年末に近づき、時間を見ては片付けをしている。先日出てきた朝日新聞の切り抜きは今の季節にぴったりで、読み返して改めて心温まる思いがした。記事のみでいつのものか定かではないが、多分昨年か一昨年前のこの時期のものだと思う。以下にご紹介したい。
以下引用 ******************
風 「サンタはいる」答えた新聞 ニューヨーク 立野純二
19世紀末、ニューヨークに住む8歳の少女が地元の新聞社に1通の手紙を送った。
「友だちがサンタクロースなんていないと言います。本当のことを教えてください。サンタはいるんでしょうか」
それを受け取った「ニューヨ-ク・サン」紙の編集局は本物の社説で答えた。
「サンタはいるよ。愛や思いやりのこころがあるようにちゃんといる」「サンタがいなかったら、子どもらしい心も、詩を楽しむ心も、人を好きになる心もなくなってしまう」
「真実は子どもにも大人の目にも見えないものなんだよ」
少女の名前は、バージニア・オハンロン。のちに教師に成長し、学校の校長先生になって、1971年に亡くなるまで、恵まれない子供たちの救済に尽くした。
彼女の名を冠した奨学金制度が今月、ニューヨークのアッパーウエスト地区にある小さな私立学校にできた。貧しい家庭の優秀な子に授業料を支援するという。その校舎は、バージニアがかつて住み手紙をしたためた、れんが造りの4階建ての家にあった。
校長のジャネット・ロッターさん(53)は「何かの運命と思った」と私に静かに語った。71年設立の同校は、不動産高騰が続く市内で入居先を転々とし、現在地近くに22年前に移った。その後、バージニアの物語を初めて本で読んだ。彼女の手紙に記された住所から、その場所が学校の向かいの廃屋だと気づいた。
学校の支援者らと息長く資金を集め、外壁だけを保存して再建し、07年に入居した。近代的な校内には往時の面影はない。だが、ここで学ぶ110人の児童の心には「目には見えずとも大切なもの」が生き続けていると校長は言う。
「デパートで会ったサンタのひげをひっぱったら、取れちゃった。でも、サンタはいないとは思わない、クリスマスになると、わくわくするのはサンタのおかげ。見えなくても、わたしの胸の中にちゃんといる」。作文の授業で、10歳の少女はそうつづった。
米ジャーナリズム史上最も有名な社説と呼ばれる、バージニアへの返信を掲載したサン紙は半世紀前に消えた。同じ名前と精神を看板に02年に設立された新聞社も、経済危機のあおりで昨年解散した。
少女の心の扉を開き、百年の時を超えて人々の想像力のともしびを燃やし続ける一編の記事を生み出す力が今、わたしたちの新聞にあるだろうか。
「時代が違いますからねえ」。校長は熟考してから、言った。「メールや携帯電話は広まったけれど、人間らしい対話は乏しいような気がします」
サンタはいる。そう書ける新聞でありたい、と思う。
*****************************
新聞は本来、真実に基づいて記事を作るもの、ではあるが、サンタはいると書ける新聞でありたいと、人々の想像力のともしびを燃やし続ける記事を書ける新聞でありたいと書いた立野さんに拍手を送りたい。もちろん、分野によりそういう記事ばかり書けるわけではないだろうが、人が取材し、人が書いた事が感じられる記事を読むとほっとするし、私はそういう記事の方にウェィトを置いて読んでしまう。
目には見えなくても大切なものはいろいろなところにたくさんある。
私も小さい頃はサンタを信じていた。そうしてくれたのは両親であり、心から感謝したい。いつからサンタは両親だと気付いたのだろう。明確には覚えていない。でも、暗黙の了解でクリスマスのプレゼントはいい大人になっても毎年もらっていた。私の中にまだサンタはいる。
子どもたちは見えないサンタを介して自分の周りに大切に思ってくれる人がいるということを感じ、大人は自分には大切な人がいるという気持ちを新たにして、幸せな気持ちになるのだろう。
サンタはいる、ずっとそう言える大人でありたい、と思う。
街のイルミネーションも美しくクリスマス気分も高まってきました。皆さんはどんなクリスマスを過ごす予定ですか。皆さんにも素敵なサンタさんが現れますように。
http://www.studioschoolnyc.org/VirginiaScholarship_fund.htm
