memory of caprice

浮世離れしたTOKYO女子の浮世の覚書。
気まぐれ更新。

作家の読書体験~大河・歴史小説~

2012-06-24 07:17:37 | BOOK
作家の読書道というインタビューぺ-ジがブック・アサヒ・コムにあるが、
このコラムが時々はっとするほど面白い。

現在活躍する作家が自らの読書体験を語るのだが、
ライトノベルズの作家が、骨太な歴史小説を読破していたり、意外な面が観られるのと、
ハイレベルな読書家として、興味の方向性に沿って系統だって選び抜いた本が提示されると
そこに唸らされたり・・というところがあって、なかなか参考になることが多い。

今回の須賀しのぶ氏は上智大学史学科卒業。
1994年「惑星童話」でコバルトノベル大賞読者大賞受賞。
「キル・ゾーン」「流血女神伝」などのヒットシリーズを持つ。

■小学高学年で「三国志」にはまり、そこから柴田錬三郎や陳舜臣の「三国志」や「水滸伝」に行きました。

~その後、女性が活躍するものは・・・とはいからさんが通るやコバルト文庫へ。

■コバルト文庫以外では?

トーマス・マンです。
中学一年で「ト二オ・クレーゲル」を読み、ひたすら読み漁りました。
「ブッテンブロ―グ家の人々」や「魔の山」も好きでした。
そこからハイデガーやニーチェ、ショーペンハウエルといったドイツ哲学へも行きました。

■軍隊や戦争

ニーチェたちを読んでいるとだいたいナチスに行きつくんですよ。
じゃあなにか読んでみようかと思って高校生の時にウィリアム・L・シャイラ―というアメリカのジャーナリストが書いた「第三帝国の滅亡」を読んだんです。これがべらぼうに面白くて。一気にドキュメンタリー、歴史のほうに行きました。


■史学科に進んだ大学時代の読書

サミュエル・ハンチントンの「文明の衝突」は元の論文が発表されたのが大学生のときで結構な衝撃を受けたのを覚えています。
小説でいちばん衝撃を受けたのはアゴタ・クリストフの「悪童日記」。
史学科で最初に習うのは、史実は史実として見ろ、ということなんですが、アゴタ・クリストフはそれを文学にしています。
あとは須賀敦子さんにはまりました。優しいけれど諦めがあって透明な感じがすごくよかったんです。

■最近の読書生活

ノンフィクションで面白かったのはト二―・ジャッドの「ヨーロッパ戦後史」。
小説はナチス・ドイツを題材にしたジョナサン・リテルの「慈しみの女神たち」と、フェルディナント・フォン・シ―ラッハの「犯罪」。「犯罪」は文章のそぎ落とし方がすごいですね。




高峰秀子のレシピ

2012-06-24 07:04:21 | BOOK
向田邦子の料理本を始め、何か持っている凛とした昭和の女性の料理本は概して面白い。

このほど、女優、高峰秀子の料理本が出た。
買わなくちゃ。そのうちに。

「高峰秀子のレシピ―『台所のオーケストラ』より」
高峰秀子著 \1785 ハ―スト婦人画報社

お亡くなりになったのが一昨年の2010年。
エッセイストとしてもすぐれたものを残した氏の著書の一つが
30年前に出版された「台所のオーケストラ」

好き嫌いの多い夫・松山善三のために心をこめて作った和洋中57の料理に
歯切れの良いエッセーが添えられてすでに100万部を超えるベストセラーになっている。
これに、当初はなかった料理の写真を添えて新装出版されたのが今回の本。

紹介されているのは飾り気のない、
グリーンピースの煮物や鮭の炒り煮など、「買い置きの材料を使ってチョコチョっと作れる」
ものばかり。
しかし、シンプルながらいかにも美味しそう。

努力家で思慮深かった彼女の人柄が、
子供の頃の思い出、夫との暮らし、海外での体験などが散りばめられた
軽妙なエッセーからしのばれる。

「物語のあるレシピ」贈り物にも良さそう。