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「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」

シリーズ PKO「駆けつけ警護」の危険(その二) PKOの多国間訓練に自衛隊実働部隊が初参加

2015-11-10 | 集団的自衛権

 今年6月モンゴルで行われたPKOの多国間訓練カーン・クウェストに陸上自衛隊の実働部隊が初めて参加しました。中央即応集団の教官8人に加えて実働隊員25人が参加しています。これを見る限り、本シリーズ(その一)でコンゴPKO「介入旅団」などについて言及したように民家襲撃、治安弾圧、銃撃戦など、米軍のイラク戦争やアフガニスタン戦争と変わらない軍事作戦がPKOで行われていることがわかります。言い換えれば、PKOとは、米と多国籍軍が途上国に侵略する形態の一つになっているのです。
 カーン・クウェストでは、「住民が食糧を求めて殺到し暴徒化した事態」を想定して住民を鎮圧する演習、丘陵地での銃撃戦、武器を持った家宅捜索、装甲車でのパトロールなど、イラク市街地での軍事作戦のような演習が展開されました。
 自衛隊は、戦争法の成立・発効前ということで、任務遂行のための武器使用や治安活動、「駆けつけ警護」などには参加していないと伝えられていますが、それでも驚くべき内容です。
※多国間共同訓練カーン・クエスト15について(PDF:112KB)
http://www.mod.go.jp/gsdf/news/press/2015/pdf/20150604.pdf
※多国間共同PKO訓練の開会式
https://www.youtube.com/watch?v=KT0NYVCZWX4
※多国間でのPKO訓練 陸自実動部隊が初参加(15/06/27)
https://www.youtube.com/watch?v=UypOSpf7UDs
※Mongolian Armed Forces Opening Ceremony Khaan Quest 2015
https://www.youtube.com/watch?v=SXTDQ1TEh5c

住民の「食料暴動」鎮圧を想定した訓練

丘陵での銃撃戦の演習

家宅捜索市街戦の演習

武力行使には戦車・装甲車など重装備が必要

自衛隊員が演習に参加

 この軍事演習を取材したフォトジャーナリスト柿谷哲也氏は「自衛隊が先陣を切ってパトロールを行ない、襲撃を受け、後方からモンゴル軍が応援に駆けつけるという設定」に驚いています。モンゴル軍が自衛隊に対して「駆けつけ警護」をしたからです。この演習では自衛隊が“最前線”に立たされていることも驚きですが、同時に戦争法に基づき自衛隊が「駆けつけ警護」にまわる事態があることを示唆しています。さらに柿谷氏は「同盟国である米軍との訓練ならまだしも、それ以外の外国軍との訓練で『自衛隊が前線で戦い、駆けつけ警護を受ける』というのは、おそらく初めてのことではないでしょうか」と書いています。
 柿谷氏は「戦闘中の最前線で、弾丸の飛んでこない安全な場所を確保し、負傷した兵士に応急処置を施す「第一線救護」を自衛隊と韓国軍が共同で行なった」ことも紹介しています。柿谷氏にとっては、日本に侵略された韓国の軍隊が、侵略した側の日本の自衛隊と一緒に共同訓練するシーンが鮮明だったのですが、この演習は、PKOにおける戦闘の「前線」と「後方」である「野戦病院」がリアルに想定されていることを示しています。
※陸自エリート実働部隊が初参加した多国間共同訓練(週プレNEWS)
http://wpb.shueisha.co.jp/2015/07/28/51338/2

 PKOは、従来の停戦監視や紛争再発防止といった受動的な活動から、「平和強制」=武力による鎮圧・掃討という武力行使・戦争行為に変わってきていることを十分に伺わせています。

従来の道路補修、停戦監視などの活動から一変する(上は自衛隊の南スーダンでの活動、下は国連インド・パキスタン軍事監視機構(UNMOGIP))

(ハンマー)


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