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世界遺産である西芳寺、別名苔寺に行ってきました。こちらは現在往復葉書での予約制、ぎりぎりのタイミングだったが、受け入れて頂けた。10時拝観に合わせて早起き。京都駅からバスで45分、嵐山を越え、細い道を通ったところにある。思いがけず静かな嵐山も車窓から眺めることができ、風情ある山と川の景色を楽しんだ。
西芳寺は聖徳太子創業、1300年前に行基が開山、650年前に夢窓国師が中興した。鎌倉時代に光る石の夢を見た松尾大社(西芳寺のそば)の宮司が荒れ果てたこの寺を見つけ、再興のきっかけとなったとされ、注連縄された影向石がある。苔に覆われた庭が有名だが、その頃はまだ苔むした状態ではなく、徐々に現在のような120種もの苔が見られる状態になったそうだ。庭は上下二段構えとなっており、心字形の池のある池泉廻遊式庭園の下段で心を清め、向上関という門を潜って枯山水の上段に向かい、悟りに至る作りになっている。下段の苔むした庭は梅雨にしっとりとして本当にすばらしかった。やはりこのお寺は梅雨の時期をお勧めしたい。
庭園内には国指定重要文化財、千少庵(利休様の息子)建立の湘南亭がある。月見台があり、その天井は珍しい土塗りになっている。一時、岩倉具視が隠れ住んだこともあるという。残念ながら中は見ることができなかった。
大勢の方が予約していたようでびっくり。まず、本堂に通され、一人ずつ、般若心経、硯、墨、筆、木札の準備された机の前に座る。揃うと僧正がやってきて、皆で般若心経3回と坐禅和讃を唱える。木札にそれぞれ願い事を書き、ご本尊の前にお供えする。願いが叶うようにお焚き上げしてくれるのだそうだ。その後庭園の散策となる。
般若心経をまともに声に出して唱えたのは初めて。そもそもは大勢が押しかけると庭が傷むので予約制にしたそうだが、庭を見るだけでなく、きちんとお寺をお参りし、説明もしてくださるというのはいいなあと思った。美しい蓮華(廻り花にて写真ご紹介)にしろ、苔の庭園にしろ、どこも手入れが行き届いて美しいたたずまいのお寺でした。
西芳寺をあとにして、華厳寺へ。こちらには願い事が叶うという幸福地蔵様がいらっしゃる。草鞋を履いたお地蔵様に1つだけ願い事をすると叶えに歩いて来て下さるという。心をこめてお祈り。また、このお寺は研究を重ねて秋の生き物である鈴虫を年中孵化させることに成功し、鈴虫の声が絶えることがないことから鈴虫寺とも呼ばれる。本堂に雌雄250匹ずつ、500匹入った虫篭が7つも並んで、梅雨時なのにうるさいほどに鈴虫が鳴いていた。そこで名物和尚さんが講和をして下さる。これもまたひとつの楽しみ。
竹の寺 地蔵院へ。苔と木々、竹が青々として、喧騒とは無縁の世界。臨済禅宗のお寺で夢窓国師を開山とし、伝教大師作と伝わる延命安産の地蔵菩薩をご本尊とする。かの有名な一休禅師が幼少の頃修養された寺でもある。後小松天皇の皇子として近くの民家で生まれ、地蔵院で6歳まで成長したそうだ。庭を見ながら静寂を堪能した。
最後に松尾大社。奈良時代に秦氏が創建した京都最古の社。中世からはお酒の神様として信仰された。本殿東北隅にある亀井の水は延命長寿の名水で、醸造時にこの水を加えると酒が腐らないという言い伝えから酒造業者の信仰が厚い。また、作庭家重森三玲最晩年の力強い四庭園、曲水の庭・即興の庭・上古の庭・蓬莱の庭、山の斜面を利用した紫陽花畑など見所が多い。
宝物殿には平安初期の等身大一木造りの重文御神像三体が祀られており、そのうちの女神像はわずかに左を向いている。宝物殿の案内の方が、「何故だかわかりますか?」。正面から、左から、右から、下から、見る方向によってお顔の表情が驚くほど変化するのだ。慈悲の面、女人の面、怒りの面、男性の面と全く違う顔に見える。驚きだった。