以下引用 ******************
風 「サンタはいる」答えた新聞 ニューヨーク 立野純二
19世紀末、ニューヨークに住む8歳の少女が地元の新聞社に1通の手紙を送った。
「友だちがサンタクロースなんていないと言います。本当のことを教えてください。サンタはいるんでしょうか」
それを受け取った「ニューヨ-ク・サン」紙の編集局は本物の社説で答えた。
「サンタはいるよ。愛や思いやりのこころがあるようにちゃんといる」「サンタがいなかったら、子どもらしい心も、詩を楽しむ心も、人を好きになる心もなくなってしまう」
「真実は子どもにも大人の目にも見えないものなんだよ」
少女の名前は、バージニア・オハンロン。のちに教師に成長し、学校の校長先生になって、1971年に亡くなるまで、恵まれない子供たちの救済に尽くした。
彼女の名を冠した奨学金制度が今月、ニューヨークのアッパーウエスト地区にある小さな私立学校にできた。貧しい家庭の優秀な子に授業料を支援するという。その校舎は、バージニアがかつて住み手紙をしたためた、れんが造りの4階建ての家にあった。
校長のジャネット・ロッターさん(53)は「何かの運命と思った」と私に静かに語った。71年設立の同校は、不動産高騰が続く市内で入居先を転々とし、現在地近くに22年前に移った。その後、バージニアの物語を初めて本で読んだ。彼女の手紙に記された住所から、その場所が学校の向かいの廃屋だと気づいた。
学校の支援者らと息長く資金を集め、外壁だけを保存して再建し、07年に入居した。近代的な校内には往時の面影はない。だが、ここで学ぶ110人の児童の心には「目には見えずとも大切なもの」が生き続けていると校長は言う。
「デパートで会ったサンタのひげをひっぱったら、取れちゃった。でも、サンタはいないとは思わない、クリスマスになると、わくわくするのはサンタのおかげ。見えなくても、わたしの胸の中にちゃんといる」。作文の授業で、10歳の少女はそうつづった。
米ジャーナリズム史上最も有名な社説と呼ばれる、バージニアへの返信を掲載したサン紙は半世紀前に消えた。同じ名前と精神を看板に02年に設立された新聞社も、経済危機のあおりで昨年解散した。
少女の心の扉を開き、百年の時を超えて人々の想像力のともしびを燃やし続ける一編の記事を生み出す力が今、わたしたちの新聞にあるだろうか。
「時代が違いますからねえ」。校長は熟考してから、言った。「メールや携帯電話は広まったけれど、人間らしい対話は乏しいような気がします」
サンタはいる。そう書ける新聞でありたい、と思う。
*****************************
新聞は本来、真実に基づいて記事を作るもの、ではあるが、サンタはいると書ける新聞でありたいと、人々の想像力のともしびを燃やし続ける記事を書ける新聞でありたいと書いた立野さんに拍手を送りたい。もちろん、分野によりそういう記事ばかり書けるわけではないだろうが、人が取材し、人が書いた事が感じられる記事を読むとほっとするし、私はそういう記事の方にウェィトを置いて読んでしまう。
目には見えなくても大切なものはいろいろなところにたくさんある。
私も小さい頃はサンタを信じていた。そうしてくれたのは両親であり、心から感謝したい。いつからサンタは両親だと気付いたのだろう。明確には覚えていない。でも、暗黙の了解でクリスマスのプレゼントはいい大人になっても毎年もらっていた。私の中にまだサンタはいる。
子どもたちは見えないサンタを介して自分の周りに大切に思ってくれる人がいるということを感じ、大人は自分には大切な人がいるという気持ちを新たにして、幸せな気持ちになるのだろう。
サンタはいる、ずっとそう言える大人でありたい、と思う。
街のイルミネーションも美しくクリスマス気分も高まってきました。皆さんはどんなクリスマスを過ごす予定ですか。皆さんにも素敵なサンタさんが現れますように。
http://www.studioschoolnyc.org/VirginiaScholarship_fund.htm
大げさに言うならば、人生をほんの少し豊かに、カラフルに、すてきなものにしてくれるような気がします。
