くるりぴょん、くるりこぴょん

忘れっぽいわたしのための記録。何年か先に、振り返ることのできる思い出を貯めるために。

お母さん

2020-05-09 23:50:00 | お母さん
2月初めの受診から3ヶ月空いての診察だった。病院脇の車寄せにコロナ感染者の受け入れ用のようなテントが並んでいてちょっと怖い。

入り口には守衛さんが番号の書かれた小さな紙をくれて、番号の順に体温計を渡されて検温。お母さんを迎えに行った老健もそうだったけれど、その体温計が脇の下で計るタイプ。都度消毒してくれたけれど、最近自分の受診で通院した2ヶ所の病院は非接触型の体温計だったのでなんとなく気持ち悪いと思った。


診察室のドア横にあるパネルに受付番号が表示される。お母さんは糖尿病型緑内障のせいで右目の視野がほとんど欠損しているため左目だけで見ているが、裸眼でもよく見えている。コンタクトレンズを入れているわたしより見えている。

お母さん:「お母さんは何番だ?」
わたし:「13番だよ」 
お母さん:「嫌な番号だな、絞首刑だ」
わたし:「デスバーイハンギング!(death by hanging!)ってやつ?」
お母さん:「そうだ。絞首刑台までの階段は13段なんだぞ、知ってるか?」
わたし:「何かで読んだか聞いたかしたけど、それほんと?」
お母さん:「・・・」

お母さんはたまに無言になる。しばらくすると、また繰り返す。お母さんは何番だ?13番だよ、絞首刑だ云々。今回は4回くらいリピート。話す内用があまり気分のいい中身ではないから、わたしはなんとなく小声になるけれどお母さんはお構い無し。昔からお母さんは日本史が好きで、開戦から終戦、終戦処理にも詳しい。巣鴨プリズン系も得意だから、13階段の話もあながち間違ってはいないのかもしれない。ちなみに池袋にあるサンシャインシティは巣鴨プリズンの跡地。巣鴨なのに池袋。

これまで担当してくれたN村先生は転勤してしまい後任のY下先生とご挨拶。

先生:「担当のY下です」
お母さん:「どーも。よろしく」

なんとなく上から。

先生:「どうですか?痛みますか?」
お母さん:「まあね、たまにね」
先生:「転んだりしてませんか?」
お母さん:「たぶんね」

怖いものなしだな。

先生:「レントゲン見ても新しく骨折はしていませんから、このままコルセットはしなくて大丈夫ですね。つけっぱなしだと筋力落ちてしまうので」
お母さん「・・・」

先生:「では。次回は3ヶ月後、骨粗鬆症のお薬と痛み止出しますね」
事務の女性:「次回は8月7日です
お母さん:「どーも。お世話様でした」

+++++++++++++++++
3ヶ月ぶりに会うお母さんは、また少し痩せたような気がした。老健では4人部屋、食事のテーブルもその4人で、毎日楽しくお喋りをしているそうだ。みんな認知症なので同じ内容を繰り返しても、今初めて聞いたかのように反応して話が尽きないらしい。

老健は室温管理がされているのでそんなに必要ないかもしれないけれど、冬物の服しか預けていないので、夏物の服を用意して預けた。受付までしか入れないので、スタッフのお兄さんにお願いした。持ち物には全てに名前を書く。わたしたちが子供の頃、幼稚園や小学校へ上がるときにお母さんが書いてくれたように。

お母さんは特養老人ホームにはまだ入れないけれど、老健に入れることができて良かった。管理されているからだけれど、体重も減り顔色も良く機嫌も良い。もしも家にいたらどうなっていたことだろう。そしてこのコロナ。考えるだけでも恐ろしい。お陰様でお母さんは元気に暮らしている。ありがたい。

エゴノキの花が咲いていた。下を向いて咲く白い花。エゴノキは5月7日の誕生花で花言葉は壮大だそうだ。種はヤマガラの好物らしい。



発掘現場から出土(青い海)

2020-05-09 22:21:00 | 発掘


この休み。家族ラインのアルバムをたまたま見返すことがあって見つけた5年前の夏休みに撮った画像。

プルフンティアンもしくはペルフェンティアンと呼ばれる島で、コテージから隣のビーチまで行く間に撮ったもの。

青くて美しい海は数あるんだろうけれど、ここの海は特別。なぜか?

