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「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」

日本における「冬の兵士」を観た

2010-03-22 | オバマの「対テロ戦争」
 「冬の兵士Ⅱ」は、監督の田保寿一さんがわざわざ東京から来てくださり、監督の解説ツキでのもったいないような上映会となった。
 田保監督によると、冬の兵士Ⅱを試作しこれで50枚目になったのだと。試作を重ねるほどに深化していくこの映画は、予想をはるかに超える内容。ただ一言、感動だった。

 「冬の兵士」は、その意義の大きさとはうらはらに、少しばかり「遠い」ものとして存在してしまう印象をぬぐいきれなかった。もちろん、アメリカのイラク侵略には、日本も加担し、アメリカを支持し続けている日本に、大きな責任があることは事実である。しかしそれでもなお、アメリカ兵がアメリカ政府に対してイラク・アフガニスタンでの侵略戦争をやめさせるために立ち上がったという、その勇気に感動し、私たちももっと侵略戦争をやめさせるために進まなければならないと、そういう感動に終わってしまう。つまりは日本にすむ私たちにとっては、一番重要なはずの、日本の戦争責任や現状についてどうなのかというところにはなかなか至りにくい側面もある内容であった。
 ところが!パートⅡは違った。旧日本兵が登場し、冬の兵士に勇気をもらったと、自らの体験を語りだしている。彼の存在によって、この映画は、ぐっと私たちの身近なところへひきよせられ、さらに生きたものとして、深化してきたのだ。とても言葉では表現できないほど心が揺さぶられた気がする。アメリカの冬の兵士に勇気をもらったという旧日本兵を、田保さんは「彼は憲法9条そのものだ」と、上映会後の懇親会で語る。

 戦場に赴き、侵略し、もしかしたら罪もない人々を殺害したかもしれない、その兵士だった人が、これほどまでの行動ができるというその勇気は、どこから生まれてきたのだろうか。想像を絶するほどの痛烈な自己批判と、このままではいけないという気持ちが、この勇気ある行動をおこさせるのだろうか。そして、例えば自分がその立場なら、できただろうかと…。

 そして、田保ファンである私は、懇親会での純粋で誠実な人柄を感じさせる監督の一挙一動に、また新たな感動とエネルギーをもらって、暖かい気持ちで帰路につくことができた。ありがとうございました、田保寿一監督。
                        ──Byあゆむ



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