに検討するよう要求しました。
 活断層の見直しのきっかけは2007年の新潟県中越沖地震の柏崎刈羽原発での地震被害でした。そしてさらに、いくつかの断層が単独で動くのではなく連動して動くと想定し地震対策を練り直しました。中越沖地震の揺れを引き起こした断層は7㎞と思われていましたが、36㎞もあったのです。
 日本原電が敦賀で別々に動くと見ていた断層が連動すると想定し直した結果、さらに650ガルから800ガルに変更されました。
 日本原電は、“原発の安全性は確保される”と報告を出していますが、東洋大学社会学部渡辺光久教授は「ぞっとした、大変なことだ」と危機感をあらわにします。

活断層だけでなく破砕帯に注目 “補助用ポンプが訓練で動いても本番で動いてくれるかわからない”

 活断層が動くと、地盤が変形します。そして活断層が動くと岩盤の亀裂を生む破砕帯が動きます。破砕帯は活断層が動くと連動して動き、地表に段差や亀裂を生じます。浦底断層の近くには多くの破砕帯があり、原子炉建屋下にも破砕帯があります。
 現在日本原電が想定しているのは浦底断層が25㎞に渡って連動した場合ですが、39㎞まで連動するものと想定すべきだと国の原子力安全委員会で原発の耐震性を審査している愛知工業大学地域防災研究センター入倉孝次郎客員教授は指摘します。

 破砕帯が動いた場合、地盤が大きくゆがみます。その影響はどうでしょうか。
 原子力安全委員会専門委員大谷圭一氏は“今回の福島原発事故の教訓は止めることが大事だが、冷やさなければならないということだ。ポンプやモーターが地震の後でもちゃんと動いてくれなければならない”と冷却機能が維持されることの保証を問題にします。
 そして地震で500分の1傾いたときに動いてくれるのか動いてくれないのか検証しようがない、実験のデータもないと、安全性確保の困難性を指摘します。
  訓練でポンプが動いたとしても本番で動くとは限りません。そして補助用ポンプが動かなければ冷却機能が失われます。しかも、現在の安全基準は全電源喪失という事態を想定していません。万が一ポンプが動かなければすべての冷却機能が失われ破局が訪れるというような装置を動かすべきではありません。
 活断層が動くのは1000年に一度から数万年に一度です。そしてそのとき破砕帯がどう動くかもわかりません。浦底断層が4000年以内に動いたのは確かです。

活断層の存在や動きは予測できない

 若狭では10以上の活断層の存在がわかっています。しかし、これですべてかもわかりません。東日本大震災では、これまで動かないとされてきた活断層が動いて、震度6弱の余震が観測されました。若狭湾でもこのような危険性が低いとされた断層や地形の変化が28カ所もあるといいます。福井県は、安全基準が示されない限り運転再開は認めないという姿勢をとり続けています。
 敦賀原発の耐震設計はもともと245ガルでしたが阪神淡路大震災以降想定を見直し現在800ガルとなっています。しかしその後も新たな活断層が発見されています。
 柏崎刈羽での想定は450ガルでしたが、実際に起こったのは1700ガルの地震でした。設計の際に見落とされた活断層が動きました。
 福島原発事故を受けて、避難訓練地域を10キロから20キロに拡大しました。舞鶴市、宮津市、綾部市、京丹波市、南丹市があらたに避難訓練対象区域となりました。
 番組が取り上げたのは高浜原発から7.3キロの朝来小学校での避難訓練です。放射能が降り注ぐ事故を前提にした避難訓練。津波や地震は避けらませんが、原発事故は避けられます。原発を止めれば避けられます。今すぐ止めるべきです。

以下の講演会があります。

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 石橋克彦さん講演会
若狭湾原発震災を防ごう
~関西広域連合を無人の曠野にしないために~
6月18日(土) 18:15~20:50
エルおおさか南館 5階ホール

主催:美浜の会

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(ハンマー)


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