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ビューティフル・アイランズ (映画)

2010年07月19日 | 映画
(c)海南友子

映画「ビューティフル・アイランズ

地球温暖化が言われて久しい昨今、海面上昇で消滅の危機にある南太平洋のツバルと、地域はまったく異なるが、同じ危機に瀕している欧州イタリアのベネチア、米国アラスカのシシマレフの3つの地域を追ったドキュメンタリーである。

監督は海南(かな)友子氏。会場にいらっしゃっていたが、この小柄な女性が極寒のシシマレフにじっくり腰を据えて撮ったタフネスとは信じられないほど。

そして映画はセリフはなく、人々の姿がありのまま撮られ、そこでところどころ語られる言葉を観客が受け取っていく。
ツバルの美しい海、ベネチアのマスカレード(仮面のカーニバル)、シシマレフの雪原など美しい場面が目を見張るが、もちろん合間には過酷な自然災害の様子が映し出される。ツバルの場合などは、満潮時は地中から水は湧き出てくるため、防波堤では防げないと、地元の教師は語る。

少女らの天真爛漫さが、そして島はなくならないと信ずる心が途絶えないよう、私たちが身近なことから始められることがあるのではとおもわずにはいられない映画である。

<ストーリー>
南太平洋に浮かぶ島・ツバル、イタリアのヴェネチア、アラスカのシシマレフ島。絆を育む祭りや、長年受け継がれる伝統工芸、水辺の暮らし、そのすべてが失われようとしている。気候変動、地球の温暖化…海南友子監督は「気候変動で、私たちが一体何を失うのか、を感じる作品を作りたい」という想いを胸に、気候も文化も異なる島で生きる人々の普通の暮らしに焦点を当て、3年がかりで撮影した。

恵比寿ガーデンシネマでロードショー
http://www.kadokawa-gardencinema.jp/yebisu/