makoto's daily handmades

「石鹸・化粧品の近現代史」展示フライヤーを読む

昨日立ち寄った国立歴史民俗博物館の特集展示がとてもよかったです。


左側が展示フライヤー。
右側が展示解説。
私が知る限り、フライヤーは裏面も印刷してあるものですが、こちらの博物館のフライヤーは裏白(少し珍しいです)。
展示解説は無料でA3用紙を半分に折っています。

さて石鹸・化粧品の展示の何がスゴいって、私がこの分野に興味があまりないからこそ驚いたのです。
もう随分前ですが、静岡県掛川市の資生堂企業資料館に行ったことがあります。
その時は懐かしの資生堂ポスターやキャンペーンを楽しんで見学したという感じでした。
でも今回の展示解説を読むと、私が思っているよりもずっと石鹸や化粧品は近年開発されたモノなんだ、と実感しました。
私はあまり化粧品に興味が無かったので、大人になってから仕方なく化粧をしているタイプです。
私が化粧をするようになった頃は、現在市販されている化粧品が一般的になっていました。

水で溶く粉おしろいも知らないし、ほぼシャンプーとコンディショナーも現在のタイプ(トロッとした液状でボトル入り)を使い続けていました。
固形石鹸で髪を洗ったのは、大人になってアトピー性皮膚炎が悪化した時の対処法として試したときだけです。
大人になったときには、カラフルなアイシャドーも口紅も発売されていたので、当然のごとく利用してきただけでした。

でも日本人が毎日お風呂に入るようになったのは1960年代後半と解説され、毎日入るからこそ皮脂を落としすぎないタイプの商品開発がされたことを知りました。
化粧も明治・大正時代はクリーム中心とのこと。
現代ではまず化粧水をつけ、クリームを先に塗ることはしないので意外でした。

それと無鉛白粉(むえんおしろい)の用語説明が無かったのですが、そう言えば、昔のおしろいには、鉛が含まれていたと聞いたことがありました。
天皇家や将軍家等の身分が高い女性たちはこの鉛入りおしろいを使っていたために、その子ども達が鉛中毒で夭折したのではないか、という憶測もありましたっけ。

なによりも私の年代でさえも意外と知らないことばかり。
現代でもスポンジを使わずにファンデーションを塗るスプレーがあります。
この方法ならムラなく薄付き、しかもスポンジとの摩擦がないから肌に負担がないという製品があります。
以前、化粧の未来は簡単に顔にプリントできるようになることと聞いたことがありました。
石鹸もいつかは無くなるかもしれません。
これも以前研究者の方から、マイクロバブルやナノバブルが一般化すれば必要ない時代が来るだろうと聞いたことがあります。

現代は未来にとって過去の歴史になる過程にすぎない、そう感じる展示でした。
そしてこの展示解説、無料でいただけるなんてありがたいです。




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