神を求める者に、この世で妨害やいやがらせが無いわけがない。純粋に個人的な事柄なのに、どうして騒ぎが起こるか。悪魔がこの世を支配しようとしているからだ。自然主義的な態度に落ち着いているとどうしてもこのことを忘れがちになる。 ほとんどすべての人間が悪魔のしもべとなる。
それでなくとも、人生は五十と五十。この五十を得るなら他の五十の損失は仕方ない。
この世に生きる理由などないと思っても、結局それがためにひとが生きて活動しているもの、それが美だ。生きようと欲する力だ。
美しくなければ神ではない。ゆえに美学と形而上学は本源的にひとつなのだ。
「その美しさを買われて、神さまとなりました。」
リルケ「神さまの話」108頁