短大教授の哲也とその教え子だった涼子。
親子ほどの年齢差ではあるが、
哲也は涼子にぞっこん。
謝恩会で気分の悪くなった涼子を介抱するために
休むべく立ち寄ったホテルで結ばれてしまう。
子供が出来てしまい
シングルマザーにするわけにもいかず、
堕胎も母体に危険なこともあり
涼子の両親は渋々と結婚を許す。
哲也は三年前に事故で妻を亡くし一人暮らし。
一人息子の剛は司法研修生として
現在アメリカに留学中。
結婚式でも哲也は新郎の父と間違えられる。
誰もが哲也の息子・剛を新郎と思う。
その3ヵ月後、涼子は女の子を出産。
まゆと命名。
哲也はまゆベッタリの子煩悩。
孫みたいなまゆが可愛くてしかたない。
一人娘のまゆは幼稚園に通うようになるが、
園の親たちと哲也とは年齢差もあり、
まゆ親子と他の園児親子とは
なかなか親しく付き合うことができず。
園児の父親に
「まるで上司といるみたいだ」と哲也は煙たがられる。
園児たちもまゆに対して
「どうしてまゆちゃんちはいつもおじいちゃんなの?」
と言われ、
まゆも運動会などで哲也と一緒の競技を嫌がる。
「剛お兄ちゃんと一緒がいい」と
剛と一緒に行動することを望む。
ある日
哲也と涼子とまゆが外出。
あれこれ注意する哲也をうるさがり、
嫌がったまゆは哲也の手を振り解き
赤信号で車道に飛び出してしまい、
宅配便のトラックに撥ねられる。
完全な子供の過失のため、
哲也は告訴せず。
執行猶予付きの判決が下る。
土下座して大粒の涙をこぼしながら
詫びる一樹。
が、涼子はまゆを失ったことを諦めきれず、
相手を許さず。
加害者の若い宅配便ドライバー・一樹は
弁当工場に勤める母と二人暮しで
宅配便会社に勤務をしながら
教師になるべく通信制大学に通う苦学生。
給料から毎月毎月決まった金額を
送金してくれた。
それでも涼子は
「お金なんか送ってくれなくていい。
まゆを返して! 人殺し!」
と一樹を憎んでいた。
が、まゆを失ったことで
哲也と涼子の間に溝ができ、
夫婦生活もうまくいかなくなっていた。
一所懸命な一樹の態度に
涼子は次第に心惹かれていく。
一樹も涼子が気になっていた。
が、哲也の手前
二人はお互いの気持ちを打ち明け
付き合うことはできず。
そんな二人の気持ちを知った哲也。
涼子が心から一樹を好きで
一樹も涼子のことを愛している。
二人が本当の恋をしていると知り
涼子に本当の幸せを掴んでもらいたいと願いつつ、
涼子に離婚届を渡す。
「この結婚には初めから無理があったんだ。
まゆもいなくなったことだから、
もう私に我慢していることはないんだ」と。
今までと比べて
決して裕福な暮らしではないが、
一樹と一緒になることを決意した涼子。
「まゆちゃん、いいよね。
ママと一樹さん一緒になっても」
まゆの墓前に手を合わせ
一樹との新たな出発を誓うのだった。
【キャスト】
哲也…筑紫哲也
涼子…広末涼子
剛……草剛
一樹…沢村一樹
