MARINKA日々の記録

2019年4月男児出産しました。
主に育児記録になったけど時々読書、毎日のごはんも。

繰り返す引っ越し鬱

2017年08月17日 | 読書・映画

引っ越して2年目ですが実は引っ越し当初から引っ越し鬱っぽいです。


ここに居ないと色々難しいので今は移住できないし~
大丈夫よ住めば都よ


なんて自分に言い聞かせてるけどまぁ定期的に気分の浮き沈みは未だにきます。



正直言うと広島市内に帰りたい




そんな時は地元好きなのに県外の辺鄙な場所へ行く羽目になった友人たちの方が
もっと大変な思いをしているんだから!と考える




横浜へ引っ越した時は遠い縁もゆかりもない地で最初こそ寂しかったけど
やっぱり都会だし楽しい仕事もたくさんあったから楽しかったんですよね(^_^;)






麦秋(ばくしゅう)という映画がとても良かったです。




1951年の小津安二郎監督作品。



東京の都会的な28歳の女性(原節子さん)の結婚をどうするか、
というのを軸に家族の様子を描いた映画です。

28歳は当時行き遅れ、女性は歳を取ると本当に働く場所なんて無かったもんだから、
結婚は文字通り死活問題



いつまでも片付かない娘を心配して兄や両親が良い縁談はないか~とやきもき

良さそうな人との話が舞い込んで喜ぶも、相手方の年齢が40代と分かると途端に難色を示す両親





でも結局、以前から好きだった男性と結婚することに決めた娘
その相手というのが子持ちで、しかも3、4年は秋田へ転勤することとなったので
結婚と同時に秋田へ行くことになります。


それを知った時の両親の絶望した表情と「何も相談せず一人で勝手に決めるとは!」と怒る兄。


当時の秋田は新幹線も通っていないし
東京でちょこちょこ通っていたモダンな喫茶店もショートケーキもないでしょう。

3、4年とは言ってももしかしたらそれ以上かずっとそこにとどまるかもしれない、
下手すりゃ一生会えないかもしれないと思うでしょうね



娘の結婚相手は両親兄弟が探して、
初婚・身元はちゃんとしているか・年収は……と吟味して男性を選んでいた
この作品の公開当時の時代背景を考えると凄く先進的な女性のお話みたいです。



ちょっと音割れしていて聞きづらい箇所もありますが
リマスター版で映像はとても綺麗


なにより原節子さんが美しすぎる

モナリザもそうなんですが、斜視のところに人間は凄く惹きつけられるそうです。





でも東京の都会に住んでる女性が秋田で…
絶対ホームシックになるわ


なんて今の私はやさぐれた見方しかできないけど
結婚後の事はこの作品のテーマではないので野暮なことは考えてはいけません









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2017年度7月の読書

2017年08月11日 | 読書・映画












失われた時を求めて 8巻/プルースト




8巻にきて急にまた分厚くなりましたが、とても面白い巻でした。
囚われの女—という副題だけど主人公も嫉妬に囚われていて、アルベルチーヌを軟禁状態に…
初めて出会った頃とは違って物凄くアルベルチーヌ偏愛
もうアルベルチーヌのことしか考えてない。

ドストエフスキーに関する事もちょっと出てきて、嬉しかった

そしてシャルリュス氏の立場の崩れていく様がこの巻のもう一つの見どころですね。
好きな人物だっただけに、ショックです












アンナ・カレーニナ 上巻/トルストイ


ロシア文学好きと言っておきながら
実はトルストイはまだ読んだことありませんでした

作者は男性ですが、女性の繊細な感情がとても丁寧に表現されていて凄いな~と思いました。
脇役不在どの登場人物も心情が全部書かれていて、誰の立場から見ても同調できるというか、
人間って確かに誰しもがこういうもんだよ…と感情移入できました。
だ~れも悪い人がいないんですよね仕方ない事ばかりです。


とても面白くてスラスラ読めました。

というより、失われた時を求めてが癖のある文章なので他の本が軽く見えるのかもしれません…






























アンナ・カレーニナの下巻を読んでいる最中に、あるシーンでふとカフカの「変身」が
一体何の話なのかが急に理解できました。



「変身」を最初に読んだのは中3で、それ以降数年おきに読み返し、9回程読んでいます。
人生で一番読み返した回数が多い小説です


でも今までは何の話だかよく分かってなかったんですけど…
アンナ・カレーニナでストンと納得のいくものが入ってきました。



何なのかは長くなるのでまた今度にして、他の本を読んでいる最中に別の作品が急に理解できるなんてこと初めてでした
読書って面白いな~

「理解」っていうのもあくまで個人的な解釈ですが





「変身」は角川文庫選んで良かったなーと思っています。
抱き合わせで入っている「ある戦いの描写」という短編が凄く面白いんです


「変身」以上にわけのわからん作品で、読者に分からせる為に書いてないだろこれと思います。
でもそれでも妙に魅力があって惹きつけられるので、そういう作品を生み出せるカフカは本当に才能あふれる作家さんですね~









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