ここのウミガメがわたしに泳げるようになった方がいいと教えてくれたからだ。

海しかない島で5日間、どうやって時間を潰そうか真剣に考えていたけれど、嫌々参加したシュノーケリングでウミガメを見た。

みんなは「わー、ウミガメだー!」と適当に見たら次のスポットへ行ってしまったけれど、わたしがどんなに頑張ってばた足を繰り返してもウミガメの真上から動けず。

そうこうしているうちにウミガメが浮上してきた。このままじゃウミガメにぶつかるー!と焦っていたらウミガメの方がわたしを避けて遠くに泳いで行ってしまった。

お陰で参加者の誰よりもウミガメを間近で見ることはできたけれど、ウミガメを見送りながらこんなんじゃダメだ、日本に帰ったらHくんに水泳教わろうと決意するきっかけとなった出来事。

わたしはガラケーでいいやと思っていたのに、ミャンマーでどのミャンマー人もiPhoneを使いこなしているのを見て帰国早々iPhoneを買いに行ったときと一緒だ。

きっかけなんてそんなもの。そんなもの?

島へ行く船の待合室。ベンチの下に犬がいるのかと思ったら金髪の坊やだった。どでかいチュッパチャプスを持っていた。


島では可愛いサメになっていた坊や。もう10歳くらいになっているかな。









ジーザス!お陰さまで^_^(内科)

2020-05-09 17:17:00 | 病院


相変わらず、コロナの影響で病院は空いていた。予定よりも少し早く着く。CTの順番待ちはなくてあっという間に呼ばれた。服も下着も金具なし。検査着への着替えがないので楽ちんだ。
夕方の撮影だから、お昼を食べないでと言われ、はいそうですかと従ったけれども。よくよく考えみると、前回は動く臓器を見るためで、ご飯を食べてしまうと胆嚢がぺっちゃんこになるからであって。今回は別に胆嚢をみたいわけではないからお昼ご飯食べたって良かったんじゃないかと思いつつ画像を撮ってもらうために横になる。

まだ1年生か2年生くらいの若い兄ちゃんが、頭はこの辺で、足はこの辺で、腕は頭の上でとガイドしてくれた。動いちゃいけないと言われたのでじっとしていたのに、しばらくしたらさっきの若い兄ちゃんよりはお兄さんの兄ちゃんがやってきて体勢を直された。動いてないのにやり直し。どうやら少しくの字になっていたらしい。でも、少しくの字にしたのはさっきの若い兄ちゃんだ。

撮影が終わって診察室前で呼ばれるまでの時間。わたしの中では後腹膜ガンで死ぬのだと決まっていたので、思い出した時のルーティンワーク、いつもの堂々巡りをしていた。

人は遅かれ早かれ死ぬんだし、生まれてくるときも1人、死ぬときも1人だ。幸い、マイケルは元気だし、ミルキーも手に職をつけた。ミルキーは結婚できなくても1人生きていける。結婚して夫に恵まれなかったとしても、わたしの友人たちのように経済的な理由で離婚を諦めることはないだろう。シングルマザーになっても子供1人くらいなら養えるはずだ。

心残りはお母さんだけれど、こちらも幸い認知症だ。娘が自分より先に死んだとしても、わからないし覚えていないから、くるりはどうしたといつまでも弟たちに繰り返し聞くんだろうな。

やり残したことは思い浮かばないけれど、やっぱり孫の世話をしたかったなあ。それから水泳。ちゃんと4泳法習い終わって吉永小百合さんの真似事をしてみたかった。

そこそこ幸せで、不平不満は言い出したらきりがない。でも、もしもやり直せるなら14歳くらいに戻りたいな。なんとなく。

財産はないから遺言も必要ないけれど、一応感謝のお手紙は書くべきだろうか?マイケルとミルキーとアメリカのおばちゃんと弟たちはどうしよう。意外と少ないな。友達はめんどくさいからラインでいいかな?