この辺りは今回初めて訪ねたエリアだったが、古きよき日本の風景がたくさん見られ、感動した。思いがけず、紫陽花や蓮華など季節の美しい花が迎えてくれたのがうれしかった。
写真は西芳寺のご朱印。通常の倍の大きさで西芳精舎という朱印が押されていた。
西芳寺は聖徳太子創業、1300年前に行基が開山、650年前に夢窓国師が中興した。鎌倉時代に光る石の夢を見た松尾大社(西芳寺のそば)の宮司が荒れ果てたこの寺を見つけ、再興のきっかけとなったとされ、注連縄された影向石がある。苔に覆われた庭が有名だが、その頃はまだ苔むした状態ではなく、徐々に現在のような120種もの苔が見られる状態になったそうだ。庭は上下二段構えとなっており、心字形の池のある池泉廻遊式庭園の下段で心を清め、向上関という門を潜って枯山水の上段に向かい、悟りに至る作りになっている。下段の苔むした庭は梅雨にしっとりとして本当にすばらしかった。やはりこのお寺は梅雨の時期をお勧めしたい。
庭園内には国指定重要文化財、千少庵(利休様の息子)建立の湘南亭がある。月見台があり、その天井は珍しい土塗りになっている。一時、岩倉具視が隠れ住んだこともあるという。残念ながら中は見ることができなかった。
大勢の方が予約していたようでびっくり。まず、本堂に通され、一人ずつ、般若心経、硯、墨、筆、木札の準備された机の前に座る。揃うと僧正がやってきて、皆で般若心経3回と坐禅和讃を唱える。木札にそれぞれ願い事を書き、ご本尊の前にお供えする。願いが叶うようにお焚き上げしてくれるのだそうだ。その後庭園の散策となる。
般若心経をまともに声に出して唱えたのは初めて。そもそもは大勢が押しかけると庭が傷むので予約制にしたそうだが、庭を見るだけでなく、きちんとお寺をお参りし、説明もしてくださるというのはいいなあと思った。美しい蓮華(廻り花にて写真ご紹介)にしろ、苔の庭園にしろ、どこも手入れが行き届いて美しいたたずまいのお寺でした。
西芳寺をあとにして、華厳寺へ。こちらには願い事が叶うという幸福地蔵様がいらっしゃる。草鞋を履いたお地蔵様に1つだけ願い事をすると叶えに歩いて来て下さるという。心をこめてお祈り。また、このお寺は研究を重ねて秋の生き物である鈴虫を年中孵化させることに成功し、鈴虫の声が絶えることがないことから鈴虫寺とも呼ばれる。本堂に雌雄250匹ずつ、500匹入った虫篭が7つも並んで、梅雨時なのにうるさいほどに鈴虫が鳴いていた。そこで名物和尚さんが講和をして下さる。これもまたひとつの楽しみ。
竹の寺 地蔵院へ。苔と木々、竹が青々として、喧騒とは無縁の世界。臨済禅宗のお寺で夢窓国師を開山とし、伝教大師作と伝わる延命安産の地蔵菩薩をご本尊とする。かの有名な一休禅師が幼少の頃修養された寺でもある。後小松天皇の皇子として近くの民家で生まれ、地蔵院で6歳まで成長したそうだ。庭を見ながら静寂を堪能した。
最後に松尾大社。奈良時代に秦氏が創建した京都最古の社。中世からはお酒の神様として信仰された。本殿東北隅にある亀井の水は延命長寿の名水で、醸造時にこの水を加えると酒が腐らないという言い伝えから酒造業者の信仰が厚い。また、作庭家重森三玲最晩年の力強い四庭園、曲水の庭・即興の庭・上古の庭・蓬莱の庭、山の斜面を利用した紫陽花畑など見所が多い。
宝物殿には平安初期の等身大一木造りの重文御神像三体が祀られており、そのうちの女神像はわずかに左を向いている。宝物殿の案内の方が、「何故だかわかりますか?」。正面から、左から、右から、下から、見る方向によってお顔の表情が驚くほど変化するのだ。慈悲の面、女人の面、怒りの面、男性の面と全く違う顔に見える。驚きだった。
