銀の砂時計

Elegant~美しい旋律に調和する良質な風景・生活空間を求めて

今年も行けなかった「恋風」桜の季節

2006-04-02 18:27:06 | 映像空間
私の地域では、今年の桜も終わろうとしています。見に行くことの無かった桜は、おそらくこの雨でもうお終いなのではないかと・・・

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桜の花は嫌いではないけれど、春だからといって全然ウキウキ気分になれません。秋冬仕様の人間ということもあり、あまり春が好きではないのです。

以前、某大学の外国人先生が「日本の春は残酷だ」と言っていたのが心に残っています。大学新入生と願いの叶わなかった受験生とを一緒に見かける4月は悲しい・・・という内容だったかと思いますが、背景は違うにしても、どうも好きになれない季節です。大嫌いな夏が迫ってくるという圧迫感もありますしね。

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そんな私でも桜の季節に行ってみたい場所がいくつかあります。その一つが引地川周辺に展開する千本桜の並木道。なぜ、引地川かというと、「恋風」というアニメの設定になった風景の原形がココにあるようなのです。それで・・・

私にとっての「恋風」は、失われた幼い頃の記憶を背負う兄妹を扱った作品でした。印象的に扱われる江ノ電や街の風景は、記憶の欠如という点で、静かに迫ってくる「重さ」を感じさせるに充分な描き方で、今でもDVDを見直してしまいます。風景の設定になったのが、江ノ電・腰越地区や引地川周辺だということを知って、鎌倉文学館に行くついでに実際に歩いてみたことがあります。

丁度、行ったのが夏の終わりから秋にかけてでしたが、引地川の辺にたった時の衝撃は今でも忘れません。第8話で耕四郎が家へ帰る道筋、木の葉が川面に落ちて波紋を広げる、そのイメージがそのまま目の前に展開されたようで、感激を通り越して重圧に圧迫される思いがしたものです。そして思い起こされたのは第8話で扱われる過去の記憶と現在のモザイク模様。台詞無しで回想されるシーンのバックで流れる曲が、サントラ収録の「桜道~風に舞う息吹たち」という曲・・・幼い頃の七夏の笑顔・机に置くコップがあまりに多くのことを象徴していました。実際に引地川に行ってみると、その第8話で描かれている心が涙するシーンに直接であったかのような錯覚も覚えました。




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その引地川周辺は桜の名所ということで、桜の季節はたいへん美しいそうです。おりしも「恋風」のOPで七夏が歩いているのは、桜の季節。実際に桜の季節にその空気に触れてみたいと強く思っているものの、残念ながらなかなか行けないでいます。

春の桜の咲いている時に、この場所に立ってみたい・・・再び、それが来年へ持ち越しの願いとなった今年の春です。




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