二次創作物ができるなど、妖怪という名のゆるキャラさにカワイイな、と思っています。
トップ写真は、ネット上にあった画像を自分でA4用紙にプリントしてモノ。
元は瓦版なので原本はもう少し大きいはずですが、これ以上大きく印刷すると画像が荒れて読みにくいです。
ゆえにこの大きさで原文を読んでみることにしました。
なお、読んでみようと思ったのは、現代語訳(意訳)はネット記事で見かけるけれど解読そのままの文を見つけられなかったからです。
まずは右側の瓦版本文から。

(1行目)
肥後国海中に毎夜光物出ル所之役人行
(2行目)
見るニづの如く者現ス私ハ海中ニ住アマビヱト申
(3行目)
者也當年より六ケ年之間諸国豊作也併
(4行目)
病流行早く私之写シ人々ニ見セ必得と
(5行目)
申立海中へ入■り右写シ役人より江戸江
(6行目)
申来ル写也
(7行目)
弘化三年四月中旬
残念…私にはどうしても1字読めませんでした。
瓦版だからと甘く見すぎた…。
瓦版は、江戸時代の新聞であり雑誌にあたるモノです。
市中の庶民向けに売られる面白おかしい読み物ですから、私も読めると思ったのですが、私の実力不足を感じました。
もしお分かりになる方がいらっしゃったら、ご教授ください。
また「早く」「必得」と読み解いた所も、文脈が通じないと思っているので、間違いをご指摘いただけたら幸いです。
内容の読み解きにもチャレンジしました。
(1行目)
肥後の国の海中に毎夜、光る者が出現するので、役人が行き
(2行目)
見ると図(づ)のような者が現れた。「私は海の中に住むアマビヱと申す
(3行目)
者です。今年より6年間は、諸国で豊作になります。併せて
(4行目)
病が流行したら私の写し(姿)を人々に見せてほしい」と
(5行目)
申し立て、海の中へ入っていきました。右の写しは役人より江戸へ
(6行目)
報告が来た写し(絵)です。
(7行目)
弘化三(1846)年四月中旬
アマビエちゃんの姿の上に押してあるハンコは蔵書印に当たるものです。

朱印は「京都/帝国大学/図書■■」で、■■は「所蔵」「之印」の意味に当たると思いますが、これも私には読めませんでした。
黒い蔵書印は、昭和17年5月30日に京都大学図書館がこの瓦版を受け入れをした日、もしくは資料台帳に登録した日を記録しています。
なお、現代の図書館や博物館等では、このように歴史的史料に直接ハンコを押したり、シールを貼ることはほぼありません。
もし現代の図書館や博物館で直接ハンコやシールが貼ってあったりしたら、それは再取得可能な資料と思われているモノでしょう。
さて、この瓦版が出た時代について少し調べたら、同年孝明天皇(明治天皇の先帝)が即位した年で、第14代徳川将軍の家茂、その御台所の和宮さまが生まれた年です。
幕末に向かって鎖国をしている場合では無くなりつつあるのですが、まだ危機感は無かっただろうな、という時代です。
COVID-19という名前のウイルスが世界を席巻していますが、アマビエちゃんがそのくちばしでパクパク丸呑みしてくれるといいのにな、と思ってしまいます。