この辺りは今回初めて訪ねたエリアだったが、古きよき日本の風景がたくさん見られ、感動した。思いがけず、紫陽花や蓮華など季節の美しい花が迎えてくれたのがうれしかった。
写真は西芳寺のご朱印。通常の倍の大きさで西芳精舎という朱印が押されていた。
西芳寺は本当に美しいお寺でした。
般若心経は紙を頂けるのでそれを一緒に読めば大丈夫でしたよ。読めなくても、心の中で祈りながら皆さんが唱えるのを聞いていれば大丈夫。私が行ったときはすごい人数でした。
苔寺はやはり梅雨時、雨にちょっと濡れた感じが一番良い気がします。
真夏の暑い日には真っ青な苔が涼しげな雰囲気を醸し出してくれるかもしれませんね~。
世界遺産について、興味深いブログを書かれておられますね。徐々に読ませて頂きます。私も世界遺産はひとつずつ訪ねてみたいと思っています。
苔がきれいな時期に訪れてみたいです。
蓮は古の人の心も今の人の心も惹きつけて止まない花なのですね。
天龍寺の蓮池、今度行ったら見てきます。
蓮の実が入っている蓮茶、まさに蓮尽くし。
私は蓮の実の甘納豆は好きでよく頂きますが、蓮茶はまだ飲んだことがありません。いつの日か、私も。
メアドが解りませんのでこちらへ書き込みます。旧作ですが、ご参考にもなればと…。
あなたのお書きものは真面目で好感がもてます。がんばって!
noteブックより
●2003/10/02 Thu 00:19 蓮池 と 蓮茶
天龍寺の蓮池には石橋がかかっている。昨日その場所を歩いていて『虞美人草』のなかの甲野さんと宗近さんとの会話を思い出した。
大燈国師や夢窓国師の名も出てくるところがやはり漱石の好みなのだろう。
「どうでも、好いさ。――まあ、ちっと休もうか」と甲野さんは蓮池に渡した石橋の欄干に尻をかける。欄干の腰には大きな三階松が三寸の厚さを透かして水に臨んでいる。石には苔の斑が薄青く吹き出して、灰を交えた紫の質に深く食い込む下に、枯蓮の黄な軸がすいすいと、去年の霜を弥生の中に突き出している。
私は和服であったけれど、愛機のライカデジルックス1をバックから取り出し首にかけた。そしてすぐさまシャッターを押した。漱石が朝日新聞にこの小説を著した当時は、天龍寺の蓮池もかなり広いものだったのではないか…などと想いながら。
季節は違うものの、枯れ蓮といい石の橋といい、現在もあることが何よりである。石には苔の斑の代わりにススキの穂がなびいている。
寺の境内であればこそこうした景観が守られたのであろう。神社仏閣は庶民の間ではどうも親近感が薄れているようだが、自然破壊の世相を押しとどめる役割を果たしてきたことは大きいし認めなければならないと思う。
蓮について今日はいい話を聞くことができた。裏千家今日庵に於いては毎月一日は直門が家元の道話を拝聴する。家元のお話の後、前家元の千玄室大宗匠が先日ベトナムに行かれた折の土産話をされた。
「共産主義国家のベトナムの国家元首の歓迎を受けましてね。ホーチミンの遺骸も見ました。ホーチミンというひとは偉い方で…。」
「そこで蓮茶というのを飲みましたが、蓮の葉を煎じたもので蓮の実も入っているようでした。」
ベトナム。過去のベトナム戦争を知る年代の私たちにとって、それはほっとする和やかなひとときであった。
私もいつの日かその蓮茶を飲んでみたいと思う。
苔寺は予約しただけありました。でも旅行自体が1週間前の企画だったので、だめもとで往復はがきを出したのです。無事、返信あり、伺うことができましたー。
このルート、我ながらなかなかよかったですよ。
お勧めです。
>般若心経
