藤圭子という歌手は、他の歌手の歌を歌わせても絶品だった。
何回、ううむとうなったことだろう。
一般に、大ヒットを出した歌手というものは、大ヒットの歌をさらに独特の
味に仕上げ、磨きをかけてさらに独特のその人だけの唄に仕上げるものだ。
藤圭子という歌手は、カバーも魅力、であった。
いくらでもその例を挙げられるが、
布施明「 霧の摩周湖 」などもそのホンのひとつの例に過ぎないだろう。
こういうこと言っちゃあ大変に失礼なのだがご本人の唄より好きだと思うこともありました。
カバーの曲も魅力、例はいくらでも挙げられる・・・
情感をこめるこめ方が、歌手それぞれに違うように、
ぼくには藤圭子の歌がより胸に届いたということなのか。
こんな、売れてなおかつ多くのファンをひきつけてやまない大歌手が
其の死に方は、ハッピーなものを感じない。痛ましい思いすら・・・
ぼくが好きな、1971年のリサイタル実況版を聞いて
今夜は一人静かに、藤圭子の天国に行かれることを祈りたい。
畠山みどり「出世街道」
この曲も大好きなのでありますよ。
今の人は知らないかもしれないけれども、レコードの売り上げ、オリコンヒットチャートの第1位を20週以上も続けた新記録を持っている人である。確かこの記録はいまでも破られていないはずだと思ったが。
そうして見事大好きな歌で大成功され、富も名誉をも手に入れられたのだろうが、どこかでご本人の幸せは・・・?こんなこと第三者が言うことではないが、ファンとしては声が出なくともただ生きてときどきその幸せそうなお顔をファンに見せてくれたらあとは何もいらないとすら思った。
ぼくが、光文社の「宝石」で口絵のグラフとして、記事にして載せていただき、その号が大変な反響があったと編集部のデスクから聞き、やっぱり嬉しかったことなどを思い出すのだ。読者は、本当に眼が肥えていると思った。
どちらかというと、ぼくが大好きだったから取材し、雑誌のグラビアに乗った珍しい例だった。やったぁ、と思いましたね。
娘さんを何とかヒットさせたくて、あちこちに売り込みに一所懸命だったと聞くが、この得がたい歌手は、まずはもっともっとご本人のしあわせを追求して欲しかったなあ。一人のファンとしては、どうしてもそう思ってしまう。
nhkの、お盆などにやる歌番組に、70歳になっても80歳になっても出てきて歌って欲しかったなあ、何故ってファンってそういうものでしょう?
嗚呼、この人がかって昭和の歌姫、演歌の星といわれた人なのかと、伝説は引き継がれて、そして本当にレジェンドになって欲しかったなあ。
でも、この人の歌に100パーセント癒されたぼくのようなものには
いくらでもこの人の残した歌という作品を愉しんで、青春の思い出としよう。
フォト・文 石郷岡まさを
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