※ネタバレを好まない方はこの先をお読みになりませんように。
10月10日のこのブログの記事で、私は政子ちゃんが義時くんを毒殺してその罪をのえちゃんになすりつける、と書きました。
予想どおりにはならなかったのですが、やはり脚本家は毒殺説を使ったか、と圧巻でした。
史実はともかく、ミステリー小説などでは女性が男性を殺すには毒殺がセオリーと言われています。
義時くんは急死は間違いなさそうですが、史実として死因はいまだ確定していないです。
政子ちゃんと義時くんのラスト15分は、この1年、大河ドラマにどっぷり浸かった私には、魂が揺さぶられるシーンになりました。
伊豆の田舎豪族から、全国にお触れを出せるような執権殿にまで登りつめた北条氏。
たくさんの血を流した結果が、床にこぼした薬を袖で拭うのか、と。
その尼衣がこれまでで一番の高級品。
ああ衣は立派でも、咄嗟の行動に伊豆の田舎豪族だったことを思い出させる仕草が出ているように思いまして。
このシーンがたまらなく切ないです。
子の仇を政子ちゃんが討ったことにはなるのですが、それはこれまで自分を支えてきた弟ですから。
姉弟の愛憎がこの物語の芯にあったのだな、と。
本当にスゴい物語だった、とその思いが詰まった大河ドラマでした。
毒殺説を採用したからこそ、このラストシーンに向けてこれまでの物語が進んで来たのかもしれない、と。
始めからこのラストシーンを描くための物語だったンじゃあないかと、小池栄子さんという女優さんの代表作たる「カマクラ版仁義なき戦い&極妻」だったンじゃあないか、としみじみ感じいっています。
さて、のえちゃんの演者さんは、結果的にバカな女を演じたのでなかなか大変な役を演じきったな、と感じました。
以前、何かで「美しく上品な女を演じるのはメイクと練習で誰でもできるようになるけれど、バカや下品、卑しい女を演じるのは素の自分が邪魔をするから難しい」と読んだことがあります。
しばらくは演者さんに対するアンチが発生するかもしれませんが、本当に大変な役を引き受けられたなぁ、スゴいなぁ、と思いました。
脚本家は「真田丸」でも次作へのエールを送るシーンを盛り込んでいたので、今回もあるかな?と思っていました。
理由は家康くんは頼朝くんをとても尊敬していて、日光東照宮には頼朝くんを祀っているから。
ただ、どうやって次作へ繋げるのかは想像もできませんでした。だって約350年ほどの時差がありますからね。それが家康くんを登場させるとは!これはウルトラC過ぎます(苦笑)
これができるのも脚本家の力技なのかな?と思わされます。
この大河ドラマは、毎回誰かが死んでしまう…という印象で殺伐とした雰囲気がありました。武士という暴力集団の階層が、権力の階段を駆け上り、約700年間継続した基礎づくりの時代を見せてもらったな、と思いました。
本当に毎回楽しみだった大河ドラマでした。