徒然映画日記。

食わず嫌いは卒業し何でも観よう。思い切りネタバレありの「観た帳」です。

M★A★S★H マッシュ

2007年08月06日 | ★★★





M★A★S★H マッシュ
おすすめ度
原題:M★A★S★H
制作:1970年 アメリカ
製作:インゴー・プレミンジャー
監督:ロバート・アルトマン
脚本:リング・ランドナーJr.
出演:ドナルド・サザーランド エリオット・グールド  サリー・ケラーマン トム・スケリット ロバート・デュヴァル

今までなかなかこれを書く気力がなかったのですが、再復活というわけで。(またかよ…殴)そしてテンションを上げていこうという思いを込め。(またかよ…殴)。ロバート・アルトマンの「M★A★S★H マッシュ」です

朝鮮戦争下の移動米軍外科病院M★A★S★Hに3人の軍医ホークアイ(ドナルド・サザーランド)、デューク(トム・スケリット)、トラッパー(エリオット・グールド)が配属されます。彼らは腕はピカイチの名医なのですが、やることなすこと全てが破天荒です。ハードな手術が終わると、寸暇を惜しんで下品なイタズラやくだらない事に夢中です。そんなある日、精力旺盛で有名なワルドウスキー大尉が、自分は潜在性のホモだと言い出し、自殺したいと告白します。そこで3人は、彼のために最後の晩餐会を開き、自殺できる薬といつわり、睡眠薬をのませます。そして婦長のディッシュ中尉(ジョー・アン・プフルーク)に彼を「看病」させるように仕向けます。翌朝すっかり自信に満ちた表情のワルドウスキー大尉と、満足げな笑顔で転任先へ移動する彼女の姿がありました。彼女の後任としてグラマラスなホーリハン少佐(サリー・ケラーマン)が着任しますが…。

まー。下品です。カトリックの神父の扱いだとか、女性の扱いだとか、軍隊の描き方だとか。大胆にそして下品に描写されてます。勇気ありますねー。全編を通し「これでもか」という程の馬鹿騒ぎぶり。テンション上げないととても観れたもんじゃあありません。

実はこの作品、友人がえらく(?)おすすめしていて期待して観たんですが、何となく肩透しを食らわされた感じでした。好きなタイプの作品ではあるんですが。個人的には、制作秘話の方が興味深かったです。

この作品は、当時配給会社が大枚をつぎ込み力を入れていた「トラ・トラ・トラ! 」や「パットン大戦車軍団」と同時期に制作されていた為、全く注目されていなかったそうです。それをいいことにアルトマンはやりたいようにやっちゃったわけですね。なんでも、お偉いさんに制作途中でラッシュを見せないために400万ドルの予算を更に50万ドル抑えて完成させてそうです(笑)大したもんです。

それから。

何てったってこの作品の見所のもうひとつは、あの生々しい手術のシーンですよね。リアルな手術シーンと全編コントばりの馬鹿馬鹿しい描写とのコントラストはシュールでとっても印象的です。リアリティを追求したアルトマンは本物の外科医をテクニカルサポーターとして招いたんだそうです。技術的なことはもちろん、血液の色にもこだわり、酸素を多く含んだ鮮血と、酸化した黒ずんだ血液の色を使い分け、かなりリアルに再現しています。

「あんな馬鹿騒ぎをして気を紛らわせなければ彼ら(医師)は正気を保つことが難しかった。」「世間での女性の扱い方を描いただけ。軍隊の中ではそれが顕著に現れるだけ。今(2000年)も当時から何も変わっていない。」「奇麗事でなく現実を描きたかった。」と語るアルトマン。

…男前です。

マッシュ@映画生活
前田有一の超映画批評



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