makoto's daily handmades

漫画「片喰と黄金」3巻を読む

北野詠一著。

タイトルが読みにくいですが、「片喰と黄金」で「かたばみとおうごん」と読みます。

ここ最近の漫画の中ではお気に入りの作品です。

なるべくネタバレはしないように感想を書こうと思いますが、時代設定や地名などには言及しますので、ネタバレを知りたくない方は、以下は読まないでください。

 

 

1849年のアイルランドにおけるジャガイモ飢饉が物語の発端です。

どうにもならなくなった飢饉が逃げるために、アイルランドからアメリカ合衆国に渡った女農場主(まだ少女)とその下僕の青年の旅路です。

片喰は、アイルランドの国花。

彼らがゴールドラッシュに沸くアメリカの西部開拓地(フロンティア)を目指します。

 

今回はボルチモアに到着します。

私が住む川崎市は、ボルチモア市と姉妹都市の関係にありまして、場所や地名は知っていましたが、私はその風土や歴史となるとからっきし興味を持っていませんでした。

 

でも知らないからこその楽しみ方もありまして、例えば鉄道が出てきます。

19世紀の鉄道ですから、先日私が山北鉄道公園で見てきたD52形機関車とは全然違います。

もっと旧式で日本初の機関車よりももっと小さいです。

私は鉄道史には疎いので、ネット検索で調べるとアイルランドは鉄道の導入が遅かった??らしいです。

イギリスの植民地支配時代があり、ダブリン(アイルランドの港町)からの陸運で当然当時最先端のイギリスの鉄道技術を輸入していたと思っていました。

ところがそう言った記述が見つかりません。

あれ?アイルランドは19世紀に鉄道が無かった?

これはもう少し調べてみたいです。

 

それと今回、パーコレータが出てきます。

パーコレータはコーヒーを抽出する道具です。

私が子どもの頃、西部劇を見ていると焚き火の端に除けたヤカンからコーヒーを入れるシーンを見ました。

アメリカ人は、ヤカンに直接コーヒーを入れてコーヒーカスごと飲むのか…ガサツだなぁ、と思ったモノでした。

ところが大人になってそれがパーコレータというコーヒーメーカーの一種と知って、びっくりしました。

私が物心ついた頃には、インスタントコーヒーもあったし、焙煎したコーヒー豆を買ってくるモノで、自分で生豆を炒るのは余程コーヒー好きの人という印象でした。

でも19世紀半ばは生豆を自分で炒るのが当たり前。

 

これまでも偶然の出会いから様々なストーリー展開になって、これがまた面白い要素になっています。

主人公たちは旅人ですから、様々な人々に出会っても必ず別離があります。

次から次へと出会いと別れを繰り返すので飽きる暇がありません。

 

この漫画の時代設定からすると、ローラ・インガルス・ワイルダーさんの作品「大草原の小さな家」のローラではなく、ローラの両親が幼児~子ども時代のです。

南北戦争よりも10年以上前なので、これまで私がまったく興味のかけらも持たなかった地域の歴史を取り上げています。

今後北アメリカ大陸の中央部に向かっていきますが、どんな人々と出会って、どんな展開になっていくのか、とても楽しみです。

コメント一覧

makoto-hizikata
ふるやのもりさんへ
「風と共に去りぬ」は、本は読んでいませんが、映画は観ました。
わがままスカーレットが、綿花を摘み取るシーンが印象的でした。
成金農場主のお嬢様なのは覚えていましたが、父親がアイルランドからの移民だったのは全然覚えていませんでした。
「片喰と黄金」の主人公達が本当に貧しい姿なので、スカーレットの華やかな姿とは全然結びつかなかったです。
自分が知っている物語のピースが繋がってくると、物語に深みが出てきて面白いです。
「風と共に去りぬ」の背景を教えていただけてとても嬉しいです。
huruyanomori
こんばんは。「風と共に去りぬ」のスカーレットのお父さんも確かジャガイモ飢饉でアメリカへ渡ったんだと思いました。すごく興味深いです。しかしマンガだから絵にしなくちゃいけないわけで、衣装とか建物とかコーヒーの入れ方とか時代公証とか大変そうですね。
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