徒然映画日記。

食わず嫌いは卒業し何でも観よう。思い切りネタバレありの「観た帳」です。

暖簾(のれん)

2007年08月07日 | ★★★★


暖簾
おすすめ度
制作:1958年 日本
制作:滝村和男
監督:川島雄三
原作:山崎豊子
脚本:川島雄三・八住利雄
出演:森繁久彌 山田五十鈴 乙羽信子 中村鴈治郎 浪花千栄子 中村メイコ 環三千世
 
昨日(今日?)偶然BSで観た「暖簾(のれん)」です。「白い巨塔」や「華麗なる一族」を執筆した山崎豊子の処女作を戯曲化したものを川島雄三が映画化した作品です。

大阪の昆布問屋に15歳から10年勤めた末、わけてもらった店の暖簾(のれん)を、天災や戦争による被害を乗り越え父子二代に渡って守り抜く姿を描いたヒューマンドラマです。

長年の働きぶりが認められ先輩の番頭を差し置いてのれんわけしてもらった吾平(森繁久弥)は、密かに想っていたお松(乙羽信子)ではなく、主人の姪千代(山田五十鈴)との結婚を余儀なくされますが、ふたりは力をあわせ、店を盛り上げていきます。ようやく店も軌道に乗り始めた矢先、大型の台風による水害で経営難に見舞われます。しかし、妻千代の「暖簾は大阪商人の魂。これ程確かな抵当はない。これを持ってもう一度銀行へ行きなさい。」と言うのです。その言葉に動かされた吾平は何とか銀行からの融資を受けることができます。やがて戦争が始まります。戦争は吾平達からすべてを奪い去ってゆきます。二人の息子はお国の為に戦地へ。後継者にと期待をかけていた長男は帰らぬ人となり落ち込む吾平。そんな時、戦地から戻ってきた次男が後を継ぐと言い出します。

「あー。何か古いのやってんなー。」とゆるーい感じで観始めた作品でしたが、ぐいぐいと引き込まれて気が付けばがっつりとはまって観ていました。

久々のモノクロ作品でした。森繁久彌、山田五十鈴、乙羽信子、中村鴈治郎、浪花千栄子、中村メイコ、環三千世などなど。昭和のスターが大勢出演しています。クレジットを観ながら「へー。」とか「ほー。」とか言いながら地味ーに感動していました。

暖簾を守る家族を通して発展・崩壊・復興を描かれた本作は、観ていて何となく元気になりました。最近の作品にはない泥臭さと迫力のある骨太な作品でした。

いいですねーオールドムービー。本当に久々だったので新鮮でした。


暖簾@映画生活
前田有一の超映画批評



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