万福寺 大三島のつれづれ

瀬戸内・大三島 万福寺の日記です。
大三島の自然の移ろいと日々の島での生活を綴ります。

宗祖ご正忌おわりけり

2010年01月19日 | Weblog
今年の親鸞聖人ご正忌法要も厳しい寒さの中終わりました。聖人ご往生から本年が748
年、来年から再来年の1月16日までが750回大遠忌法要の年に当たります。
 今日は坊守の属している句会がありました。少し紹介しておきます。

   ご正忌の一語一語にうなずきて      篤子

   小豆粥四肢温もりて法話聞く       篤子

   芹なずな夫摘み帰り三分粥        洋子

   ろう梅の今朝咲きそろう日の色に     宏子

   冬銀河十七才の犬召さる         千代

   三ヶ日豆乳キムチ美人鍋         敏子

   ワープロの賀状優しき言葉添え      文子

   境内に篝火焚きて去年今年        明慧

   お降りや小さな足も濡れてをり      明慧 

 画像は寺庭の姫沙羅の裸木です。姫沙羅の木は冬にこそより存在を発揮するようです。赤い木肌が暖かさを与えてくれるのです。
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菅 久夫さんの最後

2010年01月19日 | Weblog
 1月18日正午より宗方のご自宅仏間で菅久夫さんの葬儀を執行させていただきました。

お通夜にお参りをすると奥さんのヨシカさんが2ヶ月間県病院へ入院していたご主人久夫さ

んの様子を話してくださいました。

 救急車で入院し、主治医の先生も看護士さんたちも本当に良くしてくださいました。主人

は目が覚めているときはほとんどお念仏を申していました。また、時によるとお正信偈さま

をお唱えしておりました。「同室の方にご迷惑になるから・・」と申しますと「ああ、ここ

は病院なのだね、」とあまり声にならないように静にお念仏を称えるようになりました。私

や家族、お見舞いの方々に何度も何度も丁寧にお礼を申していました。15日午後4時33

分、主人は静に呼吸が停止しましたと私にお伝え下さいました。

 久夫さんありがとう。本当によくお念仏をご相続くださいました。本当にありがとうござ

いました。お浄土につつまれて生き、臨終の一刹那においてお浄土に融化往生させていただ

くことの有難さ、

 昭和59年の2月に久夫さんは新しくお仏壇をお迎えしてお入仏の法要をつとめられまし

た。その時のご法話にお正信偈さまの「摂取心光常照護」(せっしゅしんこうじょうしょう

ご。如来さまの私を抱き続けてくださってあるお慈悲からの光は絶え間なく照らし護ってい

てくださいます)についてお話させていただいたことでした。その時のことを私はとおに忘

れていましたが、久夫さん宅のご文章箱を開けてみますと、その折私に書いて下さいとの依

頼でマジックインクで書いた半紙が入っていました。「摂取心光常照護」と、噫々。

 奥さんのヨシカさんはこのように云われました「寂しくはなりましたが、心にかかること

はありません、ありがとうございました」と申されていました。

画像は西本願寺蔵の聖人清書本と伝えられる『教行信証』の正信偈摂取心光云々部分。
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