茶の湯 徒然日記

茶の湯との出会いと軌跡、お稽古のこと

京都紀行3 おかめ物語

2011-07-14 23:45:48 | 旅先にて
 大報恩寺でのたくさんのおかめ人形との出会い。これほどたくさん集まっていのも珍しいと思う。
 “おかめ”のお話は境内にあるおかめ塚の横の看板で知ることができる。

看板より引用************************
鎌倉時代の初め西洞院一條上るの辺りで長井飛弾守高次という洛中洛外に名の聞こえた棟梁とその妻阿亀が住んでいました。
そのころ義空上人(藤原秀衡の孫)が千本釈迦堂の本堂を建立することになり、高次が総棟梁に選ばれ造営工事は着々と進んで行きましたが、高次ほどの名人も“千慮の一失”というべきか信徒寄進の四天柱の一本をあやまって短く切り落としてしまったのです。心憂の毎日を過ごしている夫の姿を見た妻の阿亀は古い記録を思い出し「いっそ斗栱をほどこせば」というひと言、この着想が結果として成功をおさめ、見事な大堂の骨組みが出来上がったのです。
安貞元年十二月二十六日厳粛な上棟式が行われたが此の日を待たづしておかめは自ら自刃して果てたのです。女の提言により棟梁としての大任を果し得たという事が世間にもれきこえては・・・・「この身はいっそ夫の名声に捧げましょう」と決意したのです。高次は上棟の日亡き妻の面を御幣につけて飾り冥福と大堂の無事完成を祈ったといわれ、またこの阿亀の話を伝え聞いた人々は貞淑で才智にたけた阿亀の最後に同情の涙を流して菩提を弔うため境内に空筺院塔を建立しだれ行くとなくこれを「おかめ塚」と呼ぶようになったのです。
現在京都を中心として使用されているおかめの面の上棟御幣は阿亀の徳により“家宅の火災除け”家内安全と繁栄を祈って始められたものです。また、おかめの徳は災を転じて福となすというところから、建築成就工事安全、女一代厄難消滅、上人の商売繁栄などの承服信仰としって全国を風靡するところとなっています。なお昭和五十四年の春有志により阿亀の大像が造立され福徳の像としてまつられ“おかめ信仰”の輪が一層広がっております。
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 上棟の際に使われるおかめ御幣とはどんなものかとネット検索したところ以下のブログがでてきました。京都ではこういうものを使うのでしょうか。初めて見ました。
http://bciweblog.shiga-saku.net/e573179.html

 おかめで検索したところ、大報恩寺のこともでてきましたのでご参考まで。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8A%E3%81%8B%E3%82%81

 大報恩寺の境内には御亀桜という見事なしだれ桜がありました。花の季節にはどんなに見事だろうかと想像しましたが、残念ながら今回は葉桜(写真の通り)。樹が覆われるほどしだれた葉には驚くばかりです。
 私もおかめさんにあやかって主人を大切にし、家を盛りたてていかなくてはと祈りました。
 機会ありましたら、訪ねてみてください。大報恩寺、素晴らしいお寺でした。

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2 コメント

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お多福といっしょ・・・? (春旦)
2011-07-16 06:11:28
おかめ=お多福とは知りませんでした!
『貞淑』という忘れかけた…いや…なくなりつつある日本語にグッときてしまいました
なるほど…おかめは『阿亀さん』だったのですね…インタ~ネットより大報恩寺の看板の逸話の方が詳しく説明してあるようです
すこし涙を誘う…今の時代でしたらそこまでしなくても…命を絶たなくても…とおもってしまいます
上棟式のときに博多ではおかめの御幣を見たことはありませんが、一度見てみたいですね
博多では大黒柱でしょうか?御幣をテッペンに巻き付け紅白の餅と5円玉を撒く風習は残っているようです…妻の実家の建替えで経験しました
また博多人形が有名で『お多福』…福が多いと書くからでしょう、お多福の人形をみかけます
どちらにしてもこの逸話を知って日本の女性の心底にある芯の強さ心配りのすばらしさ、日本人としてうれしく、またおかめ=お多福が一緒と知ったことも発見でした
博多は昨日15日午前4時59分から「祇園山笠」の「追い山」でフィナ~レを迎えました
本格的な暑い夏がやってきます
ことしも暑くなりそう~
お互い体調管理に注意して、乗り越えましょうね~!
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おかめさん (m-tamago)
2011-07-22 23:06:23
春旦さん、こんばんは。
いつもコメントをありがとうございます。
おかめ顔は本当に福多しという感じがしますね。
昔は本当に女性は陰から男性を支えるというのが美徳だったんですね。確かに死ななくてもとは今の時代思いますが~。

上棟式は私は今まで見たことがありません。今回の御幣を知って、儀式としても興味深いかもと思いました。

おかめ塚のお話は夫婦の美しいお話ですが、誰かの為に知恵を絞り見えないところで支えるというのは、他の関係でも素敵なことだなあと思いますし、そうなれたらと思います。

こちらは昨日本日と涼しい日が続きましたがまた暑い日が戻ってくるようです。
30度以上が当たり前になった夏、春旦さんもお体お大切にお過ごし下さい。
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