友人に誘われて、UIA(Urasenke International Associations)のお茶会に行ってきた。
裏千家に国際部があるとはその友人に聞くまで知らなかった。彼女はロシア駐在の際、現地で茶道指導に携わったことがあり、日本に戻ってから改めて裏千家国際部の講座を受講して会員になったそうだ。
国際部は鵬雲斎大宗匠の“一盌からピースフルネス”を実現すべく創設されたもので、今年創立二十周年を機に、関東エリアでの活動推進を目指してUIA関東エリア活動委員会を立ち上げた。今回はその懇親茶会。場所は新宿区にある裏千家茶道会館。朝一番で出かけ、第一席目に入ることが出来た。坐雲の間と立礼席の薄茶二席。いずれもすばらしいお道具ばかりだった。
坐雲の間、床の間は、
掛物、鵬雲斎大宗匠筆“心平時世界平”、
花入、玄々斎作 竹一重切“万歳楽”に紅白の椿、
香合、“福槌”の銘で、小槌型、
点前座には、
淡々斎の筆で父好みと書かれた煤竹の皆具、建水が梅の形をしており、松模様の風炉先と併せて、松竹梅が揃っていた。杓立てには菊頭火箸。
棗は四代宗哲塗りで九代不見斎の花押、
茶杓は坐忘斎お家元、銘“水鶏(くいな)”、
茶碗は又妙斎作の赤楽、
釜は小阿弥陀堂、六代宗哲塗りの炉縁、
煙草盆は日の出盆、火入れは志野
お菓子は“雪の朝”、真っ白な雪に新たな一歩を刻めますようにの気持ちをこめて。
いずれもこれから始まるUIA関東エリア活動委員会の出発を祝してのおめでたい取り合わせ。茶杓の“水鶏”は、酉年の最後にちなむと共に、水鶏は戸を叩くように鳴くので、これから新しい戸を叩き開くの意味をこめて使われたそうだ。
立礼席は、国際部らしく、お道具に世界各国のものを見立て取り合わせて。
掛物は、大宗匠による“無事是吉祥(ぶじこれきっしょう)”、
香合は、ロシア製、二羽のおしどりが描かれていた。
竹雀紋の筒釜、スペインのミロの絵を模写した棗、円能斎作“古今の友”茶杓、オーストリア製の建水、インドネシア製の水指、ハワイ製の大宗匠作茶碗“海の彼方”といった具合。運び出された数茶碗も各国の焼物を使用したもので、ひとつとして同じものはなく、隣の方と拝見しあったりして賑やかな席となった。それにしても茶碗にちょうどよい各国の焼物をよくぞ持ち寄ってこれほどたくさん集められたものと感心した。立礼席では席主が日本語の後、英語での説明もしてくれた。
裏千家国際部HP http://www.urasenke.or.jp/textc/uia/index.html
日本の美意識、精神性を海外の方に伝えるのは難しい部分もあるようだが、大宗匠の“一盌から平和を”の気持ちは、利休様の茶の精神に通じていると感じる。戦争体験なさった大宗匠には平和に対する気持ちもより深いのではないかと推察した。
さて、茶会が終わり、帰り道、“やました”という道具屋さんに立ち寄った。
驚いたことに、クリスマスのお道具があった。一閑人(井戸を覗き込む人型)を模した、サンタさんがレンガの煙突に足を入れている蓋置、きよしこの夜の譜面を印刷した赤と緑重ねの紙釜敷。初めて見たので面白かった。また、ゴルフボールを象った香合(HOLE IN ONEと書いてある)などもあって目を引いた。
来年の干支“戌”やお勅題“笑み”に関するお道具もたくさん並んでおり、楽しませて頂いた。犬にちなんだものとしては、三つ人形を象った三ツ犬の蓋置、“犬の行進”・“花咲爺”・“桃太郎”・“犬に毬”なる茶碗、犬を象った香合の数々。お勅題“笑み”にちなんだものとしては“狂言の図”・“寄席”・“乙御前”(=お多福のこと)・“虎渓三笑”・“達磨さん”(=にらめっこしましょう笑うと負けよ)、“万歳の図”・“烏帽子”の茶碗、いずれも”笑”から福を想像させるものばかり。
「笑う門には福来る」。来年は“笑み”の多い年になりますように!
