(C)2009『劔岳 点の記』製作委員会
映画「劔岳~点の記」
うーん、迫力ある映像でした。さすが50年間キャメラマンとして、「八甲田山」「駅~STATION」「鉄道員(ぽっぽや)」など50本もの作品を撮り続けて来た、木村大作さん初の監督作品ならではの映像です。もちろん立山連峰の山々でのロケでCGなし。撮影は、延べ200日以上を費やし、標高3000メートルを越え、最低体感温度が氷点下40度超の劔岳・立山連峰各所でのほぼ順を追ってのロケを敢行、夕日で輝く雲海の上のシーン、秋の紅葉のシーン、そして厳しい雪山のシーン。
どれもダイナミックですね。
もちろん、ストーリーも俳優たちの演技も負けてはいません。
まず、原作は「八甲田山」や「アラスカ物語」の新田次郎。ちなみにご子息で、ベストセラー「国家の品格」を著した藤原正彦さんが本作品協力者に名を連ねています。
ストーリーは陸軍の測量部測量技師の柴崎が、日本地図の空白地帯立山連峰の剣岳へ測量と初登頂の任務を命令される話。時は明治40年ごろ。陸軍の力が強まり、威信をかけて測量だけでなく、初登頂をしろという圧力が文官の柴崎にかかるのがこの話のポイントです。ちょうど日本山岳会ができたばかりで、ヨーロッパ風の最新装備で固めた裕福な青年たちも初登頂を狙っているというのです。当時は金持ちの「遊び」ととられていた山岳会。これに負けてはいけないと厳命されたのです。
また、立山信仰が根強いこの地域は、死者の山、剣岳の入山を禁じています。道案内人の長次郎はそれを押して柴崎を案内するのです。
誰も登山口さえ見つけられない険しく厳しい山。前任者も断念しています。もちろん雪崩、滑落、命の保証はありません。
これを観て測量という仕事は本当に大変なものなのだなと知りました。ただ山に登ればいいのではないのです。近くの山々にも三角点というやぐらを何箇所か立て、まさに登ってからが彼らの仕事なのです。そうして日本地図が作られていったかと思うと、名も残っていない測量技師たちや道案内人の人々の業績に胸が熱くなります。
じくじたる思いをする場面では、柴崎の「何をしたかではない、なんのためにそれをしたかが大切だ」というセリフがジーンと来ます。日常、特に仕事場でもこういう思いをすることがあると思いますが、そんな時はこのセリフを思い出してほしいと思います。
俳優たちに関しては、名前実力ともにある人を揃えています。
特に主演の測量技師柴崎役の浅野忠信と地元の道案内人長次郎役の香川照之のペアが良いのです。
浅野があまり抑揚のない訥々としたセリフ回しや仕草に対し、香川は情のこもったセリフの抑揚や目配りをし、演技へのアプローチが違うのが如実にわかるシーンがあるのですが、逆にそれが朴訥な明治時代の文官と、山に生きてきた民の役に合っていいコンビネーションを感じさせてくれてとても良く、柴崎と長次郎の信頼感にリアルさを与えています。
また、初登頂を競う形になる日本山岳会のリーダー小島烏水(うすい)役の仲村トオルも適役です。どうしても対比する相手として金持ちのボン、或いは嫌なライバル的になりがちですが、そうではなく、山を愛するものとしての清々しさや、相手に敬意を払う度量を忘れないリーダーの面を自然に表現し、主人公たちの陸軍測量部の面々とのエール交換が実に生きてくるのです。
あとは松田龍平。若者の直情や官が民を見る目線、それが少しずつ大人に成長していくという、普通の青年は久々では。それを支える年配の文官にモロ師岡、節目節目でヒントを与える行者に夏八木勲、その他良い役者が頑張ってます。
大きなスクリーンで観てほしい、お勧めの1本です。
【Story】
陸軍陸地測量部の柴崎芳太郎は、日本地図最後の空白地点を埋めるため、「陸軍の威信にかけて劔岳の初登頂と測量を果たせ」という命令を受ける。富山に向かった柴崎は、案内人の宇治長次郎と劔岳の調査に入るが、謎めいた行者の言葉以外、登頂への手掛かりすら掴めずに下山する。
翌明治40年。測量隊総勢7人で劔岳周辺に三角点を設置していき、ついに劔岳に臨む。しかしガレキだらけの尾根、雪崩や暴風雨に続く困難に次ぐ困難が、測量隊の行く手を阻む。命をさらしてまで、測量する意味はあるのかという迷いも7人の胸中によぎる。一方、創立間もない日本山岳会も、小島烏水らが最新の登山道具を揃え、劔岳山頂を目指していた。今一度仲間としての結束を訴える柴崎。果たして、柴崎たちは、無事劔岳山頂に立ち、地図作りの任務を果たすことができるのか。
「劔岳 点の記」
原作/新田次郎「劔岳 点の記」(文春文庫刊)
