ここ数日、目まぐるしく世界や日本の情勢が変わっている。
大きな変化の中でも大きな変化は、2021年の、アメリカ大統領選の結果だ。
バイデン氏の大統領就任、そしてトランプ氏の敗北。
話は突然、がらりと変わるけれども、ぼくは青年期にモダンジャズという音楽に取りつかれてしまい、すっかり好きになり、それでジャズの名盤を、70年代からだが当然CDはまだ世に出ていないころだから、レコードで聞くことが多かったね、聞く…というよりも聴くという具合でしたかねえ。なかでも、当時街にあった、ジャズ喫茶という空間に行って聴くことも多かったかねえ。皆さんくらい狭い空間で、腕組みなどをして聴いていたような記憶があります、まあ今なら、暗いという一言でかたずけられるような世界だったと思う。
当時、もっとも聴いたジャズミュウジシャンは、ジョン・コルトレーン、ほかにも多数いたけれども、ウェストコーストを除き、圧倒的に黒人のジャズメンが多かったのではなかろうか。その後に、植草甚一氏の本などを好んで読むようになり、チャールス・ミンガスなども大好きになるし、マイルス・デイビスなどにも惹かれていいたのですね。
サラリーマンになってお金をためて、やっとJBLのスピーカーを買って、狭い狭いアパートに無理やりセットして、当然アンプやなにやらを買ってそろえたのだが、よく買えたなあといまでも不思議に思います。安月給で、・・・。山水の一番高級なアンプやらを買ったのだ、そしてレコードで、ジャズを聴いていたという今より豊かな生活を送っていたのかあ。狭いアパートがより広いアパートに移って、ますますレコードを買いためていったのだったかなあ。
で、当然ぼくの好むミュージシャンはほとんど黒人ばかり。セシル・テーラー、エリック・ドルフィー…もう今でも最も大好きなミュージシャンはこのころからぼくの中では決まっていましたかねえ。
さて、トランプ氏とそのコアの支持者たちのことであります。
つまり、ぼくら日本人のジャズ愛好家には全然偏見がない、黒人だろうと白人だろうと素晴らしい音楽を演奏する人々を好んで聴くという具合である。
数十年経って、ジャズの名盤と呼ばれるアルバムは、なぜか、ヨーロッパで発行発売されることが多いことに気が付いた。ようやくのんびりしたぼくが気が付いたことでは、どうやら、ジャズという極めて広い層から好まれている音楽アルバムは、なぜかアメリカでは一部の白人層に嫌われ、嫌われるから、発行、発売されることも少ないとか聞いたことがある。そう放送で発言したのは有名な音楽評論家である、ぼくもこの方は信頼できる人だと思うからそんなことが心に残りましたっけ。ピーター・バラカン氏である。ジャズコンサートにしてもそれは言えそうである・・・なんという事かと思いましたよね。
ジャズの名コンサートや、名盤アルバムはヨーロッパで開かれたり、作られたりしたものが多いはずである。もちろん、ニューヨークやほかの都市では、ジャズクラブがあり、その中で演奏されたり、その名演をアルバムとしてつくられたりした例もぼくも多く知っている。
でも、アメリカ国内には・・・信じられないことに・・・
嗚呼、そんな事情は、モダンジャズに限らないようである。
ぼくは、ブルースという音楽も大好きである。
マディ・ウォーターズ、アメリカの、いえ、世界のもっとも偉大なぼくが思うにはですよ、ブルースマンである、そんな、マディさえも、ヨーロッパやアメリカ以外の国では大人気なのに・・・
哀しいことである。
そういう事情が、トランプ氏の敗北によって少しは変わるのではなかろうか?
そう、ぼくは思っているのでありますね。
( 念のために追記しておきますが、アメリカ政府も、マディ・ウォーターズの素晴らしいコンサートを世界中で行っていることであります。)
そんなことも今度の大統領選挙で考えたりいたしました。
フォト・文 石郷岡まさお
日本のトップデザイナーでおられた勝井先生がなぜ?
その顛末は項を改めて別の機会に書きましょう。
ぼくは、勝井先生に大変お世話になりました。