裏千家に国際部があるとはその友人に聞くまで知らなかった。彼女はロシア駐在の際、現地で茶道指導に携わったことがあり、日本に戻ってから改めて裏千家国際部の講座を受講して会員になったそうだ。
国際部は鵬雲斎大宗匠の“一盌からピースフルネス”を実現すべく創設されたもので、今年創立二十周年を機に、関東エリアでの活動推進を目指してUIA関東エリア活動委員会を立ち上げた。今回はその懇親茶会。場所は新宿区にある裏千家茶道会館。朝一番で出かけ、第一席目に入ることが出来た。坐雲の間と立礼席の薄茶二席。いずれもすばらしいお道具ばかりだった。
坐雲の間、床の間は、
掛物、鵬雲斎大宗匠筆“心平時世界平”、
花入、玄々斎作 竹一重切“万歳楽”に紅白の椿、
香合、“福槌”の銘で、小槌型、
点前座には、
淡々斎の筆で父好みと書かれた煤竹の皆具、建水が梅の形をしており、松模様の風炉先と併せて、松竹梅が揃っていた。杓立てには菊頭火箸。
棗は四代宗哲塗りで九代不見斎の花押、
茶杓は坐忘斎お家元、銘“水鶏(くいな)”、
茶碗は又妙斎作の赤楽、
釜は小阿弥陀堂、六代宗哲塗りの炉縁、
煙草盆は日の出盆、火入れは志野
お菓子は“雪の朝”、真っ白な雪に新たな一歩を刻めますようにの気持ちをこめて。
いずれもこれから始まるUIA関東エリア活動委員会の出発を祝してのおめでたい取り合わせ。茶杓の“水鶏”は、酉年の最後にちなむと共に、水鶏は戸を叩くように鳴くので、これから新しい戸を叩き開くの意味をこめて使われたそうだ。
立礼席は、国際部らしく、お道具に世界各国のものを見立て取り合わせて。
掛物は、大宗匠による“無事是吉祥(ぶじこれきっしょう)”、
香合は、ロシア製、二羽のおしどりが描かれていた。
竹雀紋の筒釜、スペインのミロの絵を模写した棗、円能斎作“古今の友”茶杓、オーストリア製の建水、インドネシア製の水指、ハワイ製の大宗匠作茶碗“海の彼方”といった具合。運び出された数茶碗も各国の焼物を使用したもので、ひとつとして同じものはなく、隣の方と拝見しあったりして賑やかな席となった。それにしても茶碗にちょうどよい各国の焼物をよくぞ持ち寄ってこれほどたくさん集められたものと感心した。立礼席では席主が日本語の後、英語での説明もしてくれた。
裏千家国際部HP http://www.urasenke.or.jp/textc/uia/index.html
日本の美意識、精神性を海外の方に伝えるのは難しい部分もあるようだが、大宗匠の“一盌から平和を”の気持ちは、利休様の茶の精神に通じていると感じる。戦争体験なさった大宗匠には平和に対する気持ちもより深いのではないかと推察した。
さて、茶会が終わり、帰り道、“やました”という道具屋さんに立ち寄った。
驚いたことに、クリスマスのお道具があった。一閑人(井戸を覗き込む人型)を模した、サンタさんがレンガの煙突に足を入れている蓋置、きよしこの夜の譜面を印刷した赤と緑重ねの紙釜敷。初めて見たので面白かった。また、ゴルフボールを象った香合(HOLE IN ONEと書いてある)などもあって目を引いた。
来年の干支“戌”やお勅題“笑み”に関するお道具もたくさん並んでおり、楽しませて頂いた。犬にちなんだものとしては、三つ人形を象った三ツ犬の蓋置、“犬の行進”・“花咲爺”・“桃太郎”・“犬に毬”なる茶碗、犬を象った香合の数々。お勅題“笑み”にちなんだものとしては“狂言の図”・“寄席”・“乙御前”(=お多福のこと)・“虎渓三笑”・“達磨さん”(=にらめっこしましょう笑うと負けよ)、“万歳の図”・“烏帽子”の茶碗、いずれも”笑”から福を想像させるものばかり。
「笑う門には福来る」。来年は“笑み”の多い年になりますように!
お軸は、大宗匠が考えられたものでしょうかね。
お道具の数々も、古いものやら、ご銘にしても、お茶勺の これは、お家元の水鶏ですか、、、。
さすがですね。
そのようなお茶会に参加できるのが、とても、うらやましいです。ただ、この場で、参加したような気持ちになれるのは、ありがたいことです。
先日、札幌のお月釜で、弘入作の銘 古松という楽茶碗が、私のところまで、拝見がまわり、手にすることができ、感動いたしました。
これからも、いろいろ、お書きくださいね。
一生懸命聞いたのですがお道具なかなか全部は覚えていられず、不完全な内容ですみません。大寄せだと次の席の準備もあり、ゆっくりはしていられないのが残念です。
今回はお軸も茶杓も大宗匠と家元のもので国際部への気持ちが伝わってきました。会員の方もうれしかったことと思います。
弘入の楽茶碗を手にとれたなんてうらやましいです。
やはり見るだけでなく触ると違いますよね。
またコメント下さい。
坐忘斎お家元の茶杓はまだありませんね、出張所には、、、。
一度、円能齊13代お家元のお茶杓で点てた事がありますが。
いつも日本のお茶の話題を、楽しみに読ませていただいています♪
有り難う!!!
本当にこれほど立派なお道具が揃った大寄せもなかなかないですよね。友人に誘ってもらってラッキーでした。
Clayさんはまさに国際部の一員ですね。海外ならではの活動や趣向もあって羨ましく、いつもお勉強させて頂いています。
またいつかそちらのお茶会にも参加させて頂きたいものとも思っています。
今後とも宜しくお願いします!