監督/木村大作
出演/浅野忠信、香川照之、松田龍平、宮あおい、仲村トオル、役所広司
6月20日(土)東映系全国ロードショー
http://www.tsurugidake.jp/
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映画「劔岳~点の記」
うーん、迫力ある映像でした。さすが50年間キャメラマンとして、「八甲田山」「駅~STATION」「鉄道員(ぽっぽや)」など50本もの作品を撮り続けて来た、木村大作さん初の監督作品ならではの映像です。もちろん立山連峰の山々でのロケでCGなし。撮影は、延べ200日以上を費やし、標高3000メートルを越え、最低体感温度が氷点下40度超の劔岳・立山連峰各所でのほぼ順を追ってのロケを敢行、夕日で輝く雲海の上のシーン、秋の紅葉のシーン、そして厳しい雪山のシーン。
どれもダイナミックですね。
もちろん、ストーリーも俳優たちの演技も負けてはいません。
まず、原作は「八甲田山」や「アラスカ物語」の新田次郎。ちなみにご子息で、ベストセラー「国家の品格」を著した藤原正彦さんが本作品協力者に名を連ねています。
ストーリーは陸軍の測量部測量技師の柴崎が、日本地図の空白地帯立山連峰の剣岳へ測量と初登頂の任務を命令される話。時は明治40年ごろ。陸軍の力が強まり、威信をかけて測量だけでなく、初登頂をしろという圧力が文官の柴崎にかかるのがこの話のポイントです。ちょうど日本山岳会ができたばかりで、ヨーロッパ風の最新装備で固めた裕福な青年たちも初登頂を狙っているというのです。当時は金持ちの「遊び」ととられていた山岳会。これに負けてはいけないと厳命されたのです。
また、立山信仰が根強いこの地域は、死者の山、剣岳の入山を禁じています。道案内人の長次郎はそれを押して柴崎を案内するのです。
誰も登山口さえ見つけられない険しく厳しい山。前任者も断念しています。もちろん雪崩、滑落、命の保証はありません。
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じくじたる思いをする場面では、柴崎の「何をしたかではない、なんのためにそれをしたかが大切だ」というセリフがジーンと来ます。日常、特に仕事場でもこういう思いをすることがあると思いますが、そんな時はこのセリフを思い出してほしいと思います。
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また、初登頂を競う形になる日本山岳会のリーダー小島烏水(うすい)役の仲村トオルも適役です。どうしても対比する相手として金持ちのボン、或いは嫌なライバル的になりがちですが、そうではなく、山を愛するものとしての清々しさや、相手に敬意を払う度量を忘れないリーダーの面を自然に表現し、主人公たちの陸軍測量部の面々とのエール交換が実に生きてくるのです。
あとは松田龍平。若者の直情や官が民を見る目線、それが少しずつ大人に成長していくという、普通の青年は久々では。それを支える年配の文官にモロ師岡、節目節目でヒントを与える行者に夏八木勲、その他良い役者が頑張ってます。
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【Story】
陸軍陸地測量部の柴崎芳太郎は、日本地図最後の空白地点を埋めるため、「陸軍の威信にかけて劔岳の初登頂と測量を果たせ」という命令を受ける。富山に向かった柴崎は、案内人の宇治長次郎と劔岳の調査に入るが、謎めいた行者の言葉以外、登頂への手掛かりすら掴めずに下山する。
翌明治40年。測量隊総勢7人で劔岳周辺に三角点を設置していき、ついに劔岳に臨む。しかしガレキだらけの尾根、雪崩や暴風雨に続く困難に次ぐ困難が、測量隊の行く手を阻む。命をさらしてまで、測量する意味はあるのかという迷いも7人の胸中によぎる。一方、創立間もない日本山岳会も、小島烏水らが最新の登山道具を揃え、劔岳山頂を目指していた。今一度仲間としての結束を訴える柴崎。果たして、柴崎たちは、無事劔岳山頂に立ち、地図作りの任務を果たすことができるのか。
「劔岳 点の記」
原作/新田次郎「劔岳 点の記」(文春文庫刊)
監督/木村大作
出演/浅野忠信、香川照之、松田龍平、宮あおい、仲村トオル、役所広司
6月20日(土)東映系全国ロードショー
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