雛祭りの頃

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母が居ない何度目かの春が来た頃‥
実家に残していた 雛飾りを引き取る事になりました。

私が生まれてから 毎年1段ずつ購入して、5段飾りに揃えたそうです。



物心付いた頃には。。。雛祭りの日には晴れ着を着せてもらい、頬紅をつけた すまし顔の私が、雛飾りの前で 写真に収まっていました。

2月の風に当てた方がいいと‥母のこだわりで、2月第1週には飾るのが常。私が嫁いでからも その行事は変わらず‥その後 子どもの春休みに併せて帰省する私達を待って、雛祭りをしました。


母が亡くなってからは 封印されていた‥
今回何年かぶりに(恐々と) その保存状態を心配しながら蓋を開けてびっくり。。。何の傷みも無く健在(⁈)でした。

一体ずつ和紙に包み 丁寧に扱われた‥その中敷にあった新聞紙。印字の日付に、改めて母が亡くなってからの年月を思いました。

母の手で大切にされていた雛飾りは、母の優しさを思い出させてくれました。まるでタイムカプセルを開けた様に‥ほんの一瞬 風が舞い上がり 時を逆のぼった気がしました。

住宅事情で‥処分も考えた私でしたが、これからは 出来るだけ こじんまりと現代的に飾ってもいいから‥。 母の想いを添わせながら、この雛祭りの頃を祝い忍びたいと 思いました。


(狭き我が家の階段に飾ってみました)



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