この日は少し冷え込みが強かったみたいです。
果樹園の地面は雑草類に覆われた草生栽培をしていますが、霜が降りていました。
12月後半でこの風景か…。
30年前なら11月の風景よねぇ、としみじみしました。
この日は癒合剤塗布から始めて、途中から兄と2人で剪定枝処理をしました。
こういう剪定枝の束を1日で30〜40束処理します。
この束ね方にも少々のコツがあって、通称オジサン(幼なじみKくんのお父さん)が束ねた剪定枝だと、チッパー(剪定枝の粉砕機)での処理がとてもラク。
母や私が束ねた剪定枝だとちょっとやりにくい、義姉が束ねた剪定枝は…多くを言うまい。
束ね方のコツはいつも悩むのです。
太さを揃える、長さを揃える、などのコツのほかにも、束ねる紐の縛り方、束ねる位置による持った時のバランス、紐をほどいた時のまとまり感…。
これらが相まって作業のしやすさが決まってきます。
私はそのどれもが微妙なんですよねぇ。
オジサンが作った束を持って、チッパーにかけると歴然とした違いを感じます。
いつかそのコツを盗み出してやろう…と思うものの、私とオジサンは農作業日が全く合いません。
ゆえにオジサンからコツを乞うイトマがありません。
このあとは、癒合剤塗布と太枝切りを繰り返しました。
午後の日が陰り始めた頃に私は作業終了。
入院中の父との面会で病院を訪れます。
母は夕方に訪れるので、その時まで父の体力を温存したいので私の面会はせいぜい10分程度。
首を僅かに動かして意思表示するくらいなので、あまり会話らしい会話にはなりません。
父は元々冷え性なので、手のひらが冷えてしまいます。
一方、私は年齢的に手は温かい(熱いくらい)ので、手を握って父の手を温めるくらいしかできません。
母が後で来るから楽しみにしててね、とか、また来るから今度私が来るまで元気で居てね、とか。
その程度しか言えないンです。
父の若い頃の写真をみると、今と全然違ってふっくらしています。
そうだよねぇ、父ってこんな感じだったよねー、とか。
いまや見る影もないほどやせ細って小さくなってしまったな、。今の姿は想像もできなかったよなぁ、と。
それと僅かずつですが、父の顔色が黄色みを帯びてきています。
父には本当に無理をさせて生かしているな、延命措置をしたからな、と1つずつ確認をしているような気分になります。
父が望んでいなかった延命措置をしているのですから、やはり私は気持ちが落ち着きません。
父との面会では、絶対に涙を見せないと決めているので、私にとって10分の面会が限界です。
短い時間でも、私にはとても大切な時間です。
次回も楽しくお手伝いしたいです。