
3月のカレンダー
雪椿に大勢至菩薩和讃の一節が
3月のカレンダーは雪中に咲く「雪椿」が金澤慧光画伯によって鮮やかに画かれているその下に浄土和讃の末に編されています「首楞厳経によりて大勢至菩薩和讃したてまつる 八首」の最後の1首から引用されています。
念仏のひとを摂取(せっしゅ)して
浄土に帰せしむるなり
阿弥陀如来の大慈悲、誓願のおまことに触れた者は自然の理としてお浄土へと帰入させていただくのです。と、申されて次の様に和讃に歌われています。
大勢至菩薩(だいせいしぼさつ)の
大恩ふかく報ずべし
阿弥陀如来さまの大慈悲を観音菩薩さまが司り、深遠なお智慧を勢至菩薩さまが司ると云う「阿弥陀三尊」の形の御本尊がありますが、この勢至菩薩さまの生まれ変わられたのが「法然上人」であると上人ご在世の頃から云われていました。このことはご内室の恵信尼さまのお手紙にも出ています。この「浄土和讃」の最後に「大勢至菩薩和讃」8首が添えられていることは親鸞聖人がこの絶対他力のお念仏のみ教に遇うことができたのは偏に法然上人のお導きに依るのであり、このことは勢至菩薩さまの智慧の御働きとしか云いようがないことを表明されているご和讃であります。
事実、巻末に
以上大勢至菩薩
源空聖人(法然)御本地(ごほんじ)なり。 (注釈版「浄土真宗聖典」p577)
と記されています。
「歎異抄」の中には親鸞聖人はご師匠法然上人を「よきひとのおおせをこうむりて」と「よきひと」と終生慕われ、尊崇して行かれたのです。
親鸞聖人のご撰述にふれさせていただいていてしきりに感じますことは、はかり無く広くて深いと云うことです。そしてどこをふれさせていただいても聖人の体温といのちの鼓動が伝わって来ることです。