暗誦ですか、すごい。
何年か前に、般若心経を読み解くという本が結構出ましたよね。
>鈴虫寺では受付で若いお坊さんの優しい京都弁にときめいたのと(笑)庭の竹が印象に残っています。
ときめいたのですね!四角や三角の竹は見事でしたね。私もびっくりしました。
苔寺、確かに1週間前の予約が必要なので思い立ったらとはいかないですね。
今回は般若心経を唱えました。筆があったので私も写経するのかな、、、、と一瞬思ったのですが。
湘南亭は是非中が見たかったです。せめて間取りだけでも~。(私が聞いたお寺の人¥はも四畳、四畳、六畳だったと思うけどはっきりは。。。。って言っていました)
>季節それぞれの景色を楽しめる、これが京都観光のリピーターの多さの理由の一つかもしれませんね。
そうですね!私も桜と紅葉の季節に行きたいのですが、つい特別拝観のある真冬の寒い時期とか、暑い夏、梅雨時などオフシーズンに行ってばかりです。
>ここのお守り、私も買ってきてもらってお願いしたら見事かないました。
ホント!!そういう人がたくさんいるんだよね。叶いますように~。
>京都以外に住んでいる人の方が、京都についてよく知っているかも。
確かに近くにいるといつでも行けるのでそういうものかもしれませんね。
>晴れの日よりも、自然と一体になりやすい気がします。
確かにそうかもしれませんね。私も坐禅も結構好きです。
>鈴虫寺の噂は耳にしていましたが、一年中鳴かせているとは
ちょっとあんなにたくさんいると風流~とかいい音色~っていうのとは違う感じでした。ちょっとすごかった。。。
苔寺よかったです。
先生に湘南亭の話をしたら、苔寺の楓を使って少庵が作った独楽香合がそもそものはじまり、本歌なのよーとおっしゃっていました。行く前に聞いたら苔だけじゃなく、楓も探したのに~。(楓は記憶になし)
予約が必要なところは、つい面倒で行ったことがありませんが、
予約しただけのことはありましたね^^
と、いっても、やはり、自分の足で、訪れたい。
でも、このルートいつ実現できるかわかりませんが 真似させていただきます。
般若心経といえば、まだ学生のころ、祖父が亡くなり、気持ちだけと、毎晩 唱えていましたら、暗誦できるようになりました。
今? 似ているところがあり、壊れたレコードのような、同じところの繰り返しの、般若心経です。
鈴虫寺では受付で若いお坊さんの優しい京都弁にときめいたのと(笑)庭の竹が印象に残っています。
胴部分が三角形や四角の竹を初めて見た時には驚きでした。
苔寺は一度行ってみたいのですが、予約が面倒なので思い立ってすぐに行けないのがネック。
般若心経を唱えるのですね、私は写経をすると聞いてたのですが、変わったのでしょうか。
小庵の茶室を見れないのは残念ですね。
紅葉の秋に・・・と思っていましたが、なるほど、梅雨の季節もまたよさそうですね。
季節それぞれの景色を楽しめる、これが京都観光のリピーターの多さの理由の一つかもしれませんね。
ここのお守り、私も買ってきてもらってお願いしたら見事かないました。
tamagoちゃんのお祈りもかなうよ。
すぐ近くを通ったことは何度かありますが、中に入ったことはありません。中に入ると外界とは別世界が広がっているのでしょうね。
京都以外に住んでいる人の方が、京都についてよく知っているかも。
読経したりするのは、とても清々しいものですね。
晴れの日よりも、自然と一体になりやすい気がします。
鈴虫寺の噂は耳にしていましたが、一年中鳴かせているとは
知りませんでした。色々な意味でちょっと驚きです。
わたしもぜひ行ってみたいです。
京都に4年も住んでいたのに、そのころに行っておけばよかったわー。