あー遺言なんかより、在宅のうちにさっさと部屋を片付けなくちゃだ。わたしにとって大切なものでもお他人様がみたらゴミとガラクタだ。いくら家族でもたくさんのゴミ出しは気の毒というもの。。。

++++++呼ばれた++++++

Y田先生は俳優の山崎樹範さんに似ている。大人しそうで、優しい感じ。3ヶ月前の画像と今日の画像を見比べている。

「腫瘍の育ち具合を画像で比較させてもらいました。こっちがお腹側でこっちが背中側ですね。で、これがこの間の腫瘍で、こっちが今回の腫瘍、」

この間は患者さんに腫瘍っていうとびっくりしちゃうから使いたくないと言っていたのに、今日は普通に腫瘍と連呼している。

「うーんと、あれ?」

先生は今日の画像をくるくるスクロールして腫瘍の始まりと終わりを確認しているみたいだった。

「くるりさん、ちょっと見てください。ご自分でもお分かりになると思いますが、腫瘍、前回と変わらないか、むしろ小さくなりましたね」

確かに。前はポコッと丸く飛び出していたのに今回は少し平たくなっていた。

「本当だ、小さくなるなんてこと、あるんですか?」

「ありましたねぇ」

「どういうことですか?」

「うーん、わかりません」

(・・・わからないんだ(*_*)

「3ヶ月前は確かに腫瘍に見えるものがあったことは確かです。成分を確認しないとわからないんですけど、ガンは大きくなりますからガンではなかったということです」

「じゃあ、なんなんですか?」

「うーん、炎症?」

(なんだよ、炎症って)

とにかく採取しないと何なのかはわからないらしい。そしてどうしてできたのかもわからないのだそう。

こんなところ(後腹膜)、滅多に腫瘍ができるところではないらしく、針も届かないから調べるなら開腹しての大手術だという。でも、ガンじゃないのにそんなことしたら医療過誤になってしまうのだそうだ。

大きくならなかったからガンではない・・・どうもスッキリしないけれど、とりあえずよかった。念の為、半年後に再度CT撮ることになった。

「先生、この間の健康診断で甲状腺腫大って指摘されて同じようにCT撮ったんです。そうしたら、腫瘤が見つかってやっぱり半年後にCTで経過見ることになったんですけど、こういうのってできやすい体質とかあるんですか?」

「あると思います。イボとかホクロとかできやすい人っていますよね。皮膚の表側はイボやホクロ、内側は腫瘍みたいな感じで。くるりさんできやすいんですかね」

感じで?体質で片付けられるのも嫌なんだけど。

ということで、病気に日々怯えていたわけではないけれど、「わたしはレアなガンになってしまった、悪性の確率が高くて予後が悪いからほぼ死ぬ」というネット情報と妄想からは解放された。ジーザス!神様、ありがとう!仏様、感謝!ご心配くださった方々、ありがとうございます!
 
トレーナーのHくんも心配してくれていた。育ち具合を見るために3ヶ月待つんだと言うと、「心配じゃないですか!今度僕も一緒に行きます!」わたしの甥っこになり診察室へ行って先生の話を一緒に聞くとわーわー騒いでくれたので、早く報告したいけれどスポーツクラブが開館しなければそれも叶わず。

きちんと勉強しているのだろうか?来るなと言われている神奈川や千葉の海でサーフィン三昧、お気に入りの車に投石されていないことを祈る。

++++++お家で++++++

マイケルが何でもなくてよかったなと言うと、続けてミルキーが「お母さんがガンにならなくて済むなら、ミルキー100万円銀行から出してくるよ」と言ってくれた。100万円というのは、この1年でミルキーの給与受取口座に残った残高。旅行やらデートでそこそこ使っていても、自宅通いでお弁当持参ならそれくらい残るのかな。自発的に貯めたのではなくて、たまたま残った残高なのだけれど、そんなことを言ってくれるのは嬉しい。当分、病気で死ぬことはなさそうだけれど、部屋のガラクタ処分はしなくちゃだな。











文明堂の雲のソフトクリーム

2020-05-09 16:06:28 | 日記

カステラ1番、電話は2番の文明堂『雲のソフトクリーム』
 
挿さっているのはカステラのラスクなのだけれど、お姉さんが挿すときに失敗して割れてしまいおまけでもう1本足してくれたもの。

なかなか食べでのあるソフトクリーム。甘さ程よく美味しい、税抜400円。
 
診察が済んだらお昼ご飯は食べずに老健へ帰ってきてくださいと言われて、外食できると思ってしょんぼりしていたお母さんと弟たちとみんなで食べたもの。

豆絞りのマスクしてます。