ウチは母が魚嫌いなせいか、子供の頃食卓に出る魚はみんな切り身でした。
塩鮭、麹漬け、西京漬け、みそ漬け、そんな感じの切り身のバリエーション。
なので、魚嫌いな子供で、お寿司屋さんに行っても巻物や、卵、食べても烏賊や蛸、
マグロくらいのものです。
でも、マグロの中トロなどは美味しいとちゃんと判りました。
私と弟が小学生の時一度だけ父に、本マグロの大トロを食べに連れて行って
もらったこがあります。
店はあまり記憶にありませんが、料理屋さんというよりはお酒を飲みに行くところ
というお店でしたか。
築地で仲買をやっている人の店だかで、他よりも新鮮で良い大トロが安めに
食べられるということで、子供でも美味しいものはちゃんと味を知っていたほうがいい
とか、そういう事だとおもいますが、連れて行ってもらいました。
それは、本当に美味しくって、美味しくって。
口の中に入れると溶けていく魚の脂の美味しさ。
美味しかったという記憶は今でも残っています。
しかしながら、その後もマグロ以外の生魚は相変わらず嫌いでした(生臭くって)
その後、大人になって、出張で色々なところに行くようになり、その土地で新鮮な
魚を口にするようになると、魚の美味しさがわかってきます。
日本海の寒ブリ、鯵の刺身、結構光物が好きだった自分にびっくりします。
これは大人の味覚になったのか、地の物の美味しいものを食べたせいか?
子供の頃にこういったものを食べていたら、結構自分の魚に対する味覚もまた
変わっていたかもしれません。