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ペロシ議長訪台の挑発性とそれを中国の威嚇だと描くメディアの問題性

2022-08-16 | 反中プロパガンダ批判
ペロシ議長訪台の挑発性とそれを中国の威嚇だと描くメディアの問題性

 8月2日、ペロシ米下院議長が中国側の強い反対を押し切って台湾訪問を強行したことに対して、中国側は4日から7日まで軍事演習、ミサイル発射訓練を行いました。一部の演習はさらに延長されました。
 岸田政権、主要メディアはペロシ訪台の持つ重大な問題性、挑発性を何一つ伝えず、ひたすら中国の演習を非難し、だから中国は脅威だという意識を人々に植え付けようとしています。しかし、問題の本質はペロシと米政府が「一つの中国」という原則と「台湾は中国の一地方」という米中の国家間の最重要の確認を反故にしようとしていること、一地方である台湾に外から介入し「独立派」を鼓舞し、そそのかすという乱暴極まりない行為を大手を振って行っていることにあります。これを非難せずに、中国側に責任があるかのように描く日本政府やメディアは、自分自身が「一つの中国」の原則を受け入れていることを忘れ果てているかのようです。
 中国の警告は内政干渉と台湾の独立派鼓舞=中国への国家分裂策動に対するものです。外から手を突っ込まず、中国国内での話し合いに両岸関係をゆだねれば、台湾問題での軍事演習による警告も対立も必要がなくなります。ペロシやバイデンがやっていることは、ある国の一地方に外から「独立しろ、その時は支援する」と介入し、その国から分裂させようとしていることです。それを止めようとする国の行為を、乱暴だ、脅威だ、独裁だと騒ぎ立てることにあたります。彼らが演出するこの本末逆転を忘れてはなりません。台湾は中国の一部で50年にわたる日帝植民地からの解放と、一つの中国への統一は中国人民にとって歴史的悲願であることも銘記すべきです。

 中国は、ペロシ訪台に対して5つの部門が抗議の声明を出しました。最大級の講義です。外務省(外交部)、国防省、全人代常務委員会、全国人民政治協商会議、そして中国共産党中央委員会台湾工作弁公室です。ここではそのうち主として外交部の声明の内容を紹介します。まずは、中国側の主張をきちんと受け止め、対米批判の論点を理解し押さえておくことが必要です。
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 8月3日に発表された中国外交部のペロシ訪台について声明は、以下のサイトで日本語で全文を見ることができます。その要旨は以下の通りです。
中国外交部、ペロシ米下院議長訪台で声明 (msn.com)

 ペロシ米下院議長は2日、中国の強い反対と厳正な申し入れを顧みず、中国の台湾地区を訪問した。「一つの中国」原則と中米間の三つの共同コミュニケの規定に著しく違反し、中米関係の政治的基礎に重大な衝撃を与え、中国の主権と領土保全を甚だしく侵害し、台湾海峡の平和と安定を深刻に破壊し、「台湾独立」分裂勢力に極めて誤ったシグナルを送った。中国はこれに断固反対し、厳重に非難する。すでに米国に厳正な申し入れを行い、強烈な抗議を表明した。

 世界には一つの中国しかない。台湾は中国領土の不可分の一部であり、中華人民共和国政府は全中国を代表する唯一の合法政府である。181カ国が「一つの中国」原則に基づき中国と外交関係を樹立している。「一つの中国」原則は国際社会の普遍的な共通認識であり、国際関係の基本準則である。

 米国は1979年、中米国交樹立に関する共同コミュニケで「アメリカ合衆国は中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であると承認する。米国国民はこの枠組み内で、台湾人民と文化、ビジネス、その他の非公式関係を維持する」と明確に約束した。米国議会は米国政府の構成部分として、米国政府の「一つの中国」政策を厳格に順守すべきであり、中国台湾地区といかなる公式往来も行うべきでない。

 台湾問題は中米関係の中で最も重要、最も核心的、最も敏感な問題である。台湾海峡情勢は現在、新たな緊張と厳しい挑戦に直面しているが、根本的な原因は台湾当局と米国が絶えず現状を変えていることにある。米国は「台湾をもって中国を制する」ことをたくらみ、「一つの中国」原則を絶えず歪曲して空虚化、空洞化させ、米台の公式往来を強化することで「台湾独立」分裂活動を後押し、激励している。これは非常に危険な火遊びであり、火遊びをする者は必ず自らの身を焼くことになる。

 中国政府と中国人民の台湾問題における立場は一貫している。国家主権と領土保全を断固として擁護することは14億人余りの中国人民の確固とした意志であり、祖国の完全な統一の実現は中華の子女全体の共通の願いと神聖な職責である。いかなる国家、いかなる勢力、いかなる人であれ、国家主権と領土保全を守り、国家統一と民族復興を実現する中国政府と人民の堅い決意、確固たる意志、強大な能力を誤って評価してはならない。

 中米は二つの大国であり、正しい共存の道は相互尊重、平和共存、対立回避、ウィンウィン協力しかない。台湾問題は純粋に中国の内政であり、他のいかなる国も台湾問題の裁判官になる権利はない。中国は米国に対し、「台湾カード」を使って「台湾をもって中国を制する」のをやめ、台湾の事に手を出して中国の内政に干渉するのをやめ、「台湾独立」分裂勢力をいかなる形であれ支持、容認するのをやめ、台湾問題での言動不一致をやめ、「一つの中国」原則を歪曲して空虚化、空洞化させるのをやめるべきだ。

(参考)中国共産党中央委員会台湾作業部がペロシ氏の台湾訪問に関する声明を発表(英文)



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