元気でさえあれば・・・

　母が亡くなりもう３０年・・・。なんだか亡くなった人の年齢を数えるようで嫌だけれど、もうこんなに年が流れた。　亡くなった年の母の日は病院にいたので、カーネーションの花を買って主人と長女と一緒に病院へ行った。

　認めたくない、現実の出来事だと受け入れることのできない「母の死」を必死に否定しながら渡したカーネーション。　その次の年からは白いカーネーションをお墓にお供えするようになった。

　「生きてさえいてくれればいい・・・」ただただそう願いながら渡したけれど・・・。
心の中で様々なことをおしゃべりしている自分に気づくことがある。　「お母ちゃん・・・よ。」と。　きっと自身の最後までそんな風にしてあれこれ報告したり、相談したり・・・きっと続くのであろうと思う。　

　同じ思いを娘たちにさせたくないと思う。　少しでも日々を明るく見せていたいと思う。


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母の日・・・

　「何にも要らないよ。」

　娘たちの「母さん、何か欲しいものある？」と言う問いにこんな答え。　本当にそうなのだ。　もう物は十分足りている。　身近な品物・・・思い付くのは、お花、財布、バッグ、スカーフ、ハンカチ・・・などなど。　あるある・・・。　今から何年生きるかわからないけれど、十分足りている。　きっと全部思う存分使い切ることができないのではないだろうか。　自身でも購入、いただきものもある。　人間ある程度の年齢になると、そんなに必要じゃあなくなってしまう。　ちょっと前までは「あれもいいなあ・・・これもいいなあ・・・」でついつい買った。　でも毎日とっかえひっかえしても知れている。　傷んで「もう処分しよう。　いたしかたない。」とまで、早々にはならないものだ。　気に入ったものを、良いものを使う・・・。　

　まだ若い時分に、叔母や叔父たちから「これを上げよう」と言って、何やら大切にしまわれていたらしい品物を貰った折に、「えッ！！どうして・・・こんな素敵なまだまだご自身が使えるのに・・・。」と思ったことがあったなあとふと思い出した。　そうなのだ。　きっと今の私の思いと同じ！！？？
最近こんなことを思う。

　そこで母の日に欲しいものはないかと問われると、「何もいらないよ。　子供のころに肩たたき券などと言うのがあったね。　あんなのがいいねえ。」となる。

　そう言うわけで昨日は娘たちはあれこれ工夫していたなあ。　長女は夕食のごちそうだ。　デザート付きだ。　ミルクプリンにワインゼリーをのせて・・・ちょっとお洒落。　メインは酒粕を使っての料理。　ずっと「冷蔵庫の中を見てはダメ」と言い続けた理由が分かった。　漬け床を作りお肉を漬けていたのだ。　長女の料理は創作も加わり面白く美味しい。そして珍しいものが食べさせてもらえる。　大満足のお夕食であった。

　次女は朝から掃除・洗濯をパタパタとこなし、私に「休んで　休んで」と言う。　「しっかり休んでいるよ」と言いつつ、何やら手持無沙汰。　根がゴソの私には、これも大変なことである。　ずっと以前から気になっていたミシンでの繕い物やアイロンがけなど、娘たちの目につかない場所で作業。　そして思ってもいなかったプレゼントにビックリ。　夕食後、次女からここのところずっと私が欲しがっていた「健康スリッパ」をプレゼントしてもらった。　しっかり観察していたんだあ・・・。　
　
　二人して、とにかくゆっくりして・・・と言う。　そして昼食後は何をくたびれたのか何とも何とも2時間も寝入ってしまった。　実に良くないお昼寝？である。　でも夜10時にはぐっすり寝入った。　一体何に疲れていたのか。　お陰で今朝はとても良い目覚め。　　


　美味しい料理を食べて家事もせず・・・実にゆったりした母の日をプレゼントされた。　ありがたいなあ・・・。


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