わたしは、父が今でも何故か好きです。
多分、真面目に正直に生きてくれたからだと思うのです。
父は「正直」の上にバカが付くぐらいの正直者でした。
私は末っ子で両親、兄弟の行動をじっくり見ているような子でした。
父は、わたしによくこんな事を言っていました。
「00、女に生まれてきて損をしたな、今度生まれてくる時は男で生まれて来いよ!」
わたしは、どうしてそんな事言うのか分かりませんでした。
「どうして、わたし女で良いけれど」 「女は損だ、男は得だからな、世の中を見てれば分かる」と大正生まれの昭和・平成時代を生きた父はよく言っていた。
どうしてそんな事言うのだろう、女の何処が悪いの?と幼かった私はいつも思ったものでした。
父の頭は「男尊女卑」 それでも娘は可愛いのだろう「おまえが男だったらな~」と女より男を重要に思っている様子。
そんな事で男、長子、跡継ぎを大事にした両親でした。
結果、長兄は我が儘息子になり、父の誤算なり。
兄は自分だけ特別扱いを好んだし、親も跡継ぎだから仕方がないと思っている様子でした。
大事にしながらプレッシャーを与え過ぎて、結果虐められちゃったね、この事は父の誤算 でした。
「女は損、生まれ変わったら男に生まれて来い!」と言ってたけれど私は 「男ではなく 女で生まれて良かったと思っているのよ」
確かに男、おとこの時代だったから兄達を見ていて、不平等だなとは思っていたけれど女で生まれてきたのだから女で良いと思っていた。
「女で可哀想!」
これは、父の勘違いでした。
女では駄目という考えは、今思うと失礼な話しだよね。