今回も摘果作業です。
朝7時半から昼休憩を挟んで午後3時まで。
この日、私はずっと摘果作業でしたが、父は防除、母と兄は野菜苗の手入れで入れ替わり立ち替わり摘果、義姉が途中から摘果となりました。
私の実家では小さな野菜畑があって、野菜の自販機や夏の直売所用の野菜を作っています。
今は夏用野菜苗を植え付けるシーズンです。
父は元々野菜栽培や植木屋をやっている農家の出身。野菜作りはお手のものなのです。とはいえ果樹栽培でも実績を挙げた人なのでたいていの農作業はできるそうです。とはいえ、寄る年波には勝てないようでだいぶ動きは緩慢になってきています。
さて摘果はもう10日くらい続いている作業です。
雨の日は作業ができないのですが、今は中生種の作業なので、1週間ほど前とはちょっと様子が違うので写真を載せます。
↑人工交配で結実したところ。摘果前。
↓摘果後
同じ実の部分なのですが、雰囲気が随分違うでしょう?
中生種はこのくらいの大きさの果実を摘果してもいいそうです。
先週始めに作業したのは早生種で、結実してだいたい米粒くらいの大きさまでに一度目の摘果をしないと、大玉になりません。
中生種は、早生種よりも大きく育つので今の大きさで的確に見極めて大玉を残す方が収益性が高く生産ができます。
基本的には1か所から10粒くらい結実しますが、その中で1番大きな果実を残します。
この果実には理想的な形があります。
大きさがほぼ同じなら、理想型。
大きさが同じで理想型なら、軸が太いモノ。
1番大きくても傷や変形があれば2番目に大きなモノ。
2番目に大きいモノが2個以上あったら、軸がしっかりしていて、将来棚という金属線と干渉しない場所のモノ。
…
永遠にこういった条件を考えて残す実を選別します。
父に言わせると「いや、なに、簡単さ。やれば分かる」だそうで、摘果素人の私にはチンプンカンプンです。
でもホントに2日もやれば目が慣れてくるのか、私でもできちゃうンです。
多少の不慣れはあっても、できちゃうモノはできちゃうとしか言いようがありません。
この日は最大5人がハサミでチョキチョキと切っていくので、チョキチョキという音が鳴り響き合間に切り落とされた果実が脚立に当たってパラパラという音を立てます。
ハサミは以前ご紹介したクラフトチョキというバネなしのハサミです。
作業を続けていると、次第に切れ味が悪くなります。
これは果実の軸から汁が出てきて刃先に付着し、汁が酸化して黒く変色したり、その汁が粘つくからです。
切れ味が悪くなると手の筋肉に余計な負担がかかるので、時々切り取った果実を刃先にこすりつけると、粘つき(汚れ)が取れてまた切れ味復活です。
先週は同じ作業がいつまで続くのかな?と不安に思いましたが、実も大きくなってきて、成長の著しさを実感しています。
さて、バラ科の果樹は、葉っぱ何枚で1つの実を育てると思いますか?
品目にもよりますが、だいたい20~30枚で1つの果実を育てるといいます。
方言かもしれませんが、実を育てる葉っぱのことを「養いっ葉(ヤシナイッパ)」と呼びます。
今はまだ全部の養いっ葉が展開しているワケではありません。まだまだこれからワサワサと生えてきます。
実の数×20~30枚=1本の木の葉の数とはなりません。
実の他に、新梢(しんしょう)という次年に実を付ける枝を伸ばすための葉、来年の芽吹きのために栄養を蓄えるための葉、木そのものの生命維持や成長のための葉も必要になります。
これが春に一斉に生えて、秋には落葉するのですから、バラ科の果樹の奥深さを感じられます。
サクラもバラ科の植物ですが、春の花見シーズンがついついハイライトのように感じられますが、夏の葉っぱがワサワサしている姿は、私には春の一瞬に咲くための長い下積み期間のようにも思えてしまいます。
次回も楽しくお手伝いしたいです。
☆おまけ☆
果樹園の端でコンニャクのハナが咲いていました。
まだ臭いはしませんでした。
コンニャクの花は大変臭く、まるで下水のような臭い(苦笑)
その臭いをご存じの方は、この写真を見ただけで顔をしかめるレベルです。
私?もちろん写真を見ただけで、ウヘェ~、と嫌な臭いを思い出して感情をかき乱されます。
もう何年も前に亡くなった実家の飼い犬は、強い臭いに引きつけられる性格だったそうで、コンニャクの花が咲くといつまでもクンクンと臭いを嗅いでいたそうです。
先日、ご近所野菜農家の方に注文していたトマト苗を引き取りに行って、両親が植え付けました。
普通のトマト苗の倍くらいに育っていて、これで無事に育つの?収穫期は早まるの?と思ってしまいますが、多分例年通りの収穫期になりそう、とのこと。
こちらは写真の撮り方が悪いですね、サブ農産物の1つのブルーベリーです。
もう30年以上前に亡き祖父が購入した苗です。
祖父は育ててみたいから購入しただけで、収穫はもっぱら私専門。
あげくに祖父は食べてくれないので、私がひたすらジャムにするのですが、祖父は甘いものも苦手。
でも私に「ブルーベリー、採っておけ」とせっつくンです。
私の高校時代の夏休みの思い出には、ブルーベリージャム作りとそれを祖父にどうにか食べさせようとする攻防戦があります。
祖父の子ども時代、桑の実を食べると赤痢になるという迷信があって、赤黒い小さな実を食べることに抵抗感があったらしいのです。養蚕業をしていて、横浜港もそこそこ近い地域だからこそ出てきた迷信じゃあないかと思っています。
今は夏期の直売所で少しずつ販売しているサブ農産物の1つです。