ようやく春を実感できるようなあたたかいよく晴れた日に、散歩できる幸せ。
思えば、今年は、
写真を始めて 35年目にあたり、初めての個展から30年目にあたる年であった。
1987年3月、ところは東京新宿で
はじめて個展なるものを開いたのでした。
その頃、毎日小さいクルマを走らせて、写真の売り込みに走っていたのだと・・・
あるデザイナーの事務所におじゃますると、そのデザイナーは某団体の印刷物を
一手に任せられていた人で、その若いデザイナー氏曰く、やっぱり写真をやる人は
個展を開くべきですと、というのであった。
個展?
考えたことも無かったですねえ、
其れでさっそくプライベートな写真を何百点もまとめて、某カメラメーカーに聞いた
大物のデザイナー先生の事務所を訪ねたのが個展を開く1年前。
築地の大物のデザイナー先生は、タバコをくわえながらぼくの写真をずーっと見ていた
と思う。ぼくは借りてきた猫のようにタダひたすらおとなしくジッとしていたっけ。
タバコの灰がただただ、大事なポジフィルムに落ちないかとそれだけを気にしながら。
不思議なことに断じてタバコの灰はポジフィルムの上に落ちてこなかったなあ。
超売れっ子の アイドルやタレントを数多く撮っていた髪がワーッとパーマで膨らんだ
有名なカメラマンのプロヂュースもこのデザイナーがやっていたとか聞いていたが
貧乏なカメラマンであるぼくには、新人のカメラマンがそんな大家のデザイナーに
個展をプロヂュースしていただくことのどういうことかはまるで分からなかった。
が、とにかく、即決で、来春に個展をやるということが決まった瞬間でありましたね。
デザイナー氏の一言、
「この写真は、生理で撮っているね」という玉田顕一郎先生の一言が気になってはいましたがね。
前半 ここまで
( ご注意 アップした写真は個展時に発表した写真とは異なります。)
文・写真 石郷岡まさを
フォト・文 石郷岡まさを