大型連休中に開かれた同窓会。
私の大学では、卒論ゼミしかなかったけれど、在学中にお世話になった先生がお一人ご参加いただきました。
というのも、在学中の指導教授陣のうち、本学に籍がある先生はこのお一人だけがご存命。
そのY先生が、同窓会の席上で神奈川県下の徴兵や軍事郵便などのシンポジウムをまとめた冊子をお配りになりました。
シンポジウムを文書化したものは、私の好みではないものの、軍事郵便が登場するとなれば興味が湧きました。
時間がかかりましたが、冊子を読んでみました。
もう、途中で涙が溢れて来てしまって、何度も中断しながら読破。
というのも、亡き祖父が徴兵後、予備役になることなく中国大陸に渡って戦地に配属された理由がそこに書かれていたから。
1941年7月に中国大陸での大規模演習の実施を名目に全国で召集があったのだそう。
それに祖父は引っかかっちゃったのかー、と。
私は学生時代に日本史を学んだのですが、近代軍事史だけは深く学びたくなかったンです。
祖父がまだ元気だったからこそ、そこに踏み入っちゃダメだな、と感じていました。
市井の農民である祖父が、徴兵、従軍、シベリア抑留までの7年も過ごさなければならなかったことを思うと、そう簡単には学ぶ気にはなれませんでした。
祖父の死後、祖父が戦地から送った軍事郵便のはがきを読んだときは驚きました。
祖父の文字っぽくないし、書いている内容もちょっと勇ましかったり、実家の農業の働き手が足りているか心配していたり。
今ならスマホがあるけれど、当時は軍事郵便しかない時代を思うと、貴重なはがきなんだろうな、とも。
Y先生の冊子のお陰で祖父のことをまた思い出すことができました。
そしてシンポジウムの報告書なのに涙なくして読めなかったし、市井の人々の生き方、そしてその模索する姿を垣間見ることができました。