「日の丸」・「君が代」の強制をテーマとするドキュメンタリーを観ると、息苦しさを覚える。
映画『“私”を生きる』(土井敏邦監督)も例外ではない。
http://www.doi-toshikuni.net/j/ikiru/
土井監督は、パレスチナ問題で有名な人だが、根本に同じ問題を見いだし、この題材を取り上げたのだろう。
主人公は、「君が代」不起立を貫き、処分を繰り返し受けた根津公子さん、君が代伴奏を拒否した佐藤美和子さん、校長として東京都教委に異を唱えた土肥信雄さんの3人。
根津さんと佐藤さんが、期せずして同じようなことを語る。
「ここで逃げたら、今後の人生で自分を好きでいられないと思った」、「自分が自分であるためにはそうするしかなかった」、「自分らしく生きるためだった」など。
『“私”を生きる』というタイトルは、最初は意味がよく分からなかったが、この場面を観てよく分かった。
「自殺を考えた」という話も、2人に共通している。
この2人に対し、土肥さんは校長なので立場が異なる。映画も土肥さんのパートだけは雰囲気が違う。その違いを監督が率直にぶつける場面もあり、それはそれで興味深い。
根津さんが家庭科教師を志した理由、佐藤さんの「音楽」への思い、土肥さんが全共闘時代の東大を卒業し商社マンから教員に転身した心情など、「日の丸」・「君が代」から少し離れたエピソードも見応えがある。
息苦しい部分はあるが、それでも多くの人に観ていただきたい映画だ。
大阪での上映は、十三のシアターセブンで2/17まで。
なお、土肥元校長の裁判は1/30に一審判決が出される。こちらにも注目を!
http://www.dohi-shien.com/html/
by ウナイ
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