今朝図書館で借りてきた本。
開架で絞り出しクッキーのレシピが載った本を探していたが、思うような本がなく、たまたま手にしたのかこの本だった。
この前の広島旅行でにしき堂の「生もみじ」を買って食べた思い出から、全国のおいしい銘菓が載っているのかと思ったら、大違い!
口絵にどこか地方都市のケーキ屋さんのショーウィンドウがあり、私が住む辺りでは見かけない昔ながらのケーキに釘付けになる。
駅前には本格的なケーキで1ピース500円くらいのケーキなんて普通に売っている。
けれど、モンブランケーキが真っ黄色の芋あんだったり、くどいバタークリームのたぬきケーキや真っ赤なドレンチェリーが乗ったケーキなんて、もう見なくなったなぁ。
何よりも、1ピースごとにフィルムは巻いてなくて、アルミの敷紙だけのケーキも珍しくなったなぁと。
つい立ち読みで読み始めたら、相模原あたりの酒饅頭が、八王子や飯能辺りまで続く文化だとか書いてある。
図書館の社会人席に空きを見つけて座って読み始めたら、止まらなくなり、結局借りてきた。
まず、北海道と山陰のお菓子は殆ど載っていない!沖縄は皆無。
もともと山歩きをする神戸出身の著者なので、自分の思い入れもあって全国を網羅しているわけではない。
けれど、私も旅行で行ったことがあるのに、全然知らないお菓子があって、掲載があるお菓子のうち、8割は知らないお菓子、食べたことがあるのはほんの2、3種類だった。
とくに桜餅と柏餅は驚きの連続!
桜餅、私が子どもの頃、私の周りでは長命寺(クレープ状の生地で餡を巻いたタイプ)が主流。道明寺はまだ珍しく、道明寺を初めて食べたときはなんておいしいのかと驚いた。
それまで長命寺(これを桜餅と呼んでいた)から桜の葉をはいで食べてもまだ不味いと思い、桜餅は嫌いな和菓子の1つだった。
道明寺に出会ってからは、どうにか道明寺の桜餅を食べたいと思ったが、なにせ古いしきたりに雁字搦めの実家では、いくら頼んでも長命寺の桜餅しか口にできなかった(母に言わせると道明寺は、気持ち悪い食べ物)。
そして本書では、私の常識を覆す柏餅が出てきた。
私は今まで、柏餅は柏の葉で包むから「柏餅」というと思っていた。
まさか、通称「柏」と呼ばれる、別の植物の葉で包んだ柏餅があるとは想像したこともなかった!
食品を包む葉と言えば、桜、柏、笹くらいで、中華粽の竹の皮、朴葉味噌の朴、月桃餅の月桃なら食べたことがある…くらいであとは想像すらしたこともない。
それがサルトリイバラの葉が、柏の葉と呼ばれ、柏餅と名乗っている地方があるとは!
しかも、自分の親戚が住んでいる徳島県だとは!
私は自分がお菓子好きで、旅行先でもかなり積極的に食べていると思っていたし、お土産でももらっていると思っていた。
この本に出会って、まだ見ぬお菓子が世の中にはたくさんあって驚きの連続。
そう言えば、お土産はいつもガイドブックやネットの情報から銘菓を選んでいて、誰かに評価されたモノを選んでいた。
見知らぬ町で見知らぬお菓子屋さんに入る勇気がなかっただけ。
著者の見知らぬお菓子と出会いたいという欲望が垣間見られる1冊だった。
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makoto
ふるやのもり
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