ほんの少しのことだけど、実は大きなことなのかも、とも思います。少なくとも私にとっては大事なことだなあ。
河合隼雄先生の『泣き虫ハァちゃん』という自伝的小説に、
河合先生の父上が、実にうまいことサンタクロースが存在するかのように演出なさって、
幼い河合先生やご兄弟はみなほんとうにサンタが来ると信じ込んでいたのだ、という楽しい記述がありました。
たまごちゃんのこの記事を読んで、そのことを思い出しました。
クリスマス(土曜日だね)は私は仕事していますが、サンタさん、来てくれるといいなあ。
この曲を聴くと、そうだそうだと思います
小さいころにはサンタさんは確かにいますよね
50数年前…わたしのところにも、救急車を持ってきてくれました
今でもしっかり覚えています
この「ニューヨーク・サン」の編集局さんは、子供だからと夢を語るのではなく、きちっと答えているところがすばらしいですね
バージニアちゃん、なんと読んだのでしょう~
子供のころのすばらしい経験って、一生忘れませんよね
きっと先生になって、そのことを活かしたのですね~
我が家では息子も娘も大人になってしまいましたが、今でもクリスマスプレジェントをしています
もちろん愛妻にも…
この立野さんの記事、そしてtamagoさんのブログ…急に寒くなった季節に、温かくなりました
わたしもサンタさんはいると答える、大人でいたいと思います
もうすぐクリスマス…きっとわが子供たちは友達とクリスマスを楽しむのでしょう~
わたしは愛妻と新婚時代みたいに、いちごのケ~キを食べてたのしみたいと思います
tamagoさまもかわいいお嬢ちゃんとやさしいご主人とたのしんでくださいね~!
この有名な社説は今小さな本となって、日本語でも出版されています。
「サンタクロースっているんでしょうか」
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%82%93%E3%81%A7%E3%81%97%E3%82%87%E3%81%86%E3%81%8B-%E6%9D%B1-%E9%80%B8%E5%AD%90/dp/4034210109
「イエス、ヴァージニア」で始まる出だしも有名になり、いろんなところで引用されています。パロディとして大人が子どもに説諭する場面でも使われますね(笑)。
学生時代に読みました。懐かしくて思わずコメントしたくなりました。
お子様と楽しいクリスマスをお過ごしください。
コメントありがとう。元気そうで何より。
そうだね、目に見えない何かは、人生を豊かにする大事なものだよね。
>河合隼雄先生の『泣き虫ハァちゃん』という自伝的小説
どんな演出なんだろう~。気になる~。うちもある程度の年までは信じさせたいな。
>サンタさん、来てくれるといいなあ。
きっと来るよっ♪
>ユーミンの歌に「♪小さいころは神様がいて~」という曲
ああ、なんかクリスマス気分になりました。思わず聞き返しちゃいましたCD。
本当にサンの編集局さん、すばらしい。子供って実は大人より鋭いところがあるから、正面から答えてくれた答えは彼女にとって本当に大切なものになったでしょうね。
>わたしは愛妻と新婚時代みたいに、いちごのケ~キを食べてたのしみたいと思います
わお、素敵。奥さま幸せですね。
子供が大人になると夫婦二人で過ごすことになりますもんね。
楽しんでくださいね。
うちはまだ娘もいつもより賑やかでちょっと楽しいと感じる位で、簡単にばたばたと終わりそうな気がします。
久しぶりにコメント頂き嬉しいです。
学生時代に読まれたんですね。
本のご紹介ありがとうございます。
私は全然知らなくて、記事で読んで感動しました。
あくあさんも楽しいクリスマスを!!
河合先生の父上の(正確には、母上と協力しての)
すてきなクリスマスの演出については、
よかったら『泣き虫ハァちゃん』を読んでみてくださいな。
(勝手ながら、ここで手短に書いてしまうのが惜しい気がするので)
新潮社から、単行本と文庫とで出ていますが、
イラストの美しい単行本がおすすめです。
ついでに、この本には、クリスマスとは関係ありませんが、
谷川俊太郎さんが河合先生の墓前に贈った詩が載っています。ぐっときます。
年末年始と慌ただしくてすっかり遅くなってしまいました。
泣き虫ハァちゃん探しもこれからです。
読んだらまたメールするね♪