廃車ドットCOMの迫真のリポートです。
廃車ドットCOM カンボジア訪問記(その2)
カンボジア訪問記(その2)でございます。
カンボジアの首都プノンペンには新車販売店や中古車販売店も多く見られます。
しかし輸入関税が新車で200%以上、中古車で150%~220%と車種別の高額税率で中古車は2001年製造以降のモデルでさらに左ハンドル車で無いと登録が出来ません。 1990年代に輸入された右ハンドル車は政府の指定工場で左ハンドルに台湾製や中国製の亜流部品を使用したスワップを進められますが、 既に登録された右ハンドル車はそのまま使用して良いとの決りなので、古いSUV等は右ハンドルの車が走っていました。
右ハンドルから左ハンドル換装は1,000USドルくらいとの事。
換装に必要な部品はどうしているのかと市場を調査すると、どうやらこの国でもニセモノのメーカー純正部品が沢山流通しているようです。 現在ではほとんどの中古車の左ハンドル車が主流のアメリカからの輸入が多いようで右ハンドル規制が徹底されているようです。 問題はその北米から輸入される車の殆どが、“事故現状車”だと言う事です。事故現状車を修理整備してそれを販売しているのです。 残念ながら日本のように公正取引委員会など無いので、“修復歴有り”の表示義務も無いようです。 さらに議員には輸入パーミットが数量限定とはいえ“無税”で発行されるので、中古車輸入業者には何かがアリそうです…
海上コンテナーから降ろされて競売される様子
実際に、海上コンテナーを一日に8本から16本分も輸入している業者に突撃訪問をしてみました。 警備員がいて、スグにカメラで撮影する事を止められてしまいました。 なんとか見学は許してもらえましたので観察していると、輸入した事故現状車を荷降ろしした直後に数人の買付け人達が値踏みをして、 その場で売買交渉を成立させていました。 売買成約した車には成約札が貼り付けられて、その日の内にリペア鈑金修理工場に運搬しています。 北米での買い付け方法を聞き出したら、殆どが保険業者からの買い付けだそうです。
この展示車、全部が事故修復歴有りの車
その事故修復歴車の流通に関して、同行ガイドに尋ねたら、「どうして気にするの?ちゃんとリペアしてあるから問題は無いのじゃない?」との回答で、 大らかな国民性なのかは疑問が残ります。 一方で街角の流通物を見ると凄く多くの古着販売が見られます。 ガイドさんの着用しているシャツも古着だとの事。ガイドさん曰く「まだ着られる服だし、お金持ちが着ていた服だから生地も良いよ。 古着を出すのはお金持ちばかりだからね」との事。 そう考えると、中古車を輸入する際でも高額な車両を多く買い付けるよりも、安価な事故現状車(事故車)を買って、 安価な労働力と、安価な偽装純正パーツや輸入された中古パーツを使用して修復させた方が街角市民のニーズに合致しているのでは無いかと推測をしました。 つまり潜在的な自動車中古部品のニーズは高い事が予想されます。 そこで、自動車用の中古部品販売商が軒を連ねる地域に訪問をしました。 それらの企業の仕入先を確認しますと、神奈川県平塚市に自社ヤードを持つ業者や、 千葉県四街道に自社ヤードを持つ大手業者がいましたが、その他の業者の大半が日本は右ハンドルなので共通部品がどの程度使用可能なのかを考えて進出をためらっていました。
中古ディーゼルエンジンの在庫、中型・大型が目立つ
建機や発電機用のディーゼルエンジンも人気商品
ダンプ等の油圧シリンダーの中古品
日本からKD輸入された大型トラック
左ハンドルに改造された、大型トラック
KD輸入とは、ノックダウン輸入の略で中古車としてではなく、 中古部品としてバラバラに分解された状態での輸出入を言います。 でも右ハンドルは登録不可なので、一部の車両は左ハンドルに改造された状態で、展示販売されていました。
この、中古部品販売店では乗用車中心の品揃え
2012年頃の円高で日本からの買付けを停止している
一般ユーザー用の修理工場を併設している
悪路が多いのとホコリっぽいので、ラジエターが痛む
ブレーキ関係の修理で入庫した左ハンドルのカローラ
ネジ一本でもムダにしないように、在庫商品を積む
小規模店舗が軒を連ねる通り。品揃えは豊富
笑顔で商談を受け入れてくれた中古部品商の社長
今回のカンボジア訪問で、数十社の中古部品商を訪問致しましたが、積極的に日本まで来て買付けするような実力のある大手企業は数が少なく、そのほとんどが、華人 (中華系)の方々でした。華僑のネットワークは、世界中にあると言う事なのでしょうね。和僑のネットワークを視野に入れた活動をしている人々も日本には多く居ますので 国際競争力のある自動車関連の商材を取り扱う私達は、日本国発展のためにも、自動車リサイクラーとしての、誇りを持って、廃車ドットコムを発展させなければなりま せんね。次回の第三弾レポートでは映画にもなったカンボジアの悲しい歴史をお伝えいたしますね。乞うご期待!
廃車ドットCOMの迫真のリポートを